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肥宝館 -貧すれば丼する-

【徳島 那賀町】 麺屋 藤「塩らぁめん 並(750円)」

徳島の山奥に東京らぅめんを啜りに行った件

徳島県那賀町の川口ダムのそばに県下屈指の人気ラーメン店がある。それも、いわゆる徳島ラーメンの店ではなく『東京らぅめん』を看板に掲げていて、屋号は「麺屋 藤」という。オープンは2010年。最寄駅となるJR牟岐線の北河内駅からは山道を15キロ。加えて土日は昼営業のみとハードルは高いが、その分、啜りたい衝動に駆られる。

当然、レンタカーや自家用車が楽だろうが、苦労した旅ほど味が出るもの。あえてバスでアプローチすることに。徳島駅前の12番乗り場を朝9時ちょうどに出る富岡・橘西行きの徳島バスに乗ると、橘営業所にて待ち時間数分で丹生谷(にゅうだに)線・川口行きのバスに乗り継ぎ店前まで辿り着けるのである。

バス2本を乗り継ぎ、最寄りの吉野中バス停には11時10分頃の到着。店は国道195号線=阿南鷲敷日和佐線沿いに立つ。約10台分の駐車場があるが、休日は入れずに引き返す車も。店内はL字カウンター8席と小上がりが2卓の計16席。調理はご主人の藤長弘樹氏が1人で行うため回転は速くない。8人待ちで着席までは30分ほど。

らぁめんメニューは、店主イチオシ「醤油」、一番人気「塩」、再仕込み醤油を使い背脂を浮かべた「黒醤油」、小樽産を使った「味噌」、自家製麻辣醤の「辛味噌」、辣油を絡めた白髪ネギが乗る「ピリ辛ネギ醤油」と多彩なラインナップ。更に、醤油と味噌から選べる「つけ麺」や、汁なしたれそばも用意している。

ほか、餃子や若鶏からあげ、五目春巻といったツマミ類や、味玉と鮭フレークの「さけ玉丼」、チャーシュー丼、辛口高菜ごはん、卵かけごはんといった飯モノも充実。たしかに麺も飯モノも東京ライクな品揃えである。豊富な選択肢にかなり悩んだが、今回は一番人気の「塩らぁめん」を並盛(750円)でオーダーする事に。

待つこと20分で着丼。焦がしネギの香りが食欲を掻き立てる。澄んだスープはじっくり炊いた阿波尾鶏の鶏ガラ出汁に、伊吹いりこや鯖節、潤目節などの魚介出汁を合わせた無化調スープ。塩ダレには貝類も使っているか。幾重にも旨味が重なり押し寄せる。そこに合わせるのは自家製の中細麺。モチっとした食感がたまらない。

チャーシューは旨味が凝縮されたバラロール肉と、もう1枚はロースだろうか。いずれもハイレベルな仕上がりだ。ほか、黄身ホックリの味玉、鰹節、ナルト、ホウレンソウ、刻みネギ、メンマ、香りの良い海苔と、いずれも丁寧な仕事が光る具材がトッピングされる。徳島駅前から3時間かけて辿り着いた一杯だが、あっという間に完食だ。

これは他のメニューも気になるところだが、気軽に通えないのが残念なところ。そして気になるのは帰りの足。吉野中バス停を12時51分に発つ橘営業所・阿南駅前行きバスに乗れないと、次のバスは15時21分と2時間半待つことになるので大変だ。うむ、やっぱり車で行くことを強くおススメしたい店である。

<店舗データ>

【店名】 麺屋 藤
【住所】 徳島県那賀郡那賀町吉野字森ノ下70-1
【最寄】 徳島バス「吉野中停留所」徒歩1分

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