Part.1 原型(1)
今日から昨年3月に発売した「メカゴジラ スタンダードカラー」(完売)の制作裏話を書きます。商品の詳細は2011年2月8日の記事と2011年2月24日~3月8日の「こだわり」をご覧下さい。またこの「メカゴジラ」制作に当たり、弊社なりの解釈で調べた事は、2011年2月21~23日に書いた「見聞録」をご覧いただけると参考になるかと思います。
■キングギドラと同時進行でスタート
ゴジラ中心のGメモリーズセレクションではありますが、ゴジラの対戦怪獣も作ってみたいという気持ちは初期からありました。が、どうしても作りたいゴジラの方が多いので後回しになってしまいます。
そんな中、いくつかゴジラソフビを発売させていただくようになり、Gメモリーズセレクションを始めてから3年目ともなると、そろそろ敵も欲しいという気持ちにもなりましたし、お客様からもリクエストをいただくようになりました。
そこで当時最初に考えたのが、キングギドラとメカゴジラです。「ゴジラのライバルと言えば?」という質問を投げかけられると、この2つが多くを占めるのではないかと思いましたし、何よりもどちらも私自身好きな敵怪獣です。ぜひ羽沢組ゴジラたちと並べてみたいという気持ちは強くありました。
それでどちらにしようかと考えた時に、決めきれず、原型の製作はほぼ同時進行で行って「いけそう」と思った方を作る事にしました。決めきれなかったのは、どちらも同じぐらい好きというのもありますが、一番の理由は、「作れるのか?」という根本的な事です。
それまでガレージキットも含めて、ゴジラしか作った事はありません。原型の前に、この2つはゴジラとはあまりにも形状が違いすぎるので、自分のわずかの経験と技術で「できる」という自信も確信もありませんでした。
キングギドラの3本の首・頭でうまくバランス良く重心をたもてるのか、羽はどうやって作った方がベストなのか、頭や顔の突起は成型時の抜きの反対向きなのでうまく抜けるように作れるのか……。
メカゴジラは怪獣とはいえロボットの要素が多いので、左右対称に見えるように作れるのか、リベット(ねじ?)部分はどうやって細かく入れられるのか、凹凸がゴジラとは全く違うのでいつもの粘土材料で可能なのか……。
どちらにしても原型の時点で悩んでしまったので、とりあえず両方チャレンジしてみようという事にしたのでした。