花水木の独り言

庭の大きなハナミズキの、白い蝶のような花びらや、真紅の葉に気持ちを託して・・徒然なるままにキーを打ちました。

ギュスタブ・モロー展

2005-09-10 | 美術館

ギュスタブ・モローは私にとって不可思議な印象があり、その謎解きもしてみたく展覧会に行ってきました。
初期から晩年に至までの油彩、水彩、素描など279作品が私を包んでくれました。
象徴派の巨匠と言われ「ギリシャ神話」や「聖書の物語」を題材にした、私の最も好きな印象派とは対極をなす 神秘的な瞑想の世界が繰り広げられていました。
特に代表作と言われるものの中から3点を表示いたしましょう。

《一角獣》
上記のチケットを飾っています。
「一角獣は気性激しく人に慣れる事はなく、純潔な乙女の膝元で安らぎ、角は触れたもの全てを浄化する力を持つ」 独自の耽美世界を構築した珠玉の作品。





 《エウロペの誘拐》
「ユピテル(ゼウス)は人面半獣に姿を変えて美しいエウロペを誘拐し3人の息子が生まれました」 愛と憎しみの相克、卓越した想像力で宝石のような絵画を創作。






 《出現》
「ユダヤの支配者ヘロデ王は誕生日の宴席で、後妻ヘロデアの娘サロメの踊りを所望し、望みのものを取らすと言う。サロメの望んだものはヨハネの生首であった。
中空にヨハネの首が出現したのだ」 これはモローの独創性の表れで、文学・音楽に多大な影響を与えた。


 モローは生前から住宅兼アトリエを美術館として公開しようと考えていました。
 経済的に恵まれ、両親の愛を一身に受けて自己確立し 名声を博し長寿を全うし たのです。
 没後 作品と邸宅をフランス国家に遺贈し、初代館長には教え子であった ルオ ーが就任しました。
 沢山の事を知り得て、そしてギュスタブ・モローに近付けて良い一日でした。