風呂屋の入り口で、韓国人夫婦がキムチ売りの露天を広げていた。
気のいい小母ちゃんが、連れと俺に、さぁさ、食ってけとばかりに、
笑顔で爪楊枝に絡めた試食を突き出す。。
「はい、これ、白菜」…風味が違って美味いね。
「次は牛蒡だよ」…この歯ごたえ、いける。いける。
「はいね。大蒜」…思ったよりも臭わない
「これ、蓮根」…うまー。これ最高。うますぎ。、
「んでもって、ヒジキ」…をぅ、これもいける！腰抜かす。
矢継ぎ早に差し出されるいろいろなキムチ。
撒き餌にすっかり気を許してしまった連れは、完全にお買い物モードに突入。
財布の紐が緩み出してる。
「おばちゃん、蓮根の500gで、いくら？？」
「3,000円」
フリーズ！
「さ、さんぜんえん？？？？」
連れの声の調子が弱くなり、声も小さくなった。
「ひ、ひじきは？」
「2500円」
「に、に、にせんごひゃくえん？？？」
フリーズ！
うーむ。
とどめだな。
連れの呼吸は、ラマーズ法よろしく、ひぃひぃふぅふぅって感じ。
過呼吸かっつーの。
でも、ここまで来たら引くに引けない。
「蓮根とひじきを…」…てなわけで、連れは、泣く泣く、3500円を支払いましたとさ。
めでたしめでたし。
小母ちゃんが言うには、蓮根とひじきのキムチ？は、宮廷料理らしい。
ちゃんぐむじゃーん。
あ。俺？
俺は、おばちゃんが
「お兄さんは貧乏そうだから白菜でいいよ」
ってことで、100g298円の白菜を300gを1,000円で購入。。
あれ？
なんで、300gで1,000円なんだ？
払いすぎてるじゃん…(^_^;)
つーか、貧乏そうってなんだー。
つーか、白菜「で」ってなんだー。
100円つりよこせー。
