大きなかぶ農園の日々

じじとばばのゆるい暮らし

スズメバチの生き方

2021年09月27日 08時06分44秒 | 日記

草だらけの家の周りをトンボの群れが舞う。 
夏の間、二階の屋根の軒下に巣作りを続けていたスズメバチ。 
最初に見つけた日の夜、長い棒でポトンと下に落とした。 
翌朝巣のあった場所を見ると、白く残った残骸に3匹ほどが スクラムを組むように肩寄せ合ってせっせせっせと動いている。 
巣の修復をこころみているようだ。 彼らが丸1日働くとと直径5センチそこそこの大きさになる。 
そこで又、長い棒でポトンと下に落とす。又せっせと肩寄せ合って働いて巣を大きくする。で、またポトンと落とす。 
20年も毎年毎年付き合っているからお互い敵対心は無いように思う。 
過去に、彼らの陣地になっていたポンプ小屋をそうとは知らず突然訪問した形になった時に一斉に刺されたことがあった2016年9月 スズメバチと梅干し
その後も毎年必ず春先には2階の窓から部屋に来て(どこにしようかな、、、)と偵察する。 
「ここじゃないよ」と言って窓から出て行くまで見届けて、さっと締める。それを繰り返す。 
で、何処に作っているのかも気づかないまま秋になる。なあんだ、今年はここかーーと空っぽの巣を見て思う。 
しかし、今年は二階の窓のすぐ横なのでなんとなく気になり、、大きくなったら厄介だと思い、小さいうちに意地悪した。 
二日も放っておくと湯飲み茶碗ほどに出来上がるので毎日落とす。 
だからといって、「だれだーーー!」と犯人捜しもせず、「お前だなー!」と復讐に燃えることもせず、、、 
ただひたすら、残っている巣の上ににスクラム組んで黙々と修復に打ち込む姿は胸を打つ。 
だからといって、「ごめんね」と謝る気持ちは出ても来ず。わたし落とすヒト、あなた造るハチ、、 
夜が急に寒くなって、とうとうすずめ蜂は屋根裏にへばりついた薄い土色の巣の残骸の修復作業を断念した。 
なんとなく、胸がシーンとなった。

 写真はサトシ 

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未開の地・アッパラパー族

2021年09月20日 13時06分29秒 | 日記

日曜日は家の向かいの小さな田んぼの稲刈りだった。

爽やかな秋風の吹き渡る快晴の中、顔なじみの5-6家族が朝から集まってきた。

子どもたちが稲を刈る。大きな子も小さな子も鎌を持つと堂々とした農民だ。

子等が刈った稲を、母さん達が倉庫に保管してあった去年の藁を濡らして叩いて、それで束ねていく。

父さん達がハザ木を組んで、そこに稲を掛けていく。昔昔の村の風景が再現されていく。

昼前には終わって、田んぼの周りで皆各々に弁当タイム。

午後は恒例ハウスの水やり。軽トラの荷台に積んであるポリタンクに母屋の横の川からポンプで汲み上げて運ぶ。

4-5人が軽トラチームとなり慣れないマニュアル車の運転を、危なっかしくも皆で協力し合い畑と水くみ場を往復する。

世界の先進にっぽん国に在って、ここはまさかの未開の地。軽トラの荷台に重なり合ってキャーキャーと笑い声響かせる。

一人で黙々とやれば限りなく修行僧の境地を体験できるが、皆でやれば全員アッパラパー族。

いつもいつも人の笑い声(肥)を聴きながら育った幸福な米や野菜が、人の身体を一層健やかに整えてくれる。

写真は畑隊の名カメラマンのみなさん

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いないいないばあ

2021年09月20日 08時13分26秒 | 日記

大泡立ち草の花が終わり、セイタカアワダチ草が咲き始めた。

刈り採って葉と花をしごきざるに干す。

茎は細かく切り同様に干す。

ヨモギには種が付いてきた。それも刈り採って干す。

心は弾む

イタドリの葉が黄色になった。

畑の中のウツボ草が増えてあちらこちらに群れをつくる。

数年前、わざわざ取り寄せて植えた10数本の栗の木はほとんどネズミがかじり、しかし2本生き残る。

去年、台風で大きなニセアカシアが倒れた。直撃され半分に折れたクルミの木も

横から伸びた枝がグンと胸を張って生きている。

今年、ハウスの中で10年生きた山椒の木が枯れた。台風でハウスが壊れて一冬野ざらしにしてしまい、、そうなった。

寒い北海道では中々実が付かず、、、しかし木が年々大きくなり、去年は実の佃煮ができるほどの豊作で安心し、油断した。

春、待てども待てども芽吹かず、、、上の方の枝は枯れて力なく、触るとポキポキ折れた。葉は一枚も付かず。

胸がズキズキと痛み、山椒がかけがえのない存在と気づく。

当たり前のように、与えられるだけ与えられて、、失ってみて気づく。

諦めきれず時々太くなった木の根元を触ってみては、まだ根も張っているし、、生きているのかも知れない、、、、

毎日ハウスに入るたびにチクチクする胸の痛みは消えることがなかった。

ある日、あまりの落胆ぶりを見かねたかのように、幹の根元にポチっと小さな緑の葉が一枚出た。おおおお!!

生きていた! いないいないばあ!!!

そおーっと見守っているとぐんぐん小さな枝を伸ばし、わさわさと葉を繁らせた。

山椒よ、バアさんの心臓ぐらぐら揺さぶって、ゲラゲラ笑っているんだろう。

バアさんも時々死んだふりしてジイサンをからかってみるか。。

 

写真はひわ

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繋がる糸②広美さん

2021年09月06日 09時41分15秒 | 日記

朝晩は寒い。あの暑さは一体何だったのだ・・・・・・ 
稲が黄金の色になって頭を下げてきた。もうすぐ稲刈り。 
春が来て田植えが終わったと思ったらもう稲刈りの時期になる。 
早い!ビュンビュン流れていく・・・・・・ 


ひろ子さんとの25年ぶりの再会に浸りながら家に戻ると、1枚の絵葉書が届いていた。
1週間前に送った米の代金と振込先を知らせて欲しいという帯広の広美さんからのはがきだった。
家の電話に何度かけても繋がらないので葉書を出します。ということだった。
広美さんは訓子府伊藤農場の娘さん。
8月のはじめに久しぶりに訓子府の伊藤さんを訪ねた時、手土産に持っていった玄米麺を

父の秀幸さんから昨年経営を引継いだ息子の哲義さんがじっと見ている。
伊藤農場のじゃがいもデンプンと大きなかぶの玄米だけで出来ている玄米麺。
「この麺を帯広の妹に送って下さい。子どもがアトピーなんです」と頼まれる。
長沼に戻って早速発送すると、数日後広美さんから米も食べてみたいと注文をもらって送ったのだ。
伝票の控えは確かにある。。(あれー?おかしいな。。。)
伝票を封筒に入れて米袋にガムテープで貼り付けたと記憶しているのだが、、、剥がれたのか?まさかね、、、
まあいいや、それ以上は考えず広美さんに金額と振込先をメールする。
ふと、葉書に目をやると見覚えのある絵が。。。。
北海道風景画館・奥田修一2008年『虹』。(え?・・・・)心臓がどくんと鳴る。
春に奥田さんを訪ねたときに本物はとても高価で手が出ないが、家に飾るならどの絵だろうか、、
ぼんやり一枚一枚をみていて、(あ、これ、、)と感じたのがこの『虹』だった。
思わず広美さんに電話をかける。初めて聞く広美さんの声はふんわりと風のように軽くて色は薄桃色だった。
「この虹の絵はがきはどんな人に届けられるのかな?と思っていたのです、、、」薄桃色の声が受話器に響いた。
私が好きな奥田さんを広美さんも大好きだと言った。会ったこともない広美さんを無条件に(大好き)と思った。
家で野菜を育てているが中々難しいという話になり、思わず「ひろ子さんに会ってみて、今日25年ぶりに会ったの」
と紹介すると早速翌日にトムラウシの山の中の「裕蜂ユーホーの里」に二人の子どもを連れて行ってきました、と
メールがきた。「いつかお会いできる日を楽しみにしています」とメールの返事を書いた。いつ会えるのかな。。。
米の伝票が謎の失踪しなければこの流れにはならなかった。
然別に行かず家にいて電話連絡がついていたなら、、やはりこうはならなかった。

写真はサトシ

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