mix_berry

テレビっ子のひとり突っ込み

『ミステリー IN 上海 Miss Sの探偵ファイル』感想・概要紹介

2022-09-03 23:58:12 | 中国ドラマ

2020年 中国

◆おススメ度
★★★★☆


◆キャスト
スー・ウェンリー:マー・イーリー
ルオ・チウホン:ガオ・ウェイグァン
シェン巡査:ウー・ハオチェン
タオツー:ブー・グァンジン
ソン:シュー・シャオイン


◆感想・概要紹介

ニガテだったガオ・ウェイグァンの顔を克服できる程度に面白かった。

話のオチとしては、「魍魎の匣」みたいな感じ。ただ、1話完結方式(実際は前後編で2話完結。コナンとか最近で言うと最新金田一
的な感じですが)でかつ割と長めなドラマの裏ストーリーが話の後半前面に出てきて全体が完結するっていう構成で、長くドラマを
飽きさせないためにどっちかっていうとラブストーリーに重点を置いてるためか、こういう系の日本のドラマよりは完結編の犯人
との対峙部分がやや薄目な感じになってはいたけど、なかなかよかったです。

オーストラリアの人気ドラマ『ミス・フィッシャーの殺人ミステリー』のリメイクっていうことなので、そっちの元ネタの方も見て
みたくなった。(ミスSっててっきり竹内結子主演だった「ミス・シャーロック」のことだと思ってそのリメイクかなと思って見始め
たんですけども・・・、ガオ・ウェイグァンが出てきてちょっとびっくりでした。)



ストーリー紹介

◇◇

物語は主人公のスー・ウェンリーがパリから船で上海に帰国するところから始まります。

ウェンリーを迎えに来たルーチン(ウェンリーの親友で女医だっていうことが後にすぐ分かります。その辺にホームズ感を感じていた
のですが、全然違いました。)と抱き合い、しばし再会を喜び合う二人。

と、そこに警察車両が何台かやってきます。

ルーチンが持ち合わせのないウェンリーの代わりに荷物を運んでくれたボーイたちにチップを渡している隙に、ウェンリーは興味を
惹かれて警察車両が止まった方へ。

そこには、「秋分の日の天文観測塔」というタレコミ情報を入手して薬物の捜査をするワン警部たちがいた。
「観測塔」という言葉だけを聞いて、観測塔の天辺の捜索を命じるワン警部。

そしてそこに、遅れて中央署のルオ警部(ガオ・ウェイグァン)がやってくる。

自分に何も言わず独断で真昼間から薬物捜査をしているワン警部を非難しつつ、塔の影を見つめるルオ警部。

やりとりを聞いていたスー・ウェンリーは、通常は取引する際は特定の日付を言うのにも関わらず、なぜわざわざ"秋分の日"と言って
いるのか、という講釈を始め、ドヤ顔で秋分の日が昼と夜の長さがちょうど同じであること、塔の高さと冬至と夏至の太陽の角度から
影の長さがどうなるかを説明していると、そこにルオ警部が割り込み、秋分の日の影の長さを話すと、ちょうど塔の天辺の影が差す
場所を示し、コカインの隠し場所がそこだということを言い当てる。

コカインが見事にみつかりそこから本格的な捜査と押収作業が始まるが、ルオ警部によって現場から締め出されてしまうウェンリー。

こうして、二人はあまりいい印象とは言えない出会いを果たします。(けど、ほんとの最初のご対面で見つめ合うシーンは、お互いに
やや一目惚れっぽい印象。)


ルオ警部の態度に少々憤慨しながらルーチンの待つ場所にウェンリーが戻ると、荷物はすでに上客を待ちかまえウェンリーに目をつけて
いた二人組のタクシー運転手によって車に積み込まれていた。

気が利くわねと、二人組のタクシー運転手に好印象を持つウェンリー。

これがのちにタクシー運転手兼、ウェンリーの用心棒的存在となるソンとタンとの本日第二の出会い。


そこからゆっくり昼食を摂り、招待されていた叔母も参加する元同級生の昼食会へ出向くが、そこで思いもよらない殺人事件が起きて
おり、昼食会は中止となっていた。

久しぶりに会う元同級生、そして顔も見たことのないその夫が殺されたというのだが、関係と情も薄いのか事件への興味の方が勝って
トイレに行くふりをして現場に行き、勝手に現場検証をしちゃうウェンリー。

そして早くもここでルオ警部との再会。

自分を煙たがって、推理を聞き入れてくれないルオ警部と反発し、独自に捜査に乗り出したウェンリーは、色々危ない目に遭いながら
も、殺人事件とその殺人事件だけにとどまらず殺人事件の裏にある別の犯罪まで突き止めちゃいますが、その黒幕を暴きに行って逆に
拘束されてしまい、あわや殺されそうになるという危機一髪のところでルオ警部たちに助けられます。



そうやって第一の事件が幕を閉じ、少しお互いを見直し意識し始めたルオ警部とウェンリー。

そして、事件の起こった屋敷で使用人として働いていたが解雇され行くあてのなくなったタオツーを受け入れ、使用人ではなく自分の
助手とし、ミスS探偵社を始めると宣言するウェンリー。
(ちなみに、ミスSの"S"は上海のS、そしてスーの名前のSであったことがルオ警部の問いかけでここでようやく分かります。)


で、第一の事件とともに、主要登場人物の出現とその流れでウェンリーの仲間がほぼ集まり、第三話から、コナンや金田一、トリック
みたいにウェンリーの行く先々で殺人事件が起きていき、お馴染みの警部たちとも鉢合わせする、っていうお決まりのパターンでお話
が進んでいきます。

事件現場では、ウェンリーが鋭い洞察力と推理力を発揮してどんどん事件を解決していくのですが、やっぱり彼女だけの力では全ての
情報を得られないこともあり、時には反発しながら、時にはしおらしくお願いしながらルオ警部からうまいこと捜査情報を引き出したり
自分の推理を語って見せることで、警察の力を使って調べてもらったり。大人な駆け引き。
(しかし、ルオ警部ってばいくら信頼できる相手とは言え、外部の人にこんなに捜査情報漏らしていいものなんだろうか?ちょっとその
あたりも心配になったりします。)

二人はそうして協力しながら、そして時には危険な目に会いつつ助けたり助けられたりしながら事件を解決しつつ、大人な恋愛を楽し
んでいくっていう・・・。


このままいくと、永遠に話が続けられるような気もしますが、ちゃんと終わりがあるだろうなって「同居人は名探偵」とは違って、
最初から(ちゃんと終わりがあるっぽいな)って感じられるところが2点。

一つは、ウェンリーとルオ警部の間にそこはかとなく漂う恋の予感。
(なかなか急激な進展はしないんだけど、主題が他にあるのでこの思わせぶりなくっつきそうでなかなかくっつかない感が、全くもって
イライラせずに小気味良く楽しく見れます。)

そしてもう一つ、2話完結の形式をとりながらも、ウェンリーが実は幼くして失踪した妹の事件を追っているっていうことが、ちょっと
ずつ明らかになって行くっていうところです。

ウェンリーは自身も少女の頃、幼かった妹ウェンフェイを連れてサーカスを見に行きますが、その奇術に夢中になっている間に妹が失踪
して(誘拐されて)しまうという暗い過去を持っています。

後に、ウェンフェイと同じような年頃の少女たちが誘拐され殺された事件でディン・ルーシャンという中年男が捕まりますが、ルーシャン
はウェンフェイのことを供述しないまま、事件は闇の中。

ウェンリーは何度か殺人事件の容疑者ディン・ルーシャンに会いに行きますが、真実は語られないまま。それどころかルーシャンは無実
を訴えたり、ウェンフェイがまだ生きていて真相を知っているような口ぶりで話します。

いつもは冷静かつ洞察力の鋭いウェンリーですが、妹のことが絡むと途端に冷静さを失ってしまします。

そうやって、ドラマとしてちょっとずつ小出しにされるウェンリーのトラウマといなくなってしまった妹とルーシャンという男。
そして、ドラマ後半になってこの事件が浮き彫りになり、メインの事件として完結編へと導かれます。

日本のドラマで言うと、「MIU404」とか、古くはキムタクが出てた「MR.BRAIN」とかもそんな感じの形式だったような・・・。



このドラマ、私的に最大の見所は、スー・ウェンリーからのルオ警部の転がされっぷりです。それが見ていて面白くて、苦手だった
ガオ・ウェイグァンもなんか可愛らしく見えてきました。(その勢いで「夢幻の桃花」も見れた。)


潜入先で怪しまれないように踊ってるふりをしてひっついて来たウェンリーに戸惑いつつも、ちょっと嬉しいルオ警部。
けど、見回り役が通り過ぎて、いつまでやってるのとたしなめられ、名残り惜しみながら離れたら・・・


突然軽いキスをされて・・・


ドギマギしちゃうルオ警部。

ウェンリーは生粋の上海人だって言うだけあって、けっこう行く先々で昔の友人に会ったりします。時には分かりやすく口説かれたり、
元彼だったり。それにちょいちょい嫉妬しちゃうルオ警部とか。

いい歳した、地位のあるルオ警部が恋に悩んで、せっかくの昇進の話も拠点が遠くなってスー・ウェンリーに会えなくなってしまう
ことを懸念して断っちゃったり。

どう考えても見てるこっちからしたら両想いなのに、立場上なのか、ウェンリーがそういう雰囲気にしているのかなかなかはっきりと
告白できずにいるルオ警部は、部下のシェン巡査に恋の進展に関してはいつの間にか先を越されちゃったり。

(若い頃の三波豊和似のシェン巡査とタオツーも微笑ましいカップルです。)

ウェンリーの年齢となんで富豪みたいな暮らしができているのかが最後まで謎。



そして、このドラマも各話にけっこういろんなゲストが出てました。知ってる顔を見つけるのも楽しみのひとつ。(第一の事件の
ゲストっぽいこの方、「2人はスパイシー&デリシャス」のチャオ・ルースーの相手役の人と見分けがつかない・・・。)



関係ないけど、通常ドラマ見ていて「この時代にこんな技術なかっただろう」って一人ツッコむことがしばしばありますが、中国ドラマ
に至っては、一度"軽功"とかをフツウに受け入れてしまうと、不思議とその後はだんだんと何でも受け入れちゃいうようになります。
特に、植物から取れる薬系。日本にはない先人からの積み重ねの歴史と知識がけっこうありそうで。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アレルギー | トップ | 出勤生活スタート »

コメントを投稿

中国ドラマ」カテゴリの最新記事