讃仏偈と讃美歌
1月2日法徳寺本堂において、平成二十八年新年法要が営まれました。午前から午後にかけ3回法要を行い、満員の本堂で皆さん一緒に讃仏偈を拝読したあと、法話を拝聴しました。
その讃仏偈は、親鸞聖人が「真実の教え」と讃えられた「大無量寿経」上巻の中にある4文字20行の讃歌で、阿弥陀如来の浄土建立と凡夫が往生できる本願が説かれています。この本願は、阿弥陀如来が未だ法蔵菩薩だったとき、師である世自在王仏に向かい誓ったもので、その際世自在王仏の気高い姿を仰いで、その徳を讃え、師仏に向かってご自身の信念と願いを述べているのがこの讃仏偈になります。
話は変わりますが、私は若い時得意だった教科の関係で、キリスト系の大学に進んだのですが、その学生時代、礼拝の際習っていた讃美歌、これもイエス・キリストを讃える内容がほとんどなのです。イエスの偉大さや功績を讃え、神によって生かされている感謝の言葉、様々な賛辞と尊敬の気持ちを歌にしたものが、讃美歌と言っていいと思います。
仏教とキリスト教の意外な共通点に私は嬉しく思います。自分の信じる神や仏さまを信じ崇め褒め称えることは、どの宗教でも共通なのではないでしょうか。
そしてその思いを私生活にも生かして頂きたいと思います。周りの方に対し単に容姿を褒めるだけでなく、何か優しいことをしてもらったら、感謝の気持ちを込めて褒めて差し上げるのもいいと思います。
そして故人に対しては、生前の苦労や功績、思い出を正月に今一度思い出し、そのご足労をもう一度労っていただき賛美して頂きたいとおもいます。忙しい世の中ですが、親戚一同集まって一緒におせち料理やお雑煮を食べ、亡くなった故人の話をゆっくりしていただきたいものです。