家の前の町道沿いのイタドリが2M以上も伸びて垣根になる。
少し前までは秋に立ち枯れたままの茶色い太い棒の林だった。
この雨であっという間に背丈以上に伸びて緑の葉を揺らす。
向かいの川沿いも小さな川の幅以上の背になって繁る。圧巻。
「痛みを取る」というイタドリ。昔から薬草として使われている。
ヨモギもスギナもぐんぐん伸びて、今年も人の健康生活に寄り添って共に生きてくれる頼もしい伴奏者だ。
先週夫の父の13回忌で東京に行った。成田で銀座行きのバスに乗りそびれ、15分後の東京駅行きに乗り込む。
駅から東銀座のホテルまでぶらぶら歩く途中、赤信号で足止めされた。直後左手視界に「!」と目を奪われる。
「待って!!」青信号を進もうとしている夫を呼び戻して「浅田政志・・・・」という文字の書かれたギャラリーらしきドアを押した。
去年の春、洞爺湖万世閣のラウンジで「浅田家」という写真集に出会い「なんだこの家族は??!!」
そして親しいTが熱く語っていた浅田さんって、、、この人のことだったかと心底納得した。
アマゾンで頼めばすぐに届くだろうがこれだけはアマゾンで簡単に取り寄せたい気持ちが湧いてこなかった。
バスに乗り遅れなければ、この露地をあえて歩かなければ、信号が青だったなら、、この出会いはなかった。
受付の若い可愛いお姉さんは、思わず興奮して喋る田舎のバアサンを「運命ですね」と笑顔の真顔で受けてくれた。
「写真集の出版元「赤々舎」の特設販売を隣の建物で行っています。」ということで写真集とめでたく再会果たす。
Tの分と自分の分を2冊、あと浅田家ふ箋紙、浅田家絆創膏など浅田家オリジナルグッヅを嬉嬉と買って上機嫌。
写真集2冊は持ち歩くには重たくて京都の赤々舎から直接家に送ってもらうことにする。
法事を終えて3日後、家に戻ると同時に届いた。手書きで感謝の言葉が添えられていた。じんわりする。
ふと、人生は蜘蛛が獲物と出会うために丁寧に糸を張って作り上げる美しい放射状の蜘蛛の巣のようだと思う。
喰うのも喰われるのも運命。出会って一つになって、アナタハワタシ・ワタシハアナタで今日を生きる。