天の川を隔て、こと座のベガとわし座のアルタイル(おり姫とひこ星)が、一晩だけ出会う七夕の日、ロマンチックな今宵も、明日のピアノ発表会が気がかりで、あまり楽しめそうにない。しかし、10万光年の大きさがある天の川の正体は、銀河系を内側から眺めたもので、たくさんの星の集まりが、渦巻きのようになっているらしい。ちっぽけな人間のましてやピアノのことなど、クヨクヨ考えず、夜空を眺めよう。
牽牛と織女が年に一度だけデートすると言われている今夜は、あいにく雨模様で地上からは、天の川が見えそうにない。星座に物語を結びつけた古代の人々の時間はゆったり流れていたんだろう。通信機器に翻弄されている現代の生活を想像できただろうか。