休みの日、どこかへ行くほど余裕はなかった。
近くの川に
バーベキューをやりに
行くのが
せいぜいだった。
鉄板は
何かの鉄の板を利用した物で河原の石を足にした。
薪も
河原に落ちている小枝をせっせと集め
大きな物は鉈で割ったりした。
野菜は自宅から切った物を。
肉には焼き肉のタレををかけただけのものだった。
夏の思い出。
川
水中メガネで覗く世界に息を呑んだ。
タナゴ?
アユ?
流れに逆らって、止まっているように見える魚たち。
肩にとまるアブ。
勢いよく飛んでくる、光沢のあるトンボ。
奥の清流にいるのはウナギ。
淵は青く底は見えない。
河原での思い出。
得難いものだったんだね。
この年になって、そう思う。




