Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

大戦争ゴジラ雑感 その3

2008年09月06日 | 羽沢組的怪獣見聞録
モスゴジから南海ゴジラまでのスーツの流れ Part.3

 昨日書いた一連のモスゴジ系のゴジラスーツの流れですが、あくまで複数の書籍を見て映像と照らし合わせた私の解釈ですので、事実と違っていたらごめんなさい。
 関連書籍でも複数の人が書かれていますので、微妙に違う表現がされています。しっかり調べて書かれた方もいらっしゃるでしょうし、推測や記憶違い等で書かれた方の文章もあったと思われます。当時の事情に詳しい方から詳しくない一出版者の編集者の解釈もあるので、どこまで本当なのかはわかりません。
 それに書籍に掲載されている写真でも、カラーが少ない事や劣化してしまっているだろうフィルムの現像なので、明確な部分が定かにはなっていないケースもあります。
 でもたまにはこういった事を、いろいろと自分なりに調べてまとめてみるのも楽しいかもしれませんね。

 今回大戦争ゴジラの原型を作る上で、わかった点は基本がモスゴジであると言う事です。大戦争ゴジラを作りながらも時折、3年前に作った弊社から発売中のガレージキットのモスゴジを作っていた時の感覚を思い出したぐらいです。
 表面的な部分は全く別のゴジラではあるのですが、もし大戦争ゴジラ骨格を作るとしたらほとんどモスゴジと同じになると思いました。生物(架空の物でも)を立体で作るとしたら、芯になる骨格があると仮定して考えなければならない時があると常に思っていますし、その表現にしても二次元ではないにしろデッサン力が必要と考えます。リアルなものなら当然ですが、ディフォルメでもそれを理解した上でアレンジすべきと改めて実感しました。

 その点今回の「大戦争ゴジラ」は、「シェーポーズ」を左右どちらの手足を上にもできるようにしたかったので、ディフォルメしたこの商品の形状としては許されますが、もしリアルなものだったらと考えるとあり得ない骨格にならざるを得なかった部分はあります。
 質感を消す事なく、望むポーズを立体化する……ディフォルメの楽しさと難しさを両方強く感じた今回の原型作業でした。そして一連のゴジラスーツの流れを事前に調べておいて良かったと思いました。この辺が頭になかったら『怪獣大戦争』だけの資料(写真や映像)を見て、上っ面の造型になり、ディテールにもっともっと悩んでいたでしょう。立体物を視覚だけではなく内面も含めてとらえる事で、初めてその存在を自分の物にできるのかも知れません。
 やはりゴジラは奥が深いですね。