盛昭軒のDNAを受け継ぐ「盛信軒」
茨城県筑西市の中心・下館に昭和20年代から根付く「下館ラーメン」。濃いめの醤油スープで、鶏肉チャーシューを使用した個性的な一杯である。市の職員や民間の有志による「下館ラーメン学会」の公認店は2021年現在で12店舗。その中で、今回はJR水戸線の玉戸駅から筑波山を右手に、北へ歩いて15分の人気店「盛信軒」へ。
ご主人の信田誠三氏は下館ラーメンの代表格「盛昭軒」で修業し1976年に独立創業。屋号の由来は推して知るべし。創業当時のままのレトロな建物で営業中だ。地方で昼夜通し営業なのは貴重な存在である。店内は4人がけテーブル3卓に加え小上がりも。本棚にはクローズ、ろくでなしBLUSE、はじめの一歩など勇ましい漫画が。
麺メニューは「ラーメン」を主軸に、ワンタンやワカメを乗せたり、メンマを増量する事も出来る。また、タンメン、五目そば、夏場は冷やし中華も提供。ほか、もつ煮込みやカツ丼、ツマミメニューなどもあるが、近年は麺・飯とも少しメニュー数を絞ったようだ。今回はシンプルに「ラーメン(600円)」を注文することに。
澄んだ茶のスープは鶏ガラとキャベツなどの野菜を炊いて、濃口醤油のカエシを重ねたもの。醤油のコクやキャベツの甘みもありつつ、スッキリした飲み口に仕上がっている。表面に浮かぶのもラードではなく鶏油。中細で縮れた麺は、修業元「盛昭軒」謹製。盛昭軒より少し固めの茹で上がりでコシがあり、スープとの相性は抜群だ。
鶏チャーシューは固めの仕上がりで味付けも控えめ。茹で卵はただの半玉ではなく輪切りになっていて面白い。ほか小松菜、歯ごたえある甘めのメンマ、三角の海苔、刻みネギが乗る。卓上には瓶に入った特製の辛味噌があるので、最後に少し溶き入れてピリっと完食。盛昭軒との差別化もあり楽しめた。次はやはりタンメンかな。
<店舗データ>
【店名】 盛信軒(せいしんけん)
【住所】 茨城県筑西市下平塚603-17
【最寄】 JR水戸線「玉戸駅」徒歩15分