退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#475:STAP細胞と言う赤い靴

2015-04-18 08:57:38 | アメリカ便り
先日、文芸春秋の記事の中で、小保方さんとSTAP細胞に関する記事を読みました。
私の好きなミステリー作家宮部みゆきさんと毎日新聞科学記者の須田桃子さんの対談です。
この対談の中で、STAP細胞を“赤い靴”と呼んでいました。
須田さんがインタビューしたある科学者がコメントした言葉だそうです。
実に妥当な呼び名だと思いました。

アンデルセンの童話“赤い靴”を知っている人は多いと思います。
その童話の中で、赤い靴を履いた自己主張型娘カーレンは、如何なるときにも踊り続けなければならなくなったのです。
そして、疲れきった娘はついに足をちょん切ってしまいました。。

STAP細胞に振り回されていた小保方さんは、まさにSTAP細胞と呼ばれる、“赤い靴”を履いたカーレンでした。
笹井氏を失い、理研研究員と言う立場を剥奪された小保方さんは、今、両足を切断されたカーレンです。
童話では、カーレンは心を入れ替えボランティアにいそしむことになり、最後は天に召されました。
小保方さんはこの先、科学者としては生きていけないと思います。
どのような生き方をしていくか、私には想像できませんが、哀れとだけ思います。

ここ3年ほど投稿していませんが、今回、この記事に対して文芸春秋の“読者の欄”に投稿しました。
ちょっと読んでみてください。

宮部氏、須田氏の対談“小保方事件のなぞに迫る”は長年製薬会社の研究員をしていた私にとって興味深いものでした。研究者は研究を始めるにあったって、まず最初に自身のハイポセシス(仮定)を立て、それを実証するために各種の実験をしていきます。宮部氏はこの仮定を“希望”と明記し、“希望”が一人歩きをしてしまったと述べていますが、まさにそのとおりと思います。私はその一人歩きが、小保方氏の注目されたいという欲、理研のiPSでとった遅れを取り戻すための焦り、大学院、ハーバード、理研時代を通して、適切な指導者不在から来ているものと思います。“STAP細胞は過失か捏造か”と言う点で、“悪意”という言葉が理研での“捏造/故意”の規定として用いられている、と書かれていましたが、俗に言う悪意を持って捏造する科学者はほとんどいないと思います。悪意というより、自分が立てた仮定に対する間違った熱意が科学者を捏造に駆り立てるのではないでしょうか。小保方氏のように、宮部氏、須田氏のようなその道のプロにまで、“オーラを感じる”と言わしめる人は、自分の都合で、過失と捏造の両方を利用していると思います。使い分けているとは言いません、過失と捏造、更には実証の区別ができなくなっているのだと思います。問題は科学者だから起こすのではなく、人間レベルで起こすのであり、小保方氏のような人はどの道に進んでも、このような問題を起こすと思います。

ハブグレジュンタのマミー