細沼園のお茶飲み話

お茶の時間のひとときに、思いつくまま書きました。

恋愛嫌い 

2008-12-28 21:41:34 | 読書メモ た行
恋愛嫌い   著者 平 安寿子

《内容》
諦めるのは何より上手。感情が足りないと言われる。いざとなると尻込みする…。恋が苦手な3人の女性たちを描いた、痛いほどリアルでじんわりと勇気をくれる連作短編集。
     (紹介文より)


―――昼下がりの陽差しが、男の子の頬の産毛を母親のまつげを、喜世美の爪先を同じように暖めている。その光に似たものを、喜世美は腹の底に感じた。まろやかな温もりを持つ小さな温泉が、こぽこぽ湧いているようだ。


―――ああこれだ。翔子はうんざりした。人にどう思われるか、常に気にしている。そして攻撃されたと感じたら、たちまち、ハリネズミみたいに全身トゲだらけになる。自分の話しかしない人間の特徴だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。