「土佐っ子」のDNAを頑固に受け継ぐヘビー級の一杯
東武東上線・下赤塚駅前で深夜まで営業する「じょっぱりラーメン」へ。ご主人の川口秋由氏は、80年代の環七ラーメンブームをけん引した「土佐っ子らーめん」で副店長を務めた人物。土佐っ子が90年代に諸トラブルで経営者が変わり、衰退していった後も、そのDNAを残そうと奮闘した一人である。
メニューは、背脂チャッチャ系が醤油、味噌、塩の3種。その他、鶏メインのラーメンや、つけ麺もそろえている。深夜の訪問だったからか、店内はスナックのような雰囲気。テーブル席で酔っぱらう常連客の与太話に応酬するご主人。その姿に入店5秒で圧倒されるも、気を取り直して、旗艦メニューの「ラーメン正油」をオーダー。
背脂の多さは言わずもがな、想像以上にラードの層も厚い。まずは、丼底に溜まった醤油ダレをかき混ぜて、一気に啜りあげる。上質な背脂なので甘みがあり、ラードもサラサラで、ヘビーだが呑みやすいスープだ。存在感のある麺は土佐っ子御用達だった「つるや製麺」の中太麺。スープを良く吸っていて、モチモチで旨い。
後半は、脂の多さに苦戦しつつも美味しく完食した。店名の「じょっぱり」は、ご主人の出身地・津軽地方で「頑固者・強情者」という意味。土佐っ子の味を守り、さらに昇華させてきたという矜持を感じるネーミングだ。ご主人が纏う水色のユニフォーム、その胸元には今日も「土佐っ子」の刺繍が光る。
<店舗データ>
【店名】 環七 土佐っ子 じょっぱりらーめん
【住所】 東京都板橋区赤塚新町1-24-8
【最寄】 東武東上線「下赤塚駅」徒歩1分
★2020年11月に埼玉県鴻巣市神明1-9-20に移転