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2020年 中国
◆おススメ度
★★★★☆
◆キャスト
ジョン・メイバオ(タワマンの一室で殺されたカフェ店主):アンジェラベイビー
ヤン・ルイセン(事件を追う新人刑事):ヤン・ズーシャン
ジョン・ジングオ(ルイセンの先輩刑事):グオ・タオ
イエン・ジュン(人気ピアニスト、メイバオの弟):ツァオ・エンチー
イエ・メイリー(家政婦):リウ・ダン
ジョン・ジエ(メイバオの母):ニー・ホンジエ
イエン・ヨンユエン(メイバオの義父):ジアオ・ガン
ホライズンタワーに住む人々
・シエ・バオルオ(警備員):ルー・ユーライ
・リン・ダーセン(建築士):ジョン・レンシュオ
・リー・モーリー(ダーセンの妻):チャン・ボージア
・リン・モンユー(マンション仲介業者):マー・リアン
・ディン・シアオリン(モンユーの彼女):マー・シアオユエン
・ウー・ミンユエ(メイバオの隣人で小説家):コン・イエン
◆感想・内容紹介
アンジェラベイビーの新しいドラマです。結局、U-NEXTで2話以降課金して見ちゃった。中国ドラマにしては、16話っていう短い作品なので助かりました。(さすがに60話以上
とかだったら課金はちょっと・・・ってなりますけど。)
てか、てっきりアンジェラベイビーの恋愛ドラマかと思ってたら、全然違ってびっくり。最近知らずに見たらコレって感じで続いている中でも、超ド級のサスペンスミステリー。
そして、始まってすぐにヒロインだと思ってたアンジェラベイビーが殺されている・・・・。
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そう、これはジョン・メイバオ(アンジェラベイビー)の殺人事件をきっかけに、最近中国で流行り始めたらしい(きっと「マイ・ディア・フレンド」でアンジェラベイビーと
ダン・ルンが流行らせた)タワマンに住む人々に事情聴取しながら、メイバオの過去を紐解いていくっていうドラマです。
アンジェラベイビーも、過去の回想の物語の中ではヒロインなのですが、現在進行形で事件を追うヒロインの新人刑事ヤン・ルイセン役に「愛される花」でヒロイン役やってた、
ヤン・ズーシャン。「愛される花」では終始薄幸そうな表情が気になりましたが、今回はすごく健気に仕事を頑張る女性って感じです。
第1話の冒頭で、あるタワーマンションの1室で1階のカフェのオーナー、ジョン・メイバオが亡くなっています。
それは殺人事件として扱われ、ジョン・ジングオとヤン・ルイセン2人の刑事がジョン・メイバオに関係のある人々に事情聴取していきます。
最初に呼ばれたのはマンションの管理人でメイバオとは友人関係にあったシエ・バオルオ。(ちょっとこの時点で、字幕に出る名前がカタカナ表記だけなので、メイバオと
バオルオの名前を混同しがちになってしまう。せめて漢字表記にして仮名を振って欲しい・・・。)
彼がメイバオとどういう関係だったか聞き出そうとする刑事二人に、バオルオはメイバオとの馴れ初めを話し始めるが、途中から初めて会った際にメイバオにした自分の身の上
話の話になり、なぜか事情聴取のハズが、事件と関係のないバオルオの不幸話になっていく。
バオルオの話は、第1話なので、その話が事件とどう関係あるかは分からないんだけど、なんか興味深く聞き入ってしまうお話でした。
銀行マンとして婚約者とそこそこ幸せな生活をしていたバオルオが、事件の舞台でもあるホライズンタワーの1室を購入することに決めて、頭金も用意できてさあこれから、って
時に事故で人を轢いてしまうっていう。
バオルオは被害者の病院まで付き添い、治療費の支払いに困る被害者家族に代わり治療費を立て替え家に帰るが、同居している婚約者に「事故を起こした場合、何もするなと
言ってたじゃない、"金を出さず、見舞わず、裁判せず"でしょう」と、なのになぜ治療費まで払ったんだと責め立てられる。
正直、ここで「え?それって人としてどうなの?」と思ったんだけど、先に進むにつれ納得。バオルオは、お金があると被害者家族に付け込まれ、なんやかんやとゴネられ、
最終的にマンション購入費用として準備していたお金までむしり取られ、銀行も辞めざるを得ず、婚約者とも別れ、現在の管理人職に至るという。(そもそも事故自体が、お金
に困った貧乏な人の当たり屋的なやつだったらしい。)
そんな感じで、関係者に事情聴取するたびに、ドラマの内容はイヤミス的な様子を呈してきます。(実際、湊かなえとか真梨幸子の小説読んでるような気分になります。)
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そうして、事件関係者の話の内容から、少しずつ被害者であるメイバオの過去が浮かび上がってくる。
メイバオは、メイバオの母ジョン・ジエが10代で産んだ子だったが、父親はおらずその後母親がイエン・ヨンユエンという男と再婚し、弟イエン・ジュンが生まれるが、その
再婚相手は酒を飲んでは母親や子供に暴力を振るうクズだったこと。
メイバオたちは、その義父から逃げるように暮らしていたことなど。
事情聴取に応じるメイバオの関係者の男たちは、妻や恋人がいようとみなメイバオに魅了され、誰もが痴情のもつれからメイバオを殺したのではないかと思われ、容疑者は二転、
三転していく。
最終的に、メイバオの父親違いの弟、メイバオの義父に事情聴取したところで事件は暗礁に乗り上げてしまうが、思わぬところでヤン・ルイセンが鋭い洞察力を発揮させ、思っても
みなかった人物の証言を得ることで事件は解決するんですが・・・。
うーん、なかなか見ごたえのあるドラマでした。
アンジェラベイビーがもう過去の人でしかないってところがけっこう悲しかったですが、物語のキーはメイバオがいい子なのか悪女なのか、ってところですかね。
話の内容とかに、けっこう社会問題的なものが盛り込まれていて、ドラマというよりちょい内容の濃い映画を観てるような感じでした。中国社会の闇が見え隠れするというか・・・。
作中でバオルオが言った「君のように美人に生まれてたら楽に生きられるだろうに」って、けっこう地雷発言だなって思ったら、ほんとにかなり物語のキーになる言葉でよかったと思った。
美人で・・・いや、美人じゃなくても、それでお金を稼ぐような職でもなんでもない人にとっては、特に好きでもない異性からモテるって、そんなにいいことじゃないんじゃないかなーと。
全然関係ないんだけど、メイバオのお母さんが、「私だけのスーパースター ~Mr. Fighting~」に出てきたメイリーさんだ!って思ってたら、メイバオの母親と仲良くなって
子供たちの面倒を見てくれる家政婦さんがメイリーさんて人で、ちょっと紛らわしかった。(私の中でだけなんだけども。)
それから、ダーセンの妻役のチャン・ボージア、「千年のシンデレラ」に出てた美人妖狐チェンホアでした。
ディン・シアオリンも、編集部のやな先輩役で出てます。
ヤン・ズーシャンも「千年のシンデレラ」に出てるらしいんだけど、どの人役なのか全くわからない・・・。
ルイセンには彼氏がいるんだけど、毎回デートのたびにジングオに電話で呼び出されて途中で帰ったり、デート中なのに操作資料に没頭していて彼氏を置き去りっていうのが
何度も続いて最終的に破局するんじゃないかってハラハラするんですが、彼氏が超いい人で、ルイセンに腹を立てても反省してルイセンの仕事を尊重してくれる優しい彼氏で
それがこのドラマでかなりの癒し効果を発揮してました。
(物語の主題が、女性の人権的なところというかね。)
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ちょっと、今まで見たことないタイプの中国ドラマで私的には斬新でした。
あ、摩天楼って、「摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に」っていう映画のせいか、ニューヨークのことだとばかり思ってたら、ただの高い建物、っていう意味でした・・・。
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