《内容》
韓国スリ団のアテンドに、一泊二日スラップスティック温泉ツアー、失われた「秘宝」奪還作戦、「心霊写真」の持ち主探し―。爆笑と感涙、そして驚愕。ポップでシリアス、大胆不敵な豪腕炸裂。 (紹介文より)
《内容》
韓国スリ団のアテンドに、一泊二日スラップスティック温泉ツアー、失われた「秘宝」奪還作戦、「心霊写真」の持ち主探し―。爆笑と感涙、そして驚愕。ポップでシリアス、大胆不敵な豪腕炸裂。 (紹介文より)
《内容》
昨年8月に乳がんで亡くなった歌人の河野裕子さん。出会い、結婚、子育て、発病、再発、そして死まで、先立つ妻と交わした愛の歌。 (紹介文より)
―――
呑もうかと言へば応えるひとがゐて二人だけとふ時間があった
がんばっていたねなんて不意に言うからたまごごはんに落ちてるなみだ
《内容》
刀は、男の生き方さ。覇気が溢れ、見ているだけで命の力が湧き上がってくるような刀がいい。江戸を騒がす「黄金の太刀」をめぐり、とある大名家で一万両の刀剣詐欺が勃発。事件の鍵を握るのは、稀代の詐欺剣相家・白石瑞祥。相州、美濃、山城、大和、備前―。瑞祥を追い、光三郎は日本刀「五か伝」の地をゆく!直木賞作家が渾身の筆で紡ぐ本格時代小説。 (紹介文より)
☆☆☆☆
《内容》
小蔵屋を営む老女・お草は、最近くさくさしている。近所に安さと豊富な品揃えが売りの和雑貨店・つづらが開店し、露骨な営業妨害を仕掛けてくるからだ。しかもつづら出店の裏には詐欺まがいの不動産売買の噂があって、草はほうっておけなくなるが…。コーヒー豆と和食器の店を舞台に、老女が街で起きるもめ事を解決するコージー・ミステリー。 (紹介文より)
―――どこで買っても、たわしはたわし、ごまはごま
―――一人に慣れるのは寂しいことだが、一人でいられないというのもまたつらいことだ
―――長い歳月の中で、記憶は形を変えてしまう。ある感情は膨らみすぎ、またある感情は疑われる。あるいは、なかったことにさえなるかもしれない。だから、間に合うなら確かめてほしかったのだ。これからの自分のために。
《内容》
できることはもう何もない。戦場を走るほかには。たとえそこが、まやかしの戦場でも。美しい島で、あの夏、何が起きたのか―。何を信じ、何を守る―。人間の本質に迫る戦争巨編、堂々完結。 (紹介文より)
―――懐疑をしないということは、真理を忘れるということにちがいない
―――胸のうちには嵐が吹き荒れているであろうに、老夫婦はかたときも微笑みを絶やさなかった。 耐えよ忍べよと大人たちは口を揃えていうけれども、その忍耐を正しく姿かたちに表せば、このほほえみになる。だからこんなにもすてきに見えるのだ。
《内容》
親子それぞれに特殊な職業につきながらも強い繋がりをもった家族、距離を置きながら同士のような関係に置かれた義理の父娘、一度家庭を壊し人生を放棄しかけている男、妹のDVに勘づいてしまった兄……。そこは人が本当に帰るべき場所なのだろうか? ふぞろいで歪つな4つの家族とそこに生きる人々。涙と冷静と波乱を存分にたたえた、本多ワールド最高到達点!2010年エンタテインメント小説、最高の収穫! (紹介文より)
―――相談しなくたって、力を借りに行かなくたって、兄貴がいると思うと救われている。最後にはこの人を頼ればいいんだって、そう思えるだけで全然違う。もしも何もできなくても、少なくとも私と一緒に悩んでくれる。悲しんでくれる。怒ってくれる。
―――忘れるんだよ。年を取るとよ。嘘じゃなくて、本当に忘れてくんだ。色んなことを。自分がそうしたことは覚えていても、何でそんなことをしたのか、さっぱり思い出せねえ。馬鹿だったんだな、って思うだけだ。
《内容》
小樽での奉公を終え、知床に帰った少女は、かつて家族を救ってくれたアイヌの青年と再会する。一度きりのかなわぬ恋。そのとき少女ははじめて思う。人は自分の人生を、どこまで選び、決められるのか、と。厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜く。感動の最終章。 (紹介文より)
―――人というものは、果たしてどこまで自分で自分の一生を決めたり選んだり出来るものだろう
―――人というものは何なのだろうか。どうして生きなければならないのだろう。
《内容》
物心ついたとき、少女はここで暮らしていた。アイヌ語で、「地のはて」を意味するというこの土地で。おがちゃの背中と、あんにゃの手に、必死にしがみつくようにして。北海道知床で生きた女性の生涯を、丹念に描き、深い感動を呼び起こす。構想十年―書き下ろし長編小説。 (紹介文より)
―――今、思う。きっとこういうのを幸せというのに違いない。まわりのみんなが笑っていて、優しくて、ほこほこと温かい感じがする。
―――お互いに生きているのに、ただ会うというそのことが、こんなにも難しいとは思わなかった。 大人になっていくということは、こんなふうに周囲からだんだん大切な人がいなくなってしまうことなのだろうか。
《内容》
坂本純平、21歳。新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者。心酔する気風のいい兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女は苦手だが、困っている人はほうっておけない。そんな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。決行までの三日間、純平は自由時間を与えられ、羽を伸ばし、様々な人びとと出会う。その間、ふらちなことに、ネット掲示版では純平ネタで盛り上がる連中が…。約一年半ぶりの滑稽で哀しい最新作。 (紹介文より)
―――どうして神様は頭の中身にこれほどの差をつけたのか。身長差はあっても二割だ。それなのに脳味噌の差は百倍くらいありそうだ。こんな不公平がどうして許されているのか。
―――若さの価値は歳をとらないとわからない。まことに神様は意地が悪い。
《内容》
あの日の思い出を、誰もが都合よく“編集”する――。人間の記憶の深淵さを鮮やかに描いた群像ミステリー!大手家電メーカーの広報マン、前科持ちの飲食店店長、失職中の元モデル、結婚間近の公益団体職員、日給6000円の工場派遣労働者、現在全員27歳。一見年齢以外全く共通点がないように見える5人が、ひとりの女性弁護士によって突然招集された。彼らには、15年前伊豆のサマーキャンプに参加していたという事実があったのだ。この弁護士、最近亡くなったキャンプ主催者の遺言執行者で、5人のうち1人が主催者の遺産31億円を手にする資格があるという。衝撃の事実を告げられた5人は、狂喜するが、これには条件があり、該当者を確定するため、キャンプ中の出来事を細大漏らさず思い出してほしいというのだった。5人は遠い夏の記憶を必死に辿り、遂には遺産の受取人が判明するも、事態は思わぬ方向に転がっていく……。どんでん返しの群像ミステリー。 (紹介文より)
―――幸か不幸か、人は往々にして、自分にとって否定的な意味を持つ思い出こそ、長く心に保持しているものだ。楽しかったことについては、「楽しかった」という漠然とした記憶しか残らない。しかし、つらかったことや悔しかったことは、そのとき自分が置かれていた状況や、自分自身の微細な心の動きも含めて、細部まで生々しく思い出すことができる。