無我の境地
子供の頃はマラソンも遊びの一つだったよ 速く走る、何時までも走れるスタミナは子供同士の力比べだよ
体力や力がないと強いとは言えないからね まずは体力勝負だよ 根性も比例してくるからね
俺はマラソンは速かったよ 体力があったね 4年生の時、学年の耐寒マラソンで1位だったよ
以後、マラソンは学校でやらなくなったからね 縄跳びに替わってマラソンはなくなった
中学に進むと 耐寒マラソンがあったよ 10キロマラソンだったね 部活は一年で止めたから運動はしていなかったけどね
3年間通してマラソンの順位は10番前後だったよ 450人位いる学年だからね まあまあの成績だろ
年に一回の大会だからまじめに走ったよ サボって途中で休もうかなと思ったこともあったけどね
走り出したら止まるのが嫌だった 苦しさに負けるような感覚になってね 止まれなかったよ
3年の時だね 気持ちはいい加減になってきてるからね 耐寒だからね 寒い朝だよ
普段は股引きをはいてるからね 寒さ対策には欠かせない下着だよ マラソンなら脱いで走るけどね
気持ちはいい加減だからそのままマラソンを走ってしまった サボってもいいと思っていたんだね
走り出したらまじめに走ってしまったよ 汗が出てきて衣類がビショビショになった 特に股引きだよ
汗を吸って股に絡みつく 足が重くなって走りにくくなった 途中で止まって休んでる連中も出てきたよ
俺もこの辺で止まるかと思いながらも走り続けたよ 股引きがへばりついて苦しくなってきた
止まって股引きを脱ごうとも思ったけど、止まると走る気はなくなるなとも思って諦めた
もう少し我慢しよう、限界まで走ってみようと思いながら走っていた
苦しくなってきた 苦痛が我慢できない位に圧し掛かってきた もうダメだと何度も諦めかけたよ
ゴールまではまだ遠い位置でこのままでは完走できないと思った
止めようと思いながらも、止まりたくなかった 走りながらも、ただただ、苦しさから逃れたかった
苦しさの中で、走ってることや苦しいという感覚を忘れたいと思ったよ 周りを見なくなった
走りながら、淡々と体を動かし、目を細めて足元だけを漠然と見ながら、足を一歩づつ淡々と進めたよ。
目で見て脳で判断することをしなくなった 一定のリズムで呼吸をしながら一定のスピードで足を動かしたよ
体に勝手に走れって突き放した感じになった ただただ、走ってることや苦しさを忘れようとしたよ
そのうちに記憶がなくなった 記憶をなくしたことも分からなかった
ガンバレーの声援でふと気が付いたら学校の近くまで来ていた 俺の体は走っていたよ
いつの間にか4キロ位走ってゴールにあとわずかというところまで来ていたよ その間、まったく記憶がないよ
意識の無い状態で体は走っていたんだよ 俺は無我の境地に入ったと思ったね 苦しさを感じなかったんだ
走ってることさえ意識から消えていた 目で足元を見て体が走った 不思議な境地に入っていたよ
声援で気が付くと苦しさは蘇ってきた ゴールは近いと分かると元気が出た 苦しさに耐えて走りきったよ
11位でゴールしたよ 股引きを脱いでいたらもう少し楽に走れたのにと反省したけどね
股引きを脱いでいたら無我の境地には入れなかったかもしれないね 俺はこのとき無我の境地に達したと思ってるよ
マラソンの極意を取得したような気がしたね 無我の境地に入れば苦しさを感じないと思ったね
苦しいとき 苦しさを忘れる 脳に苦しいと教えないんだよ 体が勝手に条件反射のように反応するんだね
でも、最近のマラソンを見ると恐いことなんだね 脱水症状になると死ぬからね
体の限界を意識すると無茶だったなと思うよ 無我の境地とはあのときの感覚かなとは思っている
子供の頃はマラソンも遊びの一つだったよ 速く走る、何時までも走れるスタミナは子供同士の力比べだよ
体力や力がないと強いとは言えないからね まずは体力勝負だよ 根性も比例してくるからね
俺はマラソンは速かったよ 体力があったね 4年生の時、学年の耐寒マラソンで1位だったよ
以後、マラソンは学校でやらなくなったからね 縄跳びに替わってマラソンはなくなった
中学に進むと 耐寒マラソンがあったよ 10キロマラソンだったね 部活は一年で止めたから運動はしていなかったけどね
3年間通してマラソンの順位は10番前後だったよ 450人位いる学年だからね まあまあの成績だろ
年に一回の大会だからまじめに走ったよ サボって途中で休もうかなと思ったこともあったけどね
走り出したら止まるのが嫌だった 苦しさに負けるような感覚になってね 止まれなかったよ
3年の時だね 気持ちはいい加減になってきてるからね 耐寒だからね 寒い朝だよ
普段は股引きをはいてるからね 寒さ対策には欠かせない下着だよ マラソンなら脱いで走るけどね
気持ちはいい加減だからそのままマラソンを走ってしまった サボってもいいと思っていたんだね
走り出したらまじめに走ってしまったよ 汗が出てきて衣類がビショビショになった 特に股引きだよ
汗を吸って股に絡みつく 足が重くなって走りにくくなった 途中で止まって休んでる連中も出てきたよ
俺もこの辺で止まるかと思いながらも走り続けたよ 股引きがへばりついて苦しくなってきた
止まって股引きを脱ごうとも思ったけど、止まると走る気はなくなるなとも思って諦めた
もう少し我慢しよう、限界まで走ってみようと思いながら走っていた
苦しくなってきた 苦痛が我慢できない位に圧し掛かってきた もうダメだと何度も諦めかけたよ
ゴールまではまだ遠い位置でこのままでは完走できないと思った
止めようと思いながらも、止まりたくなかった 走りながらも、ただただ、苦しさから逃れたかった
苦しさの中で、走ってることや苦しいという感覚を忘れたいと思ったよ 周りを見なくなった
走りながら、淡々と体を動かし、目を細めて足元だけを漠然と見ながら、足を一歩づつ淡々と進めたよ。
目で見て脳で判断することをしなくなった 一定のリズムで呼吸をしながら一定のスピードで足を動かしたよ
体に勝手に走れって突き放した感じになった ただただ、走ってることや苦しさを忘れようとしたよ
そのうちに記憶がなくなった 記憶をなくしたことも分からなかった
ガンバレーの声援でふと気が付いたら学校の近くまで来ていた 俺の体は走っていたよ
いつの間にか4キロ位走ってゴールにあとわずかというところまで来ていたよ その間、まったく記憶がないよ
意識の無い状態で体は走っていたんだよ 俺は無我の境地に入ったと思ったね 苦しさを感じなかったんだ
走ってることさえ意識から消えていた 目で足元を見て体が走った 不思議な境地に入っていたよ
声援で気が付くと苦しさは蘇ってきた ゴールは近いと分かると元気が出た 苦しさに耐えて走りきったよ
11位でゴールしたよ 股引きを脱いでいたらもう少し楽に走れたのにと反省したけどね
股引きを脱いでいたら無我の境地には入れなかったかもしれないね 俺はこのとき無我の境地に達したと思ってるよ
マラソンの極意を取得したような気がしたね 無我の境地に入れば苦しさを感じないと思ったね
苦しいとき 苦しさを忘れる 脳に苦しいと教えないんだよ 体が勝手に条件反射のように反応するんだね
でも、最近のマラソンを見ると恐いことなんだね 脱水症状になると死ぬからね
体の限界を意識すると無茶だったなと思うよ 無我の境地とはあのときの感覚かなとは思っている