Part.3 原型(3)
今日も「メカゴジラ スタンダードカラー」の原型制作時の当時のエピソードのつづきです。
■材料探しと作り方探し、そして繰り返し
いよいよメカゴジラの原型制作に取りかかります。
ディフォルメゴジラしか作った事がないため、テイストの違う物の原型を作るという事はいちから勉強する事でした。
ゴジラは堅さの違う複数の石粉粘土(主にファンドやラドール等)、スカルピー等でいつも作っていました。はじめはこれらで作り始めてみましたが、メカらしいシャープさや冷たさがどうしても出ません。そこでパテ系の物をいくつか試してみましたが、慣れないためなかなか思うように盛ったり削ったりできません。
それまでの弊社のゴジラたちを作るときもそうでしたが、私の身近にはこういった造形物を作っている人もいませんし、自家製のガレージキットを作る友人もいないので、全て独学しかありません。雑誌やホームページをいろいろと見まくり、メカもの、ロボット物を作っておられる人たちの作り方や使用材料はどうなのかと、調べる所から再スタートです。
メカ系のものを作られている方の多くはパテが主流のようですが、そのパテも数えきれないぐらいの種類が売られており、人によって使っているのが様々。結局自分でいくつか試して、自分にあった物を探すしかない訳です。
そして形作りを始めてみてもやはり思うようにはなかなかいかないものです。
それなりの形になっても、Gメモリーズセレクションの「カッコかわいさ」らしいディフォルメテイストにはなかなかならない場合が多く、自分にイラ立つことも多くありました。
また最初からやり直し……。とはいえ、他の仕事や次のGメモリーズセレクションの準備や生産等がありますので、やり直すにしても数日、数ヶ月後になります。
そしてまたゼロから何度目かの再スタートです。その間も、もっと合った粘土やパテがないものか、もっと自分にあった作り方はないものかと考え込む日々です。こんな事を繰り返す事が何度もありました。