細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

散り椿   葉室燐

2012-04-08 14:10:47 | 読書メモ 

《内容》

かつて一刀流道場の四天王の一人と謳われた瓜生新兵衛が、山間の小藩に帰ってきた。一八年前、勘定方だった新兵衛は、上役の不正を訴えたが認められず、藩を追われた。なぜ、今になって帰郷したのか?新兵衛を居候として迎えることになった甥の若き藩士、坂下藤吾は、迷惑なことと眉をひそめる。藤吾もまた、一年前に、勘定方であった父・源之進を切腹により失っていた。おりしも藩主代替わりをめぐり、側用人・榊原采女と家老・石田玄蕃の対立が先鋭化する中、新兵衛の帰郷は、澱のように淀んだ藩内の秘密を、白日のもとに曝そうとしていた―。                             (紹介文より)

 

―――当時は何とも思わなかったが、生き生きとした自分がそこにいたことは間違いない。

(あの若者たちはどこへ行ってしまったのだろう)

皆それぞれに生きたきた澱を身にまとい、複雑なものを抱えた中年の男になってしまった。もはや昔のように率直に胸中を明かすことなどできはしないだろう

―――性格は違っても、ふたりとも純粋な志を持った明るい青年だった。

それが、永い歳月の後、それぞれが境遇は異なっても人生の苦さを胸に秘めた寂しさは似通っているように思える


おれは清麿    山本兼一

2012-04-08 11:54:52 | 読書メモ 

《内容》

刀、女、酒。 熱くたぎった天才鍛冶の波乱の日々!  利休(りきゅう)、虎徹(こてつ)、そして…新たな“鬼” 幕末の名工を直木賞作家が描く!  「この刀はおれです。おれのこころです。折れず、撓(たわ)まず、どこまでも斬れる。そうありたいと願って鍛えたんだ」 信州小諸(こもろ)藩赤岩(あかいわ)村に生まれた山浦正行(やまうらまさゆき)、のちの源清麿(みなもとのきよまろ)は、9つ上の兄真雄(まさお)の影響で作刀の道にのめりこむ。大石(おおいし)村の村役人長岡(ながおか)家に17歳で婿に入るが、その熱情は妻子をおろそかにさせるほどたぎるのだった……。        (紹介文より)


黒猫の仇討ち   芦川淳一

2012-04-08 04:54:22 | 読書メモ 

《内容》

九年前、廻船問屋に盗みに入った義賊・黒猫組が、何者かに待伏せされ仲間のほとんどが斬り殺された。生き残った五人は、黒猫組を再結成し、仇討ちしようと意気込む。そして、黒猫組の一員で旗本の四男・如月剣四郎の活躍で、襲ったのは闇鴉の又蔵一家であることがようやく判明する。好評シリーズ第二弾。      (紹介文より)