小さく芽吹いていた楡の葉がいつの間にか10倍ほども大きくなっている。
家の前の町道のイタドリもあっという間に三メートルは伸びた。
往き来するトラクターや通り抜けの車の土埃や騒音を吸収し、生け垣の役目もし、
青々とした葉の色は人の目を癒やしてくれる。
生の葉は熱があるときに頭の下に敷いておけば熱取りになる。
葉を干して粉にして飲用すれば痛みも取ってくれる、だから痛み取り、イタドリ。
日曜の朝クロが脱走。
夫がクロの朝食をロケットストーブで焚いたいた時のこと。
いくら調整してもすぐに脱いでしまう首輪から、胴体を包んで「これなら大丈夫」と思っていたハーネスを脱ぎ捨てた。
えーーーー!!どうしたんだあ?!・・・・・・・あ、煙が怖かったんだ!!
目の前のストーブからモウモウと立ち上がる煙を見て全力でハーネスを脱いだ。絶妙に脱いだ。
そういえば去年の夏の夜、子どもたちと花火をした時、、、クロは怯えていた。
パンパン!!ドンドン!! 大きな花火の音。耳が壊れそう。白い煙がモウモウと辺りを包んで何も見えなくなった。
クロはこういうのに弱いんだった。忘れてた・・・・・・・
気づいた夫がすぐに車で探しに行ったが、「見つからない。。」としょんぼり帰ってきた。
そのうち帰ってくるよ、、、
しかし、去年ちょっと放していたら放浪癖が付、結局保護され毎度のこと夫は役場と栗山警察に叱られた。
3日に一度くらいは帰ってくるので心配はしなかったが、大かぶのクロかも?と知り合いが気づき
保護されたお宅から「今玄関ですやすやと眠っています、迎えに来て下さい」と電話をもらった。
その時は2件のお宅を自分の家のように順繰りに訪れ可愛がられ、
夫がお礼に行くと両家から「よければ飼わせて欲しい」とまで言われた。
その方が案外幸せなのかと本気で思ったりもしたが、決心は出来なかった。
ウチにいればアライグマ番、狐番、鹿番、留守番、、、番犬としての過激な任務が課されている。(いつも寝転んではいるが)
そんなことがあったのでもしかしたら又あのお宅に逃げて行ったかもしれない、、と思いつつ
昼前に用事を足しがてらゆっくりと車を走らせていると、、、いた!道の駅の横を腹を空かせとぼとぼと歩いている黒い塊を発見。
「くろ!!」と呼んだら〈あ、かあちゃんだ!〉と一目散に走ってきた。
抱きかかえると重たくて(一体何キロ?)車の後部座席に乗せるのに一苦労したが一件落着。
食べようと思って煮ておいたカレイの煮付けの鍋を思わずクロに差し出す。ガツガツ完食。