東埼玉病院 総合診療科ブログ

勉強会やカンファレンスでの話題、臨床以外での活動などについて書いていきます!

健康教育について

2015-06-03 21:33:39 | カンファレンスの話題
 当科は、月に1回、地域の老人福祉センターで健康講話を行っています。蓮田市の在宅医療連携推進事業の1つとしてやらせていただいています。(詳しくはhttp://www.esaitama-hosp.jp/zaitaku/report.html#fukush)テーマは在宅とは必ずしも関係なく、健康に関することに対する様々な話題です。主には、後期研修医の人に、健康教育やヘルスプロモーションの経験としてやってもらっています。当然、指導は行いますが。今月もあるので、今日は少しその導入を行いました。まずはテーマ選びからです。よく導入時に、下記の内容で後期研修医の人たちに話をしています。非常に一般的な内容で恐縮ですが・・・。

■健康増進に対するアプローチ
・ハイリスクアプローチ:リスクの高い個人に対して健康介入を行う
・ポピュレーションアプローチ:集団全体に介入することで集団全体の健康水準を変化(社会的環境整備、物理的環境整備、啓発など)
(・Vulnerable population approarch:リスクをもつ可能性が高い人に介入。社会的特徴によって定義。)

■健康教育の実際
★対象者を意識する
ある程度対象者を絞る→効果的・効率的に健康教育を行える
対象者があらかじめ決まっている場合→対象者がどのような人々で、どのようなニーズがあるのかなどを検討
★どのように伝えるのかを考える
 「何」を強調して訴えるのか→具体的なイメージを抱いてもらうように工夫(視覚的、参加型)
メッセージの伝え方:一面的メッセージと二面的メッセージ
    一面的メッセージ→その行動のメリットだけを伝えてデメリットには触れないこと。既にその行動に対して前向きな人々によく作用
    二面的メッセージ→その行動のメリットとデメリットの両方を伝えること。その行動にまだ気持ちが傾いていない人々によく作用
★評価を行う
 プロセス評価(健康教育を計画通りに行えたか、対象者がどれくらい満足したか)、影響評価(対象者の知識や行動にどのように影響を与えたか)、結果評価(対象者の健康状態やQOLにどのような効果を与えたか)

 このあと、テーマ選びや実際に話す内容などについて、指導医との相談を繰り返しながら行っていきます。当日の様子はビデオにとるので、それをあとで閲覧して、みんなでフィードバックしたりしています。当人はだいぶ恥ずかしそうにはなりますが(笑)。6月の内容が楽しみです。

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