大きなかぶ農園の日々

じじとばばのゆるい暮らし

2023年11月20日 07時23分41秒 | 日記

一年に1度突然やってくるM。今年も来た。

オシャレで小粋で話し上手で料理の腕はプロ。

その上超美人。69才じぶんの道を突き進んでいる。

昔昔のこと、夫の暴力から長沼に逃げてきた。離婚したいが相手が応じず、家裁でもウヤムヤになり、、、、

「こうなったら相手のシアワセを祈るしか無い!!」

「イヤだ!アタシは祈れない!」とM。「わかった、任せて、代わりに祈る」

新しい恋をすれば、一刻も早く離婚届に押印したくなるだろう・・と傍観者の客観的直観。

(素敵な人に巡り会いどうか幸せに、ずっとずっとしあわせに・・・)本人に成り代わり祈る。

その後の或日 店を閉める京都の知り合いの料理屋に食器をもらいに行きたいので軽トラにひわを付けて貸してもらいたい、Mが夫に頼みに来た。

夫は美人に弱い。二つ返事。晴れて軽トラ女二人旅。

京都の街を着物で歩こうと荷台に各々着物一式、泊めてもらう料理屋さんに

宿泊料代わりの米野菜、フェリーの中で飲むワイン、チーズ、生野菜、おにぎりなどを積み込んで

苫小牧発敦賀行きフェリーに乗り込む。ああ、アレは春だったんだね-♪ヤッホー♪

開放感に包まれフェリーのラウンジでワイングラス傾ける。シアワセだね。うん。

あとは離婚届待ち。わたし待つわ、いつまでも待つわ♪♪

そうねそうだわ、待てば海路の日和あり、わたし祈ってます♪♪

あと少しでケイタイ電話の圏外となります、という時にMのケイタイがるるるると鳴った。

「離婚届が受理されました」市役所の戸籍係からまさかの朗報。ひゃっほー♪ひゃっほー♪♪

敦賀港から京都伏見まで暗い夜道をナビも無く、Mの運転でひた走る。

札幌ナンバーの軽トラを見て地元関係者一同はちょっと呆れていたっけな。。。

四条通を着物で歩き、虎屋でお茶をのむ。骨董市を巡り、、地元の人たちと夜更けまでカラオケもして浦島太郎。

心底解放されたMは「しばらく京都に居るから一人で先に帰って」と言った。

え?運転はMがするというので安心してここまで来たのだ、なのにそれは無いだろう。。。。

結局山のような食器(全てMが引き取った物だ)を積んで、軽トラのハンドルにしがみつくようにして敦賀港目指す。

山道で事故の渋滞に巻き込まれ、迂回路探してなんとか港にたどり着き長沼に戻ったが、

まったくMときたら!呆れて愛想尽かしたはずが、あれから20数年。。。

「用事のついでに顔見に寄った」手土産の和菓子はMの手造り、

番茶すすりながら近況をバババーーっと喋り

「あ、もう行く」バタバタと帰って行く。いつもこの調子だ。

ふだんは全く連絡は取り合わないが、何か思い立つとガガガッと結束し長旅をしたりする。

誰よりもシャイで気~使うくせに、ここぞの時は超ワガママで我れのまんま断固と我を貫く。

縁が続いてきたのは、、安心してこちらも我のままでいられたからだ。

 

 

 

 

 

 


いっちゃん

2023年11月13日 07時56分10秒 | 日記

雨と風が吹き荒れ町道沿いの木々は裸になった。

母屋の横の楡も足もとに掛け布団のように葉を落とし冬を越す準備万端。

 

10月半ばの快晴の日、いっちゃん(5才?)が遊びに来た。

お母さんのアーちゃんと、アーちゃんの友達のミーちゃんと。

はじめはご機嫌でクロ(犬)やマル(猫)と遊んでいたが、水たまりにはまってズボンがちょっと汚れて泣き出した。

「家でも凄く神経質。夫もおんなじ」とアーちゃんが笑っている。

大人達は畑に散歩に行こうとなる。いっちゃんは自分も行きたいが新しい靴を汚したくない。

ひわバアの小さな長靴を貸すと言ってもイヤだと言って泣き続ける。

大人達は各々オトナとしてなだめたりすかしたりするが延々と泣きわめくいっちゃんに閉口し

「まったくめんどくさい男だね!!」とお母さんのアーちゃんが口火を切ったので

待ってましたとばかり「まったくめんどくさい男だ!」と皆オトナの仮面を脱ぎ捨てる。

思い切り「めんどくさい男だ!」と面白がって遠慮無しに言っているうちに、、、

そういえば昔じぶんもほんのちょっとのことでヘソを曲げ大泣きしている子供だったと思い出す。

4-5才の頃近所の家族と遠い街の動物園に行き、、何が気に入らなかったかヘソを曲げ泣きながら単独行動をし、

あの一日がどうなって終息したのか思い出せない、、、、、

叔母がお嫁に行く日も家から続く花嫁行列の後ろで道端にひっくり返って泣き続けた、、、、

その叔母の嫁ぎ先に母と泊まりに行ったときも何にヘソが曲がったか「帰る」と泣き続けた、、

各場面の中の母親はいつも笑っている。

初めて産んだ子がこれなら大変だったろうに。。。

湧き上がる感情を全力で泣くことでしか表せない小さいじぶんが愛おしい。泣けてくる。

泣いても泣いても心の中の何かが治まらない。小さいじぶんといっちゃんが重なった。

すると、「わたしもそうだった!」とミーちゃん。「実はわたしもそうだった!」とアーちゃん。大爆笑

よくこんな面倒な子を捨てずに育ててくれたものだ。

各々しばし親を思い心底感謝。

いっちゃんはいつの間にか泣き止み、ひわバアの花模様の長靴を履き水たまりで遊んでいる。

家に戻ってお茶を飲んでいると「みなさんどうぞたべてください」

いっちゃんが大人びた口調でじぶんの大事なおやつの長いポテトの菓子をテーブルの上に拡げた。

みかんをリュックから出し、袋が開けられないと子供らしくイライラしているので放っておいたら

自力でなんとか袋を開けて「どうぞ」とご機嫌で1個づつ大人達に配った。

 

 

 

 

 

 

 

 


ヒタヒタと確実に。。。。

2023年11月06日 08時41分33秒 | 日記

 

     

強い生命力と浄化力を持つ「真菰マコモ」から採った納豆菌で納豆が出来ないだろうかと夫が思い立ち、

2014年から大きなかぶの納豆の加工を頼んでいる道南平塚食品の社長に相談するべく、真菰を携えて土曜日の午後 登別に行く。

平塚社長は愉快で面白い。色々な商品開発を試みる。

昔、「納豆シュークリームが出来た!」と言うので恐る恐る食べたら意外と普通だったが、、、、

お菓子屋さんとコラボしたんだったかな、、、また食べたいとは思わなかった(ーー;)

そもそも納豆菌に毎日モーツアルトを聴かせているというのだから心は愛に溢れている。

材料の豆には特にこだわりを持っていたが、納豆やところてんのタレに使っていた本みりんや醤油が実は

遺伝子組み換えと分かったとき、一年がかりで安全な物に総取り替えをした。

その社長が、最近読んだ本が感動したから大きなかぶも買って読みなさい、と薦めてくれたのは

『もうあきらめないUNSTOPPABLE』著者ゼン・ハニーカット 現代書館 1500円+税

健康な夫とゼンさんから産まれた3人の子どもたちが深刻な食物アレルギーと自閉症を発症、

無表示の遺伝子組み換え食品を与えていたことに気づき、100%オーガニック食材の食事に切り替えると

症状はすっかり改善する。ゼンさんの体験は全米のお母さん達を巻き込んでいく。

平塚社長は登別市の給食センター新設に伴い、是が非でも子どもたちに安全な給食を提供できないか思案中だと言った。

お金を出す人たちは器(建物や設備等)のことばかりで中身にはほとんど関心が無さそうなのが歯がゆい。

どうしたらよいか。なんとかしたい。 熱く語ってくれた。

その熱いエネルギーを目の前で感じながら、

すでにこの瞬間今ここで熱弁振るう平塚社長の熱い熱い波が納豆工場の屋根を突き抜け天を舞い、

登別市を包み込み、想いを同じくする人たちの頭上にキラキラと舞い降り注ぐ絵が見えた。

成るね。きっと成る。ひとが健康で幸せっていう当たり前の事が成らないわけが無い。

大きなかぶが浴びたその波は長沼上空にも運ばれてこぼれているだろう・・・

北海道は日本一大きな農地を持つ。だから日本一農薬も化学肥料も消費する。

巨大で巨額なトラクターを買って大きな田畑を短時間で効率よく作業しバンバン稼いで、

我が子を大都会の大学に学ばせ海外留学もさせ、億単位の借金もザクザク返しながら

(オババのひがみ混じりのドクダンとキメツケとモウソウによる見解ではあるが)

ニッポン国の台所を席巻する超大型優良農業者といわれる人たちにはちんぷんかんぷんだろう。

ここへ来て農薬や化学肥料の高騰が示すその先には、新しい農業の姿が浮かび上がる。

食とはなんたるか。国や農協の利益最優先のシナリオに別れを告げる日は近いのだ。

状況は静かにヒタヒタと確実に変化している。