競輪のトップ選手、渾身の白河ラーメン
つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅の東口から歩いて8分ほど。柏市公設市場内で朝10時半から昼2時まで営業する人気店「中華そば 白河屋」へ。コチラのご主人はなんと、アトランタ五輪で銅メダルを獲得した元競輪選手・十文字貴信氏だ。それも、実際に厨房に立ち、ご夫婦でお店を切り盛りしているのである。
十文字氏は競輪最高位のS級で活躍したが2019年1月15日に引退。第二の人生として自身の郷里・福島県で親しんだ白河ラーメン店の経営者を選んだのである。昔から白河ラーメンが好きで「いつかは・・・」という思いがあり、祖母との思い出の店「白河屋」の流れを汲む店に定期的に通いプロの技術を学んだという。
さて、お店のある柏市公設市場だが、関連食品棟のお店では業者だけでなく一般客も車を停めて買い物が出来る。出入口は2つあり、駅から歩く際は西門が近いのだが、今回は遠回りして国道16号線・若柴交差点そばの正門からアプローチ。正門脇に「通り抜け禁止」「ご利用のお客様は登録を」と看板があるが臆せず進んでOK。
飲食店が建ち並ぶのは青果棟と関連食品棟の間にある「食堂エリア」だ。寿司や海鮮丼といった海の幸を楽しめるお店をはじめ、蕎麦屋、大衆食堂、喫茶店など10店ほどが並ぶ。驚くのは、この内の3軒がラーメン店という事。今回訪れた「白河屋」に加え「らーめん流星」「和風らーめん夢館 Powered by Labo」が営業中だ。
さすが「白河屋」は人気で、正午を外しても店前には10人ほどの待ち客が。名簿に名前を書き、20分ほど待って入店した。店内はカウンターとテーブル席が混在。接客係は奥様の夏江さん。元競輪キャスターだ。当然の事ではあるのだが、店内に掲示された食品衛生責任者の氏名も「十文字貴信」なのが新鮮である。
麺メニューは醤油清湯の「中華そば」を主軸に、チャーシューメン、汁なし、夏季限定の冷やしなどをラインナップ。また数量限定で提供する、チャーシュー無しで海苔とほうれん草を増量した「あおし」と、チャーシュー300gが乗る「あつし」も人気である。今回は「中華そば(750円)」に「味付け玉子(100円)」を追加しオーダーした。
中華そばは鶏ガラベースの清湯で、豚ガラや香味野菜も加えているだろう。醬油のカエシがしっかり効いた、旨味とコクのあるスープである。またスープ表面に浮かぶ鶏と葱の油が香ばしい。そこに合わせるのは平打ちで縮れた中太麺。本場同様に青竹で打ったものだろうか。多加水でプリプリっとした弾力ある食感が旨い。
チャーシューは醬油ダレがよく染みている。黄身がネットリとした味玉はLサイズの卵を使っていてボリューム満点。ほか、甘めのメンマ、ほうれん草、ナルト、刻み葱、海苔が乗る。麺もスープも具材も旨く、あっという間に完食した。なお、店は日曜定休で、更に週1回不定期で平日が休みとなる。行かれる際はぜひ下調べを。
<店舗データ>
【店名】 中華そば 白河屋
【住所】 千葉県柏市若柴69-1 柏市公設市場内
【最寄】 つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」徒歩8分
★2022年6月に屋号を「中華そば れもん」に変更
★メニューも中華そば、汁無しの2軸に集約