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傾聴ボランティア(5)認知症の方の傾聴はできないか

2015-02-03 12:01:47 | 傾聴
 認知症の方の傾聴は難しい、傾聴の意味があるのか、と本人に関わる人は悩みます。
 「認知症は病気であり治療薬の研究も進んでいる」という説明は、今まで認知症が痴呆と言われ、周囲の誤解や偏見を受けていた時代から脱却する過程でよく言われた。今では、認知症に対する社会の理解も年々深まっている。しかし病気と言ってしまえば医師と患者の関係だが、認知症の場合は医師と介護する人の関係になるので、まだ治せる薬が無い以上、対応を考える必要があるという。
 進行を遅らせる薬はあるが未だ治せない病気(近く治療薬ができると言われているが)であれば、薬に頼るほかに、生活を豊かにするための工夫が必要である。言い換えると、「認知症が脳の病気だと言ってしまうと、本人の不適切な言動や暴言暴力等はすべて病気のせいだということになり、本人の訴えはまともに取り上げられなくなる。
 「認知症は脳全体の病気でなく、記憶を中心とした部分であり、ものの見方や考え方、感情や他人への配慮や気遣いには、ほとんど影響を及ぼさない。それを理解しない介護者の対し方は、症状を余計悪化させている可能性がある」という。
「認知症高齢者の現在ある姿を、何か問題を抱えている人としてではなく、今のままでいいのだと肯定的に捉え、優しく丁寧に向かい合うのが大事ではないか」ともいう。
 医療が間に合わない分は、傾聴ボランティアも何かできそうな気がするが、具体的にどうしたらよいかいつも悩む。参考文献の「介護者の対し方」に準じた態度が必要と思う。
  参考文献:① 上田諭 著『治さなくてよい認知症』
         ② 『月刊 傾聴ボランティア 平成26年12月号』(ホールファミリーケア協会)


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