見出し画像

肥宝館 -貧すれば丼する-

【新潟 巻】 こまどり「味噌ラーメン(780円)+餃子3個(410円)」

新潟濃厚味噌ラーメンの総本山「こまどり」

新潟には様々なジャンルのラーメンが定着しており、メディアなどでは「五大ラーメン」とも呼ばれている。燕市発祥の「背脂ラーメン」、青島食堂に代表される長岡の「生姜醤油」、三条の「カレーラーメン」、新潟市内を中心に親しまれている「アッサリ醤油清湯」、そして巻町発祥の「濃厚味噌ラーメン」の5つである。

今回は新潟駅からJR越後線の普通電車で45分、巻町にある濃厚味噌ラーメンの元祖「こまどり」を訪問した。お店は巻駅から西に歩いて30分ほど。県道新潟寺泊線の竹野町交差点そば、JA越後中央こしわ支店の裏手にある。赤く大きな看板が目印。今回は徒歩を選んだが、巻駅前にはタクシーがいるので利用するのも手だ。

創業者であり先代の社長は1964年、母が営んでいた焼き鳥屋を受け継ぎ、居酒屋として営業を始めたという。その後、1973年にオイルショックで不景気となり「何か新しいメニューを」と、味噌ラーメンをメニューに加えることにした。出前も行っていて、当時から濃厚な味付けだったそうだ。冷めにくいようラーメンは擂り鉢に。

また、塩辛過ぎると申し訳ないとコーヒーカップに割りスープを入れて持っていったという。これが「こまどり」の原型である。今もこのスタイルは店の最大の特徴であり、ジャンルとして確立されている。当時、店は巻駅の近くにあったそうだが、モータリゼーションに合わせて、広い駐車場が確保できる現在の場所に移転。

新潟県内の数店舗で、同じく割りスープ付きの濃厚味噌ラーメンを提供している人気店「東横」も、創業者は「こまどり」で修業したという。まさに新潟濃厚味噌系の総本山。そんな「こまどり」は、ミシュランガイド新潟2020で、一定の基準をクリアした店に与えられる「ミシュランプレート」も獲得。連日、人の列ができる人気ぶりだ。

看板の派手さに対し、店舗の入口は通好みなステルスタイプ。人の列がなければ見過ごしてしまう難易度である。だが、暖簾をくぐれば店内は活気に溢れ、カウンターと小上がりは満員状態。厨房では二代目社長をはじめ数人のスタッフが強い火力で鉄鍋を煽り、味を見ながら微調整。手際よく盛り付けを行っている。

麺メニューは太麺の「味噌ラーメン」が主軸で、平打麺の「ごまだれ味噌」「とんこつ味噌」、細麺の「ねぎ味噌」などのラーメンなどもラインナップしている。バター入りも旨そうだ。ほかにも清湯のラーメンや、焼きそばも提供。また、餃子やモツ炒めをはじめ、思わず酒を頼みたくなるツマミメニューも充実している。

今回は王道の「味噌ラーメン(780円)」と、大粒でインパクト大の「餃子3個(410円)」をオーダーした。まず到着したのは餃子だ。ひと口では食べきれないサイズで、味噌ラーメンとの対峙を前に思わず怯む。餡は野菜たっぷり。底面は香ばしく、そして蒸し焼きにしてあるので皮は柔らかく仕上がっている。すでに満腹中枢が・・・

そして、注文から20分ほど待って「味噌らーめん」が到着。スープは豚骨と鶏ガラ、乾物、野菜などを煮込んだ清湯に、数種類の味噌をブレンドしたタレを合わせている。甘さは控え目で赤味噌の塩気と香りが前面に出ているが、辛すぎるほどのことはない。「東横」でも同じ感想を持ったが、私としては割らずともいける味である。

そのスープに合わせるのは、自家製のモッチリした極太麺。ウドンのような独特の食感で旨い。具材は挽肉、モヤシ、キャベツ、柔らかなキクラゲ、唐辛子、ニンニク、黒胡麻。擂り鉢の中で、スープは最後までアツアツ。美味しく完食した。新潟のラーメンを語る上で欠かせない「こまどり」。是非、一度お試しあれ。

<店舗データ>

【店名】 こまどり
【住所】 新潟県新潟市西蒲区竹野町2454-1
【最寄】 JR越後線「巻駅」徒歩30分(2.2km)

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「新潟県」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事