BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

憧れの王子様☆1☆

2024年08月26日 | 薄桜鬼×鬼滅の刃芸能界パラレルクロスオーバーパラレル二次創作小説「憧れの王子様」
「薄桜鬼」「鬼滅の刃」二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。

「みんな~、来てくれてありがとう!」
夢の舞台・武道館のライブで、あるアイドル・グループがそう叫ぶと、ファン達は一斉にサイリウムを振った。
「それでは聴いて下さい、“心に誠を!”」
(うぉぉ~、トシさ~ん!)
ステージの最前列、花道の近くに、あの少年は居た。
茶色の髪をポニーテールにし、一心不乱にサイリウムを振りながら彼が翡翠の瞳で見つめているのは、アイドル・グループSSGのセンター・土方歳三だった。
彼は、とても美しく賢い歌手で、アイドル活動のかたわら、俳優や作家としても活躍している。
土方歳三は、ライブで最後の曲を歌い終わった後、ファン達に向かって深々と頭を下げると、このライブを最後にSSGから“卒業”する事を告げた。
「嫌だぁ~!」
「トシちゃん!」
「皆さんの事も、SSGの事も愛しています。でもわたしは、“普通の人”として生きていたいのです!どうか皆さん、SSGの事を嫌いにならないで下さい!」
「うぉぉ~!」
こうして、SSGの伝説のライブは幕を閉じた。
(なぁにが、“普通の人として生きていきたい”だよ。若気の至りってスゲェな。)
あのライブから15年―かつてトップアイドルとして輝いていた歳三は、今はファミレスでアルバイトをしている。
「あ、土方さん、今日から新人さんの指導、お願いね。」
「は、はい・・」
「初めまして、今日からこちらで働く事になった・・」
(KBTのMUZANが、何でこんな所にぃ!)
「よろしくお願いします。」
「ど、どうも・・」
何故、和製キング・オブ・ポップがファミレスに―歳三がそんな事を思いながら本を読んでいると、いつの間にかKBTこと鬼舞辻無惨が歳三を見つめていた。
「何故、わたしがここに居るのか知りたいようだな?」
「別に・・」
「老後の資金が足りぬのだ。」
「あんた、俺よりも稼いでたんじゃ・・」
「事務所を足抜けした際、金は全て社長から取り上げられた。」
「は、足抜け?」
「詳しいことは後で話そう。」
「え・・」
拍子抜けした歳三を残し、無惨は更衣室から出て行った。
バイトが終わり、無惨は歳三をカラオケボックスの個室へと連れて行った。
「わたしが、半年前に事務所から足抜けしたのは・・」
KBTのMUZANこと鬼舞辻無惨が所属事務所から“足抜け”したのは、半年前の“トラブル”が原因だった。
その“トラブル”は、色々と一時期週刊誌ネタとして様々な噂が飛び交っていた事を、歳三は思い出していた。
「事務所の社長は、あろうことかわたしの財産を横領していた。わたしがその事を告発しようとした矢先、突然解雇された。訴えたが、負けた。」
無惨は、そう言った後溜息を吐いた。
「それで、あんた今何処に住んでいるんだ?」
「港区のマンションだ。」
無惨はそう言うと、歳三に自分が住んでいるマンションの写真を見せた。
そこは、有名人が多く住むタワーマンションだった。
「あんた財産取り上げたんだろう?家賃払えるのか?」
「色々と不労所得があるから、大丈夫だ。」
無惨は、駐車場を経営しているという。
「あと、夜のバイトもしている。」
「へぇ・・」
「さてと、時間だ。」
無惨は自分が注文した料理の代金をレジで払うと、カラオケボックスから出て行った。
(夜のバイト、ねぇ・・まぁ、どんなバイトか、想像出来るけどな。)
その日の夜、歳三は夜のバイト先である、歌舞伎町のクラブに居た。
そのクラブは、“ある”性癖を持つ客の為のクラブだった。
それは、ドM―人に虐められる事が大好きな客が集まる店なのだった。
アイドルを辞め、芸能界から引退した歳三は、昼はファミレス、夜はクラブで働き、生活費を稼いでいた。
一匹の猫と人間だけで暮らしているので、心配な事と言えば自分の老後資金と、猫の治療費だけだ。
(さてと、今日も稼ぎますか。)
歳三がそんな事を思いながら更衣室からフロアへと向かうと、何やら奥のテーブルの方が騒がしかった。
(何だ、何かあったのか?)
「あらトシちゃん、いらっしゃい。」
「ママ、何かあったのか?」
「実はねぇ、今夜から期待の新人が入って来たのよ。」
「期待の新人?」
チラリと歳三が奥のテーブルの方を見ると、そこには妖艶な美女の姿があった。
(何だ、何処かで見たような・・)
「頭を垂れて蹲え、平伏せよ。」
(え、まさかこいつ・・無惨かよ!?)
歳三がそう思いながら再度奥のテーブルの方を見ると、無残の前には四人の男達が土下座していた。
「も、申し訳ございません、お姿も気配も異なっていらしたので・・」
「誰が喋っていいと言った?」
無惨はそう言って男達を睨みつけると、男達の間にひぃっ、という悲鳴が上がった。
「わたしが聞きたいのはひとつのみ。何故、下弦のアイドルは売れなくなったのか?」
「そ、そのような事を俺達に聞かれても・・」
「黙れ。あいつらが売れなくなったのは、ひとえにお前達のPRの仕方が悪いからだ。」
「ひぃ・・」
四人の男達の一人、左端に居た男はぶるぶると震え、呻いた後気絶した。
「連れて行け。」
「はい。」
何処からともなく現れた黒服の男が、気絶した男を連れて行った。
「お前は、いつもTプロデューサーと会う時、逃げようとしているな?」
「いいえ、思っていません!」
「お前はわたしを否定するのか?」
(こいつらと無惨、どんな関係だ?)
やがて男達は一人、また一人と居なくなり、残ったのは二十代後半の青年だった。
「最後に何か言いたい事は?」
「わたしは夢見心地でございます。あなた様直々に手を下されるなんて・・わたしを残して下さってありがとう。」
恍惚とした表情を浮かべている青年に、歳三はドン引きしていた。
「耳に花札のようなピアスをつけた少年を連れて来い。そうすれば、もっと情報を与えてやる。」
青年は無惨に一礼すると、店から出て行った。
「何だ、誰かと思ったらお前か。」
「何だじゃねぇ!それはこっちの台詞だ!さっきのは何だ!?」
「仕事が出来ないマネージャーをここへ呼んで説教していただけだ。」
「へぇ、そうか・・って、さっきママが言っていた“期待の新人”ってあんたか!?」
「あぁ。今日からこの店で働く事になった、よろしく。」
「お、おぅ・・」
(大丈夫か・・?)
無惨がクラブで働き出してから、彼に虐められたいという客が店に殺到し、店は繁盛した。
「あ~、疲れた。」
 疲れた身体を引き摺りながら、歳三が住んでいるマンションへと向かっていると、エントランスの前に何故か無惨が大きいスーツケースに腰掛けていた。
「待ちくたびれたぞ。」
「てめぇ、何でここに居る?」
「腹が減った、何か食わせろ。」
「人の話を聞け!」
歳三は無惨を部屋に入れると、無惨はソファに座って溜息を吐いた。
「あ~、疲れた。」
「何でここの住所がわかったんだ?」
「履歴書を見た。」
(ママ・・)
「それで?あんたタワーマンションには帰らないのか?」
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10代の頃にハマった漫画は一生モノ。

2024年08月16日 | 日記
最近、今年に入ってからブックオフで全巻購入した漫画を再読し、再びはまりました。

その漫画がこちらです。

この漫画がきっかけで、ハプスブルク家関連の書籍を読み漁り、二次小説を書き始めるようになった高校時代。

まだBLという定義もなく、少女漫画枠での作品でしたが、読みごたえがありました。

何故か全巻を売り払ってしまい、再購入する羽目になりましたが、10代の時に出会い、読んでハマった漫画は一生モノだと勝手に思っています。
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盆休みねぇ・・

2024年08月11日 | 日記
世間は盆休みに入っていますが、わたしは仕事柄休めないので、世間で盆休みを楽しんでいる人達はいいなぁと思いつつも、仕事頑張ろうと思っています。
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幸せ食堂物語 第1話

2024年08月07日 | 黒執事 現代転生昼ドラロマンスパラレル二次創作小説「幸せ食堂物語」
「黒執事」の二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

そのカフェは、住宅街の一角にあった。

「いらっしゃいませ。」
少し緑がかった青を基調とした室内は、椅子やテーブル、食器類に至るまで青で統一されていた。
店名は“シエル”なのだが、青で統一された室内からか、人々はいつしかそのカフェを、“ブルーカフェ”と呼ぶようになった。
そのカフェの客の大半は、十代から九十代までの女性ばかりだった。
「いらっしゃいませ。」
何故なら、カフェの店主が何処か謎めいた男だからだった。
彼がこの店をオープンさせたのは、三年前。
パリの三ツ星レストランでシェフをしていたという男―セバスチャン=ミカエリスがカフェで作るのは、海老フライやオムライス、ハンバーグといった、所謂“大衆料理”だった。
セバスチャンが作る料理は、どれも美味しいのだが、その中でも美味しいのは、“幻のガトーショコラ”である。
それは、毎年十二月十四日のみ提供される、甘くて濃厚なガトーショコラの上に、酸味がきいたラズベリーソースをかけた絶品スイーツ。
数量限定なので、開店してから五分で完売してしまう為、“幻のガトーショコラ”と呼ばれていた。
(今日は、寒いですね。)
白い息を吐きながら、セバスチャンは階下へと降りていった。
セバスチャンは、カフェの二階の住居部分に住んでおり、一階の厨房で食事を作っている。
「さてと、今日は坊ちゃんの為に、エッグベネディクトを作りましょうかね。」
セバスチャンは愛用のエプロンをつけた後、二人分の朝食を作った。
「坊ちゃん、お目覚めの時間ですよ。」
「ん・・」
ベッドの中でシーツを頭から被っているのは、セバスチャンの恋人であるシエルだった。
三年前、セバスチャンとシエルは互いに惹かれ合い、全てを捨ててこの極東の島国に来た。
「今日は、エッグベネディクトか。悪くない。」
「坊ちゃん、今日は寒いので、くれぐれもお風邪などを召されませんように。」
「あぁ、わかっている。」
朝食を食べ終えたシエルは、セバスチャンに着替えを手伝って貰った。
「そんなに踵の高い靴をお履きになって、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。」
シエルはそう言うと、セバスチャンから弁当を受け取った。
「では、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
「行って来る。」
シエルを玄関先で見送った後、セバスチャンは厨房でランチの下拵えを始めた。
「いらっしゃいませ。」
「今、いいですか?」
「はい、どうぞ。本日の日替わりランチは、海老クリームコロッケと大根と玉葱のスープです。」
「うわぁ~、美味しそう!頂きます!」
この日、ランチで“シエル”を訪れた女性客は、SNSに海老クリームコロッケ定食の写真を、こんなコメントと共に上げた。
『カニクリームコロッケは今まで沢山食べて来たけれど、海老クリームコロッケは初めて!』
ランチの営業が終わり、セバスチャンは溜息を吐いた後、紅茶を飲んだ。
(ディナーの下拵えも済みましたし、少し二階で休みましょうかね・・)
セバスチャンは店の札を『準備中』にすると、二階に上がって仮眠を取った。
夕方、シエルは駅前にある商業複合施設内にある書店で、気になっている作家の新作を買い、その本を帰りの電車の中で読んだ。
余りにも夢中になってその本を読んでいたので、シエルが自分の前に一人の男が経っている事に気づいたのは、後少しで最寄駅に到着するという時だった。
「ひっ、ひっ、こんな所で会えるなんて、嬉しいねぇ。」
長い銀髪を揺らし、黄緑色の瞳で自分を見つめる男にシエルは恐怖を抱き、本を鞄の中にしまうと、隣の車両へと逃げた。
(何なんだ、あいつは!?)
「あ~あ、逃げられちゃったぁ~。まぁいいや、また会えるかもしれないし・・」
男はぶつぶつとそう呟くと、次の駅で降りていった。
「お帰りなさいませ。」
「ただいま。」
「どうされたのですか、坊っちゃん?何処か浮かない顔をされていますが・・」
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悪魔の子 1

2024年08月07日 | FLESH&BLOOD 帝国ハーレクイン昼ドラパラレル二次創作小説「悪魔の子」
「FLESH&BLOOD」の二次小説です。

作者様・出版社様は一切関係ありません。

海斗が両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。

鐘の音が、高らかに鳴り響いた。

白亜の大聖堂から出て来たのは、神の前で愛の誓いを交わし合った新郎新婦だった。

「おめでとう!」
「お幸せに~!」
周囲の人々から祝福された彼らは、一台の馬車に乗り込もうとした時、数発の銃弾をそれぞれ額と胸に受け絶命した。
「敵だ~、逃げろ~!」
絶命した新郎新婦を見てパニックになった結婚式の参列者達は蜘蛛の子を散らすかのように逃げ惑っていたが、彼らも銃弾の雨を浴びて絶命した。
全てが終わった時、美しく澄み切った空を黒雲が覆い、雷鳴が轟いた。
土砂降りの雨は、惨劇の場となった血の海を全て洗い流していった。
『結婚式の惨劇』という大きなタイトルの下に、血の海の中で絶命している新郎新婦の姿を見たジェフリー=ロックフォードは、無言で新聞をゴミ箱へと投げ捨てた。
「ジェフリー、俺だ、入るぞ?」
「ナイジェル。」
「顔色が少し悪いな、どうしたんだ?」
「何でもない。」
ジェフリーはそう言って平静さを装ったが、長年彼と苦楽を共にしてきたナイジェルの目は誤魔化されなかった。
「この記事を読んだ所為で、昔の事を思い出したのか?」
「まぁ、そんなところだ。」
「サー・フランシス・ドレイクから呼び出しがあった。10分で支度をしろ。」
「わかった。」
ジェフリーはのろのろとした動きでベッドから出ると、身支度を済ませて寝室から出た。
「一体、俺が休職している間に何があったんだ?」
「さぁな。だが、わざわざお前を呼び出したのは、この国に“何か”があった時だ。」
「そうか。折角のんびりと家で過ごそうと思っていたのに、残念だな。」
ジェフリーはそう言うと、サングラスを掛けてナイジェルが運転するジープの助手席へと飛び乗った。
「休職中のところを呼び出して済まないな、ジェフリー。」
「いいえ、暇を持て余していたので、丁度良かったです。」
「そうか。」
ドレイクはジェフリーに微笑むと、一枚の写真を彼に見せた。
「お前達には、ある任務を与える。カスティア大陸に潜入し、“悪魔の子”を救出せよ。」
「“悪魔の子”?」
「あぁ、カスティア大陸には、男女両方の性を持った者が稀に生まれ、その者は人々からの信仰の対象になるという。だが、その希少価値の高さ故に、犯罪組織から狙われる。」
「つまり、俺達に“悪魔の子”を保護しろと?」
「まぁ、そういう事だ。」
「わかりました。いつカスティア大陸へ発てばよろしいのですか?」
「明朝5時に出発だ。」
ドレイク邸を出たジェフリーは、溜息を吐いた。
「あの人の言う事は、無茶苦茶だな。」
「まぁ、そんな事を言ってもお前なら大丈夫だと、あの人は信じているんだろう。」
「そうかもな。さてと、家に帰ったら早速荷造りでもするか。」
「出発が早いから、余り飲み過ぎるなよ。」
「わかっているよ。」
だがジェフリーはナイジェルの忠告を無視して朝まで酒を飲み、二日酔いに苦しみながらナイジェルと共にカスティア大陸へと向かった。
「おい、しっかりしろ、ジェフリー!」
「飛行機よりも船の方が良かったかな・・」
ジェフリーは、飛行機が苦手だった。
理由は今でもわからないが、何故が船に乗っていると心が安らぐのだ。
世が世なら、自分は海軍ではなく海賊として世界を股にかけて戦っていたのかもしれない。
「ジェフリー、着いたぞ。」
「そうか。」
ジェフリーが欠伸を噛み殺しながら飛行機から降りると、南国の風が彼の頬を優しく撫でた。
「暑いな。」
「ここは亜熱帯だからな。」
いつも隙なく軍服を着ているナイジェルは南国の暑さにやられたのか、ネクタイを緩めた後溜息を吐いた。
『グラハム様と、ロックフォード様ですね?初めまして、わたしはラオカイ、王の命によりあなた方をお迎えに参りました。』
空港から出た二人を出迎えたのは、褐色の肌をした男だった。
「良かった、移動する手間が省けたな。」
「あぁ。」
男が運転する車でジェフリー達が向かったのは、ドレイク邸よりも美しく豪華な白亜の宮殿だった。
『こちらへどうぞ。』
「へぇ~、豪華なものだな。」
宮殿の天井を飾る美しいステンドグラスを見上げながらジェフリーが廊下を歩いていると、彼は一人の少女とぶつかった。
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
「あぁ。怪我は無かったか?」
「はい・・」
『カイト、何処に居るの!?』
少女はジェフリー達に向かって頭を下げると、そのまま宮殿の奥へと消えていった。
『さぁ、こちらへどうぞ。』
宮殿の奥の部屋には、数人の美女達を侍らせたカスティア国王・レオンが玉座に座りながら、ジェフリーとナイジェルを紫の瞳で冷たく見下ろしていた。
『金の髪・・そなた、獅子の神の化身か?』
「は?」
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