Part.3 塗装について(2)
■テーマ表現の効果としての一つの手段
以前、3つの実験カラーを「キンゴジ」で発売した後になって反省する部分はありましたが、後ろ向きでいた訳ではありません。
全体的にメタリック系で塗装する事については、やり方次第できちんとGメモリーズセレクションのテーマに沿った表現はできるものであるという事にも気がつきましたし、経験値としては十分プラスにはなっています。その経験はこの「熱戦バージョン」2種でも生かされていますし、今年発売した「クライマックスバージョン」や「熱戦ダメージバージョン」でも大いに役立っています。
近年、怪獣ソフビ、特にレトロタイプ系のものでは全体的に(もしくは部分的に)ボディにメタリック系の塗装をしている商品が多く見られます。前にどこかで見た感じやなぜこんな色にしたんだろうという疑問を感じるものも多くはありますが、一部のマルブル系のディフォルメタイプではそういったカラーリングは、テーマ云々抜きにして効果的にデザインの一つとして表現できていると感じられるものもあります。
が、Gメモリーズセレクションでは常にテーマを持って配色を決めていますので、それと同じ塗装コンセプトにする訳にはいきません。
ご承知の通り、Gメモリーズセレクションは「カッコかわいく」をテーマに、独自のディフォルメタイプとして企画しております。それは造形部分においての事だけではありません。配色や企画テーマそのものでも「カッコかわいく」でありたいという独自色で展開していきたいと考えています。
世の中に数多くあるリアルタイプやレトロタイプディフォルメの流れとは全く別のものでありたいと考えています。
ですから同じメタリック系にするにしても「カッコかわいく」を表現するための手段の一つとしてするべきと今は考えております。
配色や塗装の詳細は前に書いた「こだわり」をご覧いただくとして、結果的に「熱戦バージョン2」では、あくまでゴジラの熱戦放射の表現(「バージョン1」からの)の続きとして反射効果の表現のためにそう見えるような塗装にしたつもりです。