足立区綾瀬、飲らないワケにいかない町中華
東京メトロ千代田線・綾瀬駅の東口から北へ歩いて9分ほど。東京武道館を越えた先、住宅街の一角で2021年6月26日から営業する「中華食堂あだち」へ。屋号は足立区でもあり、ご主人が足立良太氏という事もありダブルミーニングだろうか。すぐそばの綾瀬五丁目商店街にある精肉店「肉よし」がご実家で、仕入れもそこからだそう。
そして飾らない町中華の顔をしていながら、日本酒は新政No.6、而今、花陽浴、田酒、鳳凰美田、手取川など。焼酎は森伊蔵、魔王など、いずれも入手困難酒を取り揃えている。しかもとってもリーズナブル。ほかにもビール、サワー、ハイボール、紹興酒など充実。BS-TBS「町中華で飲ろうぜ」に何度も登場するのが頷ける。
店内はカウンター5席と4人掛けテーブル2卓。奥の小上がりには5人まで座れる掘り炬燵席が2卓ある。麺メニューは醤油、味噌、エビ塩、五目うま煮などのラーメンに加え、タンメン、マーボーメン、つけ麺類など多種多様。それぞれ焼豚、辛ねぎ、白髪ねぎ、バター、コーン、ワンタン、メンマ、のり、こってり味を追加トッピング可能だ。
焼き餃子、水餃子、肉焼売、五目春巻き、ガツネギ合わせ、豚肉野菜炒め、レバニラ炒め、生姜焼き、マーボー豆腐、エビチリなど一品料理も充実。ホワイトボードにはホイコーロー、おつまみモツ炒め、マーボーナス、肉もやしあたまが人気と。ほかチャーハン、中華丼、天津丼などの飯モノや、ライスとスープ、お新香付きの定食も。
また午前11時から午後2時までのランチタイムには、醤油ラーメンと日替わり丼の「Aセット(880円)」、味噌ラーメンと日替わり丼の「Bセット(950円)」などお得なセットもある。これだけの料理と酒が揃っているものの、残念ながら今日はお昼時の訪問。町中華だが飲らないことに。オーソドックスな「Aセット」でお願いすることに。
6分ほどで2皿到着。日替わりは「ひき肉もやしあんかけ丼」だ。想像の一回り上のサイズで驚いた。そしてもう一つの驚きは、縁に緑と赤の線が入ったこの皿だ。かつて綾瀬と亀有に存在し、親会社倒産を経て今は亀有で営業する「ニューピリカ 華」と同じなのだ。関係筋か?という疑問は、醤油ラーメンを啜って確信に変わった。
鶏ガラベースの醤油清湯にコシのある中細麺。肉の旨味を存分に活かした豚肩ロースの大判チャーシュー、わかめ、メンマ、刻みネギ。ザ・町中華といった一杯だが、これが「ピリカ」の味とそっくりだ。気付けば「ルースー」など特徴的な類似メニューもある。弟子筋か同経営か。界隈で育った者にとっては懐かしい味である。
そして「ひき肉もやしあんかけ丼」は、たっぷりのモヤシ、挽肉、ニラ、ニンジン、キクラゲを、生姜が効いていて甘すぎない餡でまとめてある。味も良いがボリュームも満点。これで880円とは畏れ入る。安い、早い、旨いを見事に体現。メニュー豊富で毎日でも飽きない店だ。次はぜひ日本酒と中華の組み合わせを楽しみたい。
<店舗データ>
【店名】 中華食堂あだち
【住所】 東京都足立区綾瀬5-14-18
【最寄】 東京メトロ千代田線「綾瀬駅」東口徒歩9分