暴飲暴食、高知の夜はシジミでシメを
鰹のタタキ、清水の鯖、鯨料理、地鶏、餃子、土佐金目、そして日本酒…名物に舌鼓を打った高知の夜。さすが酒呑みの聖地だけありシメの選択肢も様々あるが、ベテラン勢からは「呑兵衛屋台」の『しじみラーメン』を推す声が多い。歓楽街・帯屋町の中央公園そば、屋台とは言うが屋外ではなく店舗を構えての営業である。
店内は手前側にテーブル席、奥に屋台が鎮座する独特なレイアウト。テーブル14席と屋台に7席があり休前日は大混雑だ。ラーメンは「しじみラーメン」のほか、オーソドックスな中華そば、みそラーメン、ご当地麺・鍋焼きラーメン、さらには肉もやし、鳥ネギ、トンスキが乗った一杯と、なかなか個性的なラインナップだ。
ほか、焼ぎょうざ、肉シューマイ、春巻き、牛スジ煮込み、焼き飯、天津飯、モヤシ炒めといったツマミ類もある。シメのはずが、つい注文してしまった「焼ぎょうざ(570円)」と「肉シューマイ(600円)」。まずはコイツらで1杯飲ろう。ぎょうざはモッチリした皮に野菜多めの餡で、粒は大きめだがライトな食感だ。
高知の餃子は野菜餡でどんどん食べられるのが恐ろしい。そして黒板に「味に自信あり」と書かれた手づくりの肉シューマイは蒸籠で到着する。立ち上る湯気に気分高揚。肉と玉ネギを主軸に甘めに味付けされたタネがネットリと舌にまとわりつき絶品だ。ついつい酒が進んでしまい、ハイボールを追加してしまう。
さて、いよいよシメの「しじみラーメン(930円)」を注文しよう。澄んだスープに麺とシジミとネギというシンプルなビジュアル。スープはシジミの出汁が効いており、強すぎない程度の塩で味付けされている。暴飲暴食の限りを尽くした身体にスッと染み込む優しい味だ。宍道湖の物を使っているそうだが、貝の嫌な臭みも無く旨い。
こりゃ、シジミの吸い物という感じか。そして合わせる麺が柔らかな茹で上がりで、胃に優しいのもありがたい。カラ入れをくれるので、シジミは身まで全て頂いていく。スープまで飲み干すと、不思議と酔いも醒めてきたような気がする。ぜひ高知の夜のシメに、訪れてみて欲しい。きっと忘れられない夜になるだろう。
<店舗データ>
【店名】 呑兵衛屋台
【住所】 高知県高知市帯屋町1-8-13
【最寄】 とさでん交通伊野線「堀詰停留所」徒歩3分