Part.2 塗装について(1)
■メタリック系で塗装する事
前に発売した「バージョン1」は、塗装にかなりこだわって時間と手間をかけてゴジラの熱戦放射の表現をしました。特にこだわったのは背びれです。
この「バージョン2」でもそのこだわりは生かしつつ、プラスアルファの表現にしたいと考えました。熱戦放射の発光表現に加えて、ゴジラの体そのものへの発光反射で強調するという方法を取る事にしたのです。
その手段としてメタリック系の塗料を効果的に使用する事で表現する事はすぐに思いつきますが、その塗装そのものの方法で多少考え込んでしまったのは事実です。
これまでGメモリーズセレクションの展開として、全体的にゴジラにメタリック系の塗装をしている商品の数は少ししかありません。
トラウマというほど大げさなものではありませんが、躊躇していた部分はあったのです。
弊社商品の初期に「キンゴジ」の展開として、全身をメタリック系の塗装をした3つの「実験カラー(メタリックグリーン、メタリックブルー、エメラルドグリーン)」(いずれも完売)を発売しました。
Gメモリーズのソフビ展開として、全体的にメタリック系に塗装したものが似合うのか、そのゴジラのイメージを壊す事になるのではないか、そしてお求めいただく皆様に喜んでいただけるものなのかという懸念がありました。そのためあくまで「実験カラー」として個数限定で発売させていただいたのです。
おかげさまで早めに完売し、好評をいただき安心しましたが、しばらくして見直してみると、本当にこれで良かったのかという100%の自信はなかったのです。
このような事を今更言うのは、お求めいただいた方々がご立腹されるかもしれませんが、配色や塗装そのものについては無意識に他社さんで多く見られるレトロタイプでの塗装表現に影響されてしまっていたと後で気がつきました。
同じメタリック系の塗装表現にしても、もっと独自の方法があったはず……と。
色の組み合わせがきれいだから、かっこいいから、なんとなくこんな色が欲しかったから………それではまるでどこかで見られたレトロタイプソフビと同じコンセプトに思われても仕方がありません。
喜んでいただけた事は素直に嬉しいし感謝もしておりますが、私個人の気持ちとしてはその反省がずっと残っていたのです。