博多居酒屋からスピンアウトした絶品麺
JR神田駅から神田駅西口通りを歩いて4分ほど。飲食店街の一角で2021年12月9日から営業する人気店「三馬路 東京店」へ。コチラは博多祇園町に本店を構え、ラーメンやモツ鍋、一口餃子、地鶏などを楽しめる「博多うま馬」の東京進出店だ。なお「三馬路」は昭和16年に誕生した博多初のラーメン屋台の名前で「うま馬」の源流。
以前「うま馬」は東京駅構内のキッチンストリートに「東京駅店」を出しており、そこでランチ時のみ「三馬路」の屋号でラーメンを提供していた。これが非常に旨く、私も何度か訪れたのだが、2021年8月末に駅構内のリニューアル工事に伴い閉店。その後、ラーメンのみスピンアウトする形で神田に路面店を出したのである。
店内はカウンターのみ7席。麺メニューは鶏豚と魚介の清湯に椎茸とポルチーニ茸のペーストを溶かしながら啜る「塩そば」と、煮干しや節が香る「醤油そば」、「昆布水つけ麺」が醤油と塩の2種、それに「油そば」をラインナップしている。それぞれチャーシュー、煮玉子、海老ワンタン、肉ワンタンを追加トッピング可能だ。
また飯モノにはコシヒカリの「ご飯」、マキシマムこい卵の「卵かけご飯」、長崎の芳寿豚を使った「豚飯」などを揃えており、ビールとハイボールを引っかけることも出来る。悩んだ末「特製 昆布水つけ麺 醤油(1400円)」を注文することに。なお特製は海老ワンタン2個だが、これを肉ワンタンに変更も可能だ。今回は海老をチョイス。
待つこと10分ほどで麺線が整えられた美しい丼が到着した。麺が浸っている昆布水には北海道産の真昆布、牛深産片口煮干し、枕崎産本枯節、貝柱、原木椎茸、沖縄の海水塩、カンホアの塩と高級食材を惜しみなく使用。まずは何もつけずにそのまま麺を啜る。昆布水は粘度はさほど高くなく、上品な旨味と程よい塩味が効いている。
そして麺は菅野製麺所製でコシのある中太麺だ。全粒粉を練り込んでおり香りも良い。昆布水も麺もポテンシャルが高いので、そのままで十分に旨いが、卓上には矢堅目の藻塩、柚子胡椒、そして「つけ麺」の客のみ和歌山県有田川町清水産の貴重な「紀奥山椒」も添えられるので、これらを使って麺を楽しみ尽くしていく。
そしていよいよ「つけ汁」へ。醤油と塩で出汁が違うのだが、醤油は数種類の煮干しや節を使った魚介出汁に、動物系出汁を下支え程度に加えているという。アッサリしているが煮干しのビターさや動物のコクもしっかりと感じられ旨い。つけ汁の中にはローストした角切りの豚バラと肩ロースチャーシューが入る。
肉の旨味をしっかり感じる仕上がりだ。そしてワンタンはプリっとした海老とチュルチュルした皮が絶品。ほか柔らかな材木チャーシューとネギが入る。そして麺の上にはレアな肩ロース肉とライムが。最後はつけ汁に残った昆布水を注いで完食。麺大盛にすべきだったと激しく後悔した。次回は塩の麺大盛を啜りに来よう。
<店舗データ>
【店名】 三馬路(さんまろ)東京店
【住所】 東京都千代田区内神田2-9-6
【最寄】 JR山手線「神田駅」西口徒歩3分