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テレビっ子のひとり突っ込み

今頃になってようやく「ジョーズ」を観ました

2022-10-29 23:53:06 | その他の海外映画

1975年 アメリカ


今頃になって、映画「ジョーズ」を観ました。

なんか、テレビでUSJ特集をやってたのを見て、なぜだかジョーズのアトラクションを思い出して、ちょっと無性に
観たくなって色々探したらU-NEXTにあったので。

子供の頃、毎日きっかり21時に寝るって言う生活を送ってたので、たまーに21時からテレビでちょっと見たい映画を
やってても、眠くて見てられなかった。
けど、小学生のころまでは親と同じ部屋に寝ていて、寝室にテレビがあったので父親がそういったナントカロードショー
的な番組見てると、冒頭ちょっと見ては寝落ちして、クライマックスで音楽とか効果音とかが大きくなるところでまた
ちょっと目が覚めて見るんだけど結局全体のストーリーが分からないまま終わる、っていうね、そういうのがたくさん
あって、ちょっと見たことあるけど実はよく知らないっていう昔流行った誰もがタイトルは知ってるような映画の中の
一つがコレ。

あまりにストーリー知らな過ぎて、子供の頃は海でサメの背ビレが見えたらみんな逃げるっていうイメージが強くて、
さらに次に覚醒した時が、船が沈没寸前の部分だったからなのか(おそらく、映画見ながら寝落ちして、けどちょっと
吹き替えのセリフが耳には聞こえてきてて夢で勝手にストーリーを構築してしまうっていう現象だと思うんだけど)

てっきりジョーズって、サメの背ビレが刃物のように硬くて鋭くなってて、サメが知らないうちに船や人に近づくと
その背ビレ部分で人や船が スパッ とキレちゃうっていうコワい映画なんだと子供の頃は思ってた(笑)。

結果的には、鋭い牙を持った人食いサメと言われる巨大なサメが、でっかい口を開けて人を食べちゃうっていうもっと
コワいもので、ジャンルとしては「アナコンダ」みたいな未知のでかい生物と死闘するパニック映画でした。

深夜に観たのでけっこう怖かったけど、コワさ加減で言うと以前なんかのテレビ番組で見た、北海道の三毛別のヒグマ
事件の再現Vの方が怖かったかも・・・。

っていうか、1回人を食べちゃうと、その味を知って何度もやって来るっていうような人食いザメの生態を語ってる
シーンがあって、そのヒグマ事件を思い出してさらに怖くなった。(実際にサメにそんな生態はないらしいですが。)

※興味のある方は見てみてください。三毛別のヒグマ事件。wiki記事読むだけでもけっこうコワい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E6%AF%9B%E5%88%A5%E7%BE%86%E4%BA%8B%E4%BB%B6


ジョーズの方は、うーん、パニック映画なせいか、なんか全体的なストーリーはあってないようなもの?

アミティ島っていう、夏の海水浴が大きな観光資源っぽいちょっとしたリゾート地で、海水浴中に人食いザメが出没し、
子供が犠牲になってしまうところからお話が始まります。

「ジュラシック・パーク」なんかだと子供が犠牲になることは絶対にないのに、この頃のスピルバーグは割とその辺の
ストーリーにはドライだったのかも。(原作に忠実なだけなのかもですが。)

危険を感じてこれ以上死傷者を出したくないブロディっていう島の警察署長と、大事な観光資源である海水浴シーズンを
逃したくない市長とでひと悶着ありつつ、結局第二の犠牲者が出てしまい、自分たちの子供も危険にさらされているって
ことで、ブロディがどっかからやってきた海洋学者のフーパーと、これまで幾度もサメと格闘した経験のあるプロのサメ
ハンターであるクイントとともに、人食いザメを退治に海に出かけていき、見つけた巨大人食いザメと死闘を繰り広げる
っていうお話です。



(ちなみに、ジョーズの方もwikiにけっこう長々とストーリーが載っちゃってたりします。)


冒頭、海水浴してる場面やサメハンターたちが集まって来るところにたくさん人は出てきますが、主な登場人物は3人。

多分主人公のマーティン・ブロディ。アミティ島っていう田舎の島に赴任してきて間もない警察署長。なんとなく
その島にやってきた理由とかその辺はワケアリっぽいんですが、匂わせた感じのまま特に展開はないです。

そして主人公の相方的存在のマット・フーパー。サメに詳しい海洋学者。けど実戦経験はない。そしてお金持ちらしい。

それから、クイント。プロのサメ・ハンター。

俳優さんたちはその人も今まで見かけたことのない方。スピルバーグもまだ多分無名に近く、制作費用のために有名な
役者さんは使えなかったんでしょう。

この映画製作のために、8mくらいのサメロボットを3体作って撮影したらしい。
USJのアトラクションでは、昼に行くとかなり作り物感が出ちゃってるジョーズですが、(なので、ちょっと暗くなって
きたなーって感じの夕方くらいに行くのがおススメです。)映画に入り込んで観てると、特に違和感はないです。
静止画で観ちゃうと微妙に見えるけども。

映画の中ではなかなか全容を見せない人食いザメですが、このサメロボットの作りがちゃっちい感じだからあまり見せ
られなかったんだろうっていう批判(?)もあったらしいけど、なかなか姿が見えないっていうのも恐怖をそそられるし、
その部分についても違和感はなかった。



人食いサメと死闘を繰り広げるドキドキ感と、戦いに勝利し、色々失ったけどもその後にやってくる疲労と安堵感って
いう部分とか、実際にサメに食べられそうになって寸前で逃げ切ったり、結局食べられちゃったりする部分の演出は
「ジュラシックパーク」にしっかり引き継がれてるなーって感じでした。


映画を見て、ようやくあのUSJのジョーズのアトラクションの入口に配置されてる、堂本光一が昔土曜か日曜の昼くらい
にやってたピカイチっていう番組内で色んな資格取得に挑戦するっていうコーナーで、アーク溶接の資格を取って、ヒレ
の部分を溶接したっていうので有名なサメのオブジェが、映画の主役の人食いザメではなく、賞金稼ぎに集まったハンター
の誰かが獲って来たイタチザメだったってことが分かった。
(ちなみに、主役の人食いザメはホオジロザメ。)



さらに、このサメの名前が通称「ジョーズ」なのかと思ってたけど、そうじゃなかった。ちょっとびっくり。

それから、主要人物の3人目で人食いザメ退治のために出航した船オルカ号の船長でもあるプロのサメ・ハンタークイント
が、1回目のちょっとした人食いザメとの格闘の後に、それまで険悪なムードただよいつつあった3人が、ちょっとだけ
ピンチを乗り越えて仲良く酒盛りする場面で過去を語りだした内容に驚く。

それは、クイントが第二次世界大戦末期に沈没した軍艦インディアナポリスの生き残りだったってこと。
話のメインは、インディアナポリスが沈没した後、漂流していた乗組員たちのほとんどがサメの餌食になったっていう
恐ろしいエピソードなんですが、日本人にとってはこのインディアナポリス自体の最後の任務って言うのが衝撃的過ぎて
乗員1,199名のうち攻撃で亡くなったのは300名ほどで、他の大多数はサメの餌食になったっていう部分が入ってこない。

その、インディアナポリスの最後の任務って言うのが日本に落とした原爆を届けるものだったっていう・・・。

結局、このインディアナポリスは、日本海軍の潜水艦に魚雷を撃ち込まれて沈められたんだけど、原爆を届ける任務って
部分を得意げに話してるっていうのがなんかすごく衝撃的。

ちなみに、この魚雷を撃ち込んだ日本軍は、インディアナポリスの任務を分かっていたわけではなかったそう。

インディアナポリスは、魚雷によって沈没したんだけど、実際この魚雷を撃ち込んだ潜水艦は「回天」(人間魚雷と言わ
れる海の特攻)を積んだ潜水艦で、本来は回天による特攻戦術が考えられていたけど、敵艦を完全に捕捉しているので
魚雷による攻撃でも充分と判断され、魚雷攻撃となったらしい。

当時の指揮官は「無駄な特攻による戦没者をこれ以上出したくなかった」っていう理由で、回天による特攻戦術を回避
下らしいんだけども、ここだけが救いのあるエピソード。

結局、原爆による被害なんて言わずもがなだし、インディアナポリスの撃沈とその後の乗組員たちの漂流も悲惨なもの
として語り継がれているそうです。
(コレ系のお話は最終的に、戦争は悲劇しか生まないってところに行きついちゃうのでここでは語りませんが。)

この時、乗組員たちがサメの餌食になったっていうエピソードが、過剰にセンセーショナルに伝わったために、サメが
人を食うという印象が強く広まって、その後、実際は元々の獲物であるアザラシや他の魚と見間違えたり、血の臭い
などがない限り人を襲うことがないっていう肉食のサメが大量に惨殺されて絶滅危惧種になったりしているらしい。


そんなこんなで、色々衝撃的な映画「ジョーズ」を今頃になってようやく観たっていうお話でした。
コメント (4)
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