大学生活は社会勉強をすると言っていたけどね 気がついたら賭けマージャンとギャンブルに明け暮れる生活だった
浅田哲也のマージャン放浪記を気取ってマージャンで明け暮れをしたよ ろくに学校にも行かなくなった
たまに行っては大学の仲間とマージャンをしたよ マージャンで勝った金は貸付金になったよ 学生は金が無いからね
卒業するまで回収はしなかった 卒業でロハにしてやったよ でも仲間は俺を助けてくれたよ
卒業単位を取るのに試験対策をしてくれた 俺は仲間がいなければ卒業は出来なかっただろう
仲間も無理だと思っていたようだけどね 協力してくれたから卒業は出来たよ 仲間に感謝だね
そんな状況で、マージャンに明け暮れしていたある日、マージャン屋に出入りしてた高校からの仲間が事故を起こした
そいつは無免許運転だった 店に電話がかかってきて、事故を起こしたから来てくれとの頼みだった
相手はやくざ風の連中で3人乗っていてゴタゴタしていたらしい 困って助けを求めてきたんだ
店には顔なじみになったヤクザがいたよ 事故った連中とは親しくなっていたので「俺が話をつけてやる」と言ってそいつが駆けつけたよ
ヤクザが出て行ったらろくなことにはならないと思ったので俺も駆けつけた
案の定 相手も助っ人を呼んでいてヤクザ同士の争いに発展してしまったよ お互いに組の名前を出して戦争宣言だよ
そのうちに警察官が来た「事故は誰と誰だ、名乗り出なさい」と言ったよ
俺は運転してた仲間を見たよ 震えている 名乗り出ない 思わず俺が「私です」って名乗り出てしまった
シーンと静まりかえった 相手は違うとは言わない 不思議な目で俺を見つめていた
警察官に連れられて交番に行ったよ 事故の調書を取り始めたよ 相手は3人とも軽い出血があった
事故は一方的に私が悪いと説明をしたよ 人身事故になると覚悟したけどね 警察官は相手がヤクザと察したようだ
「物損事故にしとくからね」と俺に言ったよ 相手は不満らしく 傷を見せて「怪我をしているだろ 人身事故だろ」って文句を言ったよ
警察官はふるってたね「そんなの赤チンを塗っとけ、怪我のうちに入らないよ!」と突き放したんだよ
まじめな学生がヤクザに絡まれると察したんだね 事故は物損事故で処理されたよ 粋なはからいに感謝したね
問題はこれからだよ 相手は俺が身代わりだってことは知ってるからね 事故った仲間と俺は相手に平身低頭で謝ったよ
修理代金は全額責任を持って払うから勘弁してくれと謝ってお願いした 翌日にその話し合いで相手方に行く事になったよ
翌日二人で話をしに行ったよ ヤクザの幹部が出てきた 言葉遣いは丁寧な口調で脅しの言葉や啖呵は切らなかった
ただ、目の前に指のない手を広げて押し付けるようにして威圧しながら話すんだよ
最初に現場にいたヤクザのことを聞かれたよ「組同士の喧嘩ならお前達の出る幕はないよ、あいつはどんな関係なんだ」と聞かれたよ
「たまたまマージャン屋にいた人で関係はありません、組同士の問題にはしないでください」とお願いしたよ
「それなら君達と話をしよう」と言って話し出したよ「壊れた車をどうしてくれるんだ、元どおりにしてくれるのか」と言われたよ
事故車なんか縁起が悪いから元に戻してくれと言うんだけどね 新車を買って返せ的な雰囲気だった
話し合いは俺がしたよ「責任は私達で取ります、金はアルバイトをしてでも払いますから幾ら払ったら許してもらえますか」と聞いたんだけどね
言わないんだよ 金をいくら払うか俺達から言わせようとしているんだね
同じような話を何度も繰り返しているうちにね 奥の方から怒鳴り声が聞こえてきた
「そんな奴らは簀巻きにして東京湾に沈めろ、生かして返すな」って叫ぶんだよ
話してる相手も目つきが鋭くなってきたよ それでもこちらは謝るしか出来ないからね
「幾ら払ったら許してもらえるんですか?金額を言ってくださいよ」と繰り返したんだよ
2時間はたったかな 相手も疲れてきた「君達では話にならない、親を連れて来なさい」と言ったよ、その日は帰ることになった
二人で解決するつもりだったけどね 話は仲間の兄貴に伝わって親の耳にも入ったようだ
「親が解決するからもういいよ」と言うことになって俺はこの件から開放されたよ
解決金は高めの修理代金程度で治まった様だ 特別ゆすられた金額でもなかった
仲間の親は力があったからね、いろいろと繋がりが見つかったんだろう
頼まれたわけでもないのに身代わりをしてしまった 相手はヤクザだよ そのときの俺の心情が良くわからないけどね
馬鹿な奴だね 振り返れば大馬鹿もんだよ 後先の見えない森の石松みたいなもんだね 危ない橋を渡ったよ
相手は老舗の任侠の分かる大物の関係者だったんだよね だから身代わりを黙って受け入れたんだよ
相手は俺の態度に共鳴したのかもしれないね バラサズに通したからね 脅しのネタにもしなかったよ
俺は仲間が震えている姿を見た瞬間に名乗り出てしまった 無免許で人身事故で逮捕のシーンが浮かんだからね
とりあえず目の前の警察沙汰をかわせば、後は金の問題だけだと思ったからね とっさの反応だった
俺なら事故で点数を減らすだけだよ 相手が「こいつじゃないよ!」って言えば一巻の終わりだよ
相手の器量にかけたよ 相手は困惑した表情を見せたけどね 警察には一言も言わなかった 任侠の血が騒いだんだろう
その後、数年して俺が大きな事故をやって、テレビのニュースで俺の名前が流れたら相手は覚えていたよ
ヒョンなところで顔を合わしたら「大変だったな、大丈夫か」と声を掛けてくれたよ
俺のことが印象的だったようだ 相手にも恵まれていたから身を滅ぼさずに済んだよ 馬鹿は馬鹿だね 身の程知らずだね 若いって恐いね
浅田哲也のマージャン放浪記を気取ってマージャンで明け暮れをしたよ ろくに学校にも行かなくなった
たまに行っては大学の仲間とマージャンをしたよ マージャンで勝った金は貸付金になったよ 学生は金が無いからね
卒業するまで回収はしなかった 卒業でロハにしてやったよ でも仲間は俺を助けてくれたよ
卒業単位を取るのに試験対策をしてくれた 俺は仲間がいなければ卒業は出来なかっただろう
仲間も無理だと思っていたようだけどね 協力してくれたから卒業は出来たよ 仲間に感謝だね
そんな状況で、マージャンに明け暮れしていたある日、マージャン屋に出入りしてた高校からの仲間が事故を起こした
そいつは無免許運転だった 店に電話がかかってきて、事故を起こしたから来てくれとの頼みだった
相手はやくざ風の連中で3人乗っていてゴタゴタしていたらしい 困って助けを求めてきたんだ
店には顔なじみになったヤクザがいたよ 事故った連中とは親しくなっていたので「俺が話をつけてやる」と言ってそいつが駆けつけたよ
ヤクザが出て行ったらろくなことにはならないと思ったので俺も駆けつけた
案の定 相手も助っ人を呼んでいてヤクザ同士の争いに発展してしまったよ お互いに組の名前を出して戦争宣言だよ
そのうちに警察官が来た「事故は誰と誰だ、名乗り出なさい」と言ったよ
俺は運転してた仲間を見たよ 震えている 名乗り出ない 思わず俺が「私です」って名乗り出てしまった
シーンと静まりかえった 相手は違うとは言わない 不思議な目で俺を見つめていた
警察官に連れられて交番に行ったよ 事故の調書を取り始めたよ 相手は3人とも軽い出血があった
事故は一方的に私が悪いと説明をしたよ 人身事故になると覚悟したけどね 警察官は相手がヤクザと察したようだ
「物損事故にしとくからね」と俺に言ったよ 相手は不満らしく 傷を見せて「怪我をしているだろ 人身事故だろ」って文句を言ったよ
警察官はふるってたね「そんなの赤チンを塗っとけ、怪我のうちに入らないよ!」と突き放したんだよ
まじめな学生がヤクザに絡まれると察したんだね 事故は物損事故で処理されたよ 粋なはからいに感謝したね
問題はこれからだよ 相手は俺が身代わりだってことは知ってるからね 事故った仲間と俺は相手に平身低頭で謝ったよ
修理代金は全額責任を持って払うから勘弁してくれと謝ってお願いした 翌日にその話し合いで相手方に行く事になったよ
翌日二人で話をしに行ったよ ヤクザの幹部が出てきた 言葉遣いは丁寧な口調で脅しの言葉や啖呵は切らなかった
ただ、目の前に指のない手を広げて押し付けるようにして威圧しながら話すんだよ
最初に現場にいたヤクザのことを聞かれたよ「組同士の喧嘩ならお前達の出る幕はないよ、あいつはどんな関係なんだ」と聞かれたよ
「たまたまマージャン屋にいた人で関係はありません、組同士の問題にはしないでください」とお願いしたよ
「それなら君達と話をしよう」と言って話し出したよ「壊れた車をどうしてくれるんだ、元どおりにしてくれるのか」と言われたよ
事故車なんか縁起が悪いから元に戻してくれと言うんだけどね 新車を買って返せ的な雰囲気だった
話し合いは俺がしたよ「責任は私達で取ります、金はアルバイトをしてでも払いますから幾ら払ったら許してもらえますか」と聞いたんだけどね
言わないんだよ 金をいくら払うか俺達から言わせようとしているんだね
同じような話を何度も繰り返しているうちにね 奥の方から怒鳴り声が聞こえてきた
「そんな奴らは簀巻きにして東京湾に沈めろ、生かして返すな」って叫ぶんだよ
話してる相手も目つきが鋭くなってきたよ それでもこちらは謝るしか出来ないからね
「幾ら払ったら許してもらえるんですか?金額を言ってくださいよ」と繰り返したんだよ
2時間はたったかな 相手も疲れてきた「君達では話にならない、親を連れて来なさい」と言ったよ、その日は帰ることになった
二人で解決するつもりだったけどね 話は仲間の兄貴に伝わって親の耳にも入ったようだ
「親が解決するからもういいよ」と言うことになって俺はこの件から開放されたよ
解決金は高めの修理代金程度で治まった様だ 特別ゆすられた金額でもなかった
仲間の親は力があったからね、いろいろと繋がりが見つかったんだろう
頼まれたわけでもないのに身代わりをしてしまった 相手はヤクザだよ そのときの俺の心情が良くわからないけどね
馬鹿な奴だね 振り返れば大馬鹿もんだよ 後先の見えない森の石松みたいなもんだね 危ない橋を渡ったよ
相手は老舗の任侠の分かる大物の関係者だったんだよね だから身代わりを黙って受け入れたんだよ
相手は俺の態度に共鳴したのかもしれないね バラサズに通したからね 脅しのネタにもしなかったよ
俺は仲間が震えている姿を見た瞬間に名乗り出てしまった 無免許で人身事故で逮捕のシーンが浮かんだからね
とりあえず目の前の警察沙汰をかわせば、後は金の問題だけだと思ったからね とっさの反応だった
俺なら事故で点数を減らすだけだよ 相手が「こいつじゃないよ!」って言えば一巻の終わりだよ
相手の器量にかけたよ 相手は困惑した表情を見せたけどね 警察には一言も言わなかった 任侠の血が騒いだんだろう
その後、数年して俺が大きな事故をやって、テレビのニュースで俺の名前が流れたら相手は覚えていたよ
ヒョンなところで顔を合わしたら「大変だったな、大丈夫か」と声を掛けてくれたよ
俺のことが印象的だったようだ 相手にも恵まれていたから身を滅ぼさずに済んだよ 馬鹿は馬鹿だね 身の程知らずだね 若いって恐いね