細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

願の糸 立場茶屋おりき   今井絵美子

2012-04-07 22:12:30 | 読書メモ 

《内容》

七夕の笹竹に短冊を結びつけることを「願の糸」という―立場茶屋おりきでも、みずきらに交じって先の震災で親兄弟を失った子供たちが、短冊に各々の願い事を認めていた。そんな折、おみのが暇をもらいたいと言い出した。どうやら人に言えない深い理由があるらしい…(「願の糸」より)。表題作ほか「夏の果」「走り蕎麦」「柳散る」の全四話を収録。市井の人びとの優しさと人生への希望、そして季節の美味しい料理…。書き下ろしシリーズ第九弾。   (紹介文より)

 


蜻蛉剣     上田秀人

2012-04-07 20:50:57 | 読書メモ 

《内容》

抜け荷で巨財を築く加賀藩前田家と、幕府の大立者・田沼主殿頭意次の対立が激化。憂慮した九代将軍家重の側用人・大岡出雲守忠光は、三田村元八郎に火消しを命じる。その矢先、福井藩の領地で異国船の焼き討ち事件が発生。探索の命を受けた元八郎は能登忍の襲撃をかわし北国街道をひた走る。やがて判明する田沼の野心と加賀藩の秘事とは。壮大なスケールで織りなす人気シリーズ最終巻。      (紹介文より)

K


蜩の記     葉室 麟

2012-04-07 18:50:17 | 読書メモ は行

《内容》

豊後・羽根藩の奥祐筆・檀野庄三郎は、城内で刃傷沙汰に及んだ末、からくも切腹を免れ、家老により向山村に幽閉中の元郡奉行・戸田秋谷の元へ遣わされる。秋谷は七年前、前藩主の側室と不義密通を犯した廉で、家譜編纂と十年後の切腹を命じられていた。庄三郎には編纂補助と監視、七年前の事件の真相探求の命が課される。だが、向山村に入った庄三郎は秋谷の清廉さに触れ、その無実を信じるようになり…。命を区切られた男の気高く凄絶な覚悟を穏やかな山間の風景の中に謳い上げる、感涙の時代小説。      (紹介文より)

 

―――親はこの世に生のある限り、子を守り、無事を祈り続けてくれるのだ。その思いに支えられて子は育つものなのだ、と親を亡くして初めて知った。

―――この世に生を受けるひとは数え切れぬほどおりますが、すべてのひとが縁によって結ばれているわけではございませぬ。縁で結ばれるとは、生きていくうえの支えになるということかと思います。

―――未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう。


涅槃の雪   西條奈加

2012-04-07 12:49:41 | 読書メモ さ行

《内容》

新任の北町奉行・遠山景元の信頼厚い吟味方与力・高安門佑は、ある事件をきっかけに、お卯乃という元女郎を屋敷に引き取ることになる。口のきき方も知らず家事もできないお卯乃だが、話し相手としては悪くない。そう思いはじめた矢先、天保の改革が発布され、江戸の世情は一変した。遠山は南町奉行・矢部定謙とともに、改革を主導する老中首座・水野忠邦と対立する。そんな両奉行と門佑たちの前に、冷酷非情と恐れられる目付・鳥居耀蔵が立ちふさがった。厳しい締め付けに生気を奪われた江戸、そして、門佑とお卯乃の行く末は―。改革の嵐が吹き荒れるなか、お上の苛烈な締め付けに立ち向かう気骨ある与力の姿を通じて、市井の人々の意地と気概をいきいきと描き上げた傑作。       (紹介文より)

 

―――言葉には魂と力があるんだから