清風亭(せいふうてい) 埼玉県指定有形文化財
清風亭は、大正15年(1926)、当時第一銀行頭取であった佐々木勇之助(ささき ゆうのすけ)の古希を記念して、誠之堂と並べて建てられた。建築資金は、誠之堂と同じくすべて第一銀行行員たちの出資によるものである。
佐々木は、若干28歳での第一国立銀行本店支配人就任をはじめとして、同行の数々の役員を歴任し、大正5年、栄一を継いで第一銀行第二代頭取に就任した。勤勉精励、謹厳方正な性格で知られ、終始栄一を補佐した。栄一の精力的な活躍も佐々木の手腕と人格によるところが大きかったと考えられる。
清風亭は、当初、佐々木の雅号をとって「茗香記念館」等と称されたが、後に「清風亭」と呼ばれるようになった。
設計者は、銀行建築の第一人者の西村好時(にしむら よしとき)。
建築面積168㎡で、鉄筋コンクリート造平屋建、外壁は人造石掻落し仕上げの白壁に黒いスクラッチタイルと鼻黒煉瓦がアクセントをつけている。屋根のスパニッシュ瓦、ベランダのアーチ、出窓のステンドグラスや円柱装飾など、西村自身が「南欧田園趣味」と記述している当時流行していたスペイン風の様式が採られている。
大正12年(1923)の関東大震災を契機に、建築構造は、レンガ造りから鉄筋コンクリート造に主流が変わったが、その初期の建築物としても建築史上貴重なものである。
平成16年3月23日、埼玉県指定有形文化財に指定。 (パンフレットより)
ガイドのO川さんの説明がとても勉強になりました。ありがとうございました。
見学時間 午前9時~午後5時
駐車場 あります