飽きずに雨が降る。
ザンザン降りの土曜日、長沼こぐま座の前の田んぼで 田植えが始まり、「北長沼岩崎鬼剣舞」-オニケンバイ-
のメンバーによって豊穣祈願の舞が田にささげられた。 この天候でどうなるかと案じたけれど、予定通り決行。
この雨の中で気温も低いし、行くか止めるかと迷ったが
サガイファームの佐賀井夫妻が踊るというので、それなら行くか、と決め真冬の恰好で着ぶくれて参加する。
11時過ぎに女3人で駆け付けると、こぐま座玄関前ですでに踊りが始まっていた。
この状況下なので、ごく内輪の人にだけ知らされたというが、皆小降りの雨の中合羽を着て真剣に踊りに見入っている。
「鬼剣舞」は20年位前その頃大きなかぶで月一回開催していた「日曜喫茶」のイベントで生まれて初めて見た。
ものすごく大きな太鼓が2個か3個か庭に設置され、鮮やかな衣装で荘厳な踊りが繰り広げられ圧倒された。
この場所に縁をもらったばかりの時期に、ここでこの先どうなるかもわからない私たちを励まし、土地を癒してくれた。
あれはどのような経緯で誰が企画してくれたのだろうか。。。全く覚えていない。
時が経ち、昨年佐賀井さんと出会う。栽培方法や考え方などを聞き早速野菜を仕入れさせてもらうことになったのだ。
その時、20年前の大きなかぶの庭で鬼剣舞を踊ったメンバーの一人が大学生の佐賀井さんだったと知らされた。
「大きなかぶで踊ったことがきっかけで長沼で農業をすることを決めたんですよ」と佐賀井さん。「うそ!ほんと?」
何だか不思議な巡りあわせのような、、はじめから天の計画だったのかも知れないと思うような、うふふな感覚。
自分が朽ち果てても、その横から瑞々しい新芽が力強く天に向かって伸びていく未来を確信した感覚。
肉体から生み出すいのちもあるが、意識の奥から生み出されるいのちもあるのだと思わされた。
◇鬼剣舞は岩手県の北上地方に伝承されている民俗芸能で、広くは念仏を唱えながら舞う念仏踊りの一つだそうだ。
鬼の面(仏の化身)をつけて踊るところから、「鬼剣舞」と呼ばれ親しまれているという。
これは登別温泉の鬼の夫婦