子供の頃の話をしたら、気になってる話を思い出したよ 戦時中の話だよ
親父から聞いた話だけどね 不発弾の話だよ
終戦真近の話だけどね 我が家に爆弾が落とされたんだよ 家には直撃しなかったけどね
便所の脇に落ちたよ 幸いにも爆発しなかった だから無事だったんだけどね
爆発してたら家はぶっ飛んでいただろうね 人間は防空壕に避難してたから助かったとは思うけどね
空襲が終って家に戻ったら、便所に行くローカの辺りに砂が飛び散っていて穴が空いていたそうだよ
なんだろうと思いながらも何かが落ちてきたって事は直ぐに分かったそうだよ
空襲の後で上空を爆撃機が通過して行ったんだから、直ぐに爆弾が落ちたと分かった
問題はこれからだよ 何時爆発するか分からない 安心して暮らせないよ 意を決して掘ることにした
親父が掘ることになったらしい 命がけのことだけどね 家族のためには仕方がないことだよ
爆発する恐さを押し殺して掘ったそうだよ 爆弾まで掘ったら、爆弾は羽の部分のけつから突き刺さっていたそうだよ
真管が上だったから爆発しなかったそうだよ 恐る恐る掘り起こして背負い籠に入れて運んだそうだよ
爆弾を持って行くところがない、悩んだ末に山の中の古井戸を思い出したそうだ
水に浸けとけば火薬も湿気て爆発しなくなるだろう、使っていない古井戸だから問題も起きないだろうと判断して捨てたそうだよ
爆弾は家の裏の大きな松ノ木の枝に引っ掛かって反転して羽の部分から落ちたらしい 推測だけどね
大きな松の枝は家の上まで伸びていたからね 運よく松ノ木に助けられたらしい
「運がよかったね」と言って皆で一安心したんだけどね 偶然とはいえ不思議な気持ちになるよ
爆弾を掘ったときの親父の心情を考えると、幼少の俺には恐ろしくて凄いことだと思ったよ 俺には掘れる自信がなかった
子供の頃は爆弾を一人で掘った勇気に圧倒されたけどね 俺が大人になってその話を思い出してね
気になったのは爆弾の行方だよ 不発弾のニュースが流れることもあるからね 「あの爆弾は何処へ」って感じだね
気になって何度か古井戸の位置を聞き出そうとしたんだけどね 親父は言わなかった 死ぬまで話さなかったよ
話せる状況にはなっていなかったんだろうと推測するけどね もう既に埋め立てられて正確な位置が分からないとかね
現場は俺に話せるような状態ではなかったと推測するけどね 今でも気になってることだよ
良い方に解釈すれば古井戸は10m位の縦穴で水溜りだからね もう爆発はしないだろうと勝手に解釈だよ
既に井戸は埋められているだろうとかね、聞いた爆弾の大きさから推測すると焼夷弾かもしれない等気休めをしてるよ
今となってはどうにもならない事だから、俺も忘れたほうが良さそうだけどね 気になってるよ
戦時中はいろいろなことが起きてるからね 空襲で死んだ人々は爆弾の爆発した穴に埋めたらしい
身元も分からない死体が山ほどあったらしいからね 今や住宅密集地だよ こんな話は忘れたほうが良いかもね
母親も戦闘機に狙われて銃撃されたと言ってたよ 芋畑で狙われて撃たれたらしい 幸いにも当たらなかった
芋畑にうつ伏せになったまま恐くて動けなかったと言ってたよ 死を感じた恐怖は身に沁みているね
真に恐いと思う体験は現代ではありえないだろうけどね 恐さを知るって事は必要な教育だと思うね
擬似体験で学ぶ必要があると思うね 人間らしく生きる感覚を身に着けるためには、助け合いの精神を宿さないとね
死を意識したとき、死に直面したとき、人間は変わるような気がするよ
親父から聞いた話だけどね 不発弾の話だよ
終戦真近の話だけどね 我が家に爆弾が落とされたんだよ 家には直撃しなかったけどね
便所の脇に落ちたよ 幸いにも爆発しなかった だから無事だったんだけどね
爆発してたら家はぶっ飛んでいただろうね 人間は防空壕に避難してたから助かったとは思うけどね
空襲が終って家に戻ったら、便所に行くローカの辺りに砂が飛び散っていて穴が空いていたそうだよ
なんだろうと思いながらも何かが落ちてきたって事は直ぐに分かったそうだよ
空襲の後で上空を爆撃機が通過して行ったんだから、直ぐに爆弾が落ちたと分かった
問題はこれからだよ 何時爆発するか分からない 安心して暮らせないよ 意を決して掘ることにした
親父が掘ることになったらしい 命がけのことだけどね 家族のためには仕方がないことだよ
爆発する恐さを押し殺して掘ったそうだよ 爆弾まで掘ったら、爆弾は羽の部分のけつから突き刺さっていたそうだよ
真管が上だったから爆発しなかったそうだよ 恐る恐る掘り起こして背負い籠に入れて運んだそうだよ
爆弾を持って行くところがない、悩んだ末に山の中の古井戸を思い出したそうだ
水に浸けとけば火薬も湿気て爆発しなくなるだろう、使っていない古井戸だから問題も起きないだろうと判断して捨てたそうだよ
爆弾は家の裏の大きな松ノ木の枝に引っ掛かって反転して羽の部分から落ちたらしい 推測だけどね
大きな松の枝は家の上まで伸びていたからね 運よく松ノ木に助けられたらしい
「運がよかったね」と言って皆で一安心したんだけどね 偶然とはいえ不思議な気持ちになるよ
爆弾を掘ったときの親父の心情を考えると、幼少の俺には恐ろしくて凄いことだと思ったよ 俺には掘れる自信がなかった
子供の頃は爆弾を一人で掘った勇気に圧倒されたけどね 俺が大人になってその話を思い出してね
気になったのは爆弾の行方だよ 不発弾のニュースが流れることもあるからね 「あの爆弾は何処へ」って感じだね
気になって何度か古井戸の位置を聞き出そうとしたんだけどね 親父は言わなかった 死ぬまで話さなかったよ
話せる状況にはなっていなかったんだろうと推測するけどね もう既に埋め立てられて正確な位置が分からないとかね
現場は俺に話せるような状態ではなかったと推測するけどね 今でも気になってることだよ
良い方に解釈すれば古井戸は10m位の縦穴で水溜りだからね もう爆発はしないだろうと勝手に解釈だよ
既に井戸は埋められているだろうとかね、聞いた爆弾の大きさから推測すると焼夷弾かもしれない等気休めをしてるよ
今となってはどうにもならない事だから、俺も忘れたほうが良さそうだけどね 気になってるよ
戦時中はいろいろなことが起きてるからね 空襲で死んだ人々は爆弾の爆発した穴に埋めたらしい
身元も分からない死体が山ほどあったらしいからね 今や住宅密集地だよ こんな話は忘れたほうが良いかもね
母親も戦闘機に狙われて銃撃されたと言ってたよ 芋畑で狙われて撃たれたらしい 幸いにも当たらなかった
芋畑にうつ伏せになったまま恐くて動けなかったと言ってたよ 死を感じた恐怖は身に沁みているね
真に恐いと思う体験は現代ではありえないだろうけどね 恐さを知るって事は必要な教育だと思うね
擬似体験で学ぶ必要があると思うね 人間らしく生きる感覚を身に着けるためには、助け合いの精神を宿さないとね
死を意識したとき、死に直面したとき、人間は変わるような気がするよ