BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

浜菊の如く 第1話

2024年02月25日 | FLESH&BLOOD 昼ドラ和風ファンタジーパラレル二次創作小説「浜菊の如く」

素材は、てんぱる様からお借りしました。

「FLESH&BLOOD」二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

海斗が両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。

性描写がありますので、苦手な方はご注意ください。

クチュクチュと、部屋に淫らな水音と、甘い少女の喘ぎ声が満ちていた。
炎のように赤い髪を乱しながら、彼女は器用に己の分身と膣を弄っていた。
「あぁっ!」
白い喉を仰け反らしながら、少女は何度目かの絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ・・」
甘い疼きが全身に広がり、少女はティッシュで濡れた陰部を拭った。
(こんなのじゃ、足りない・・)
海斗の脳裏に、美しいブロンドの髪をなびかせた想い人の姿が浮かんだ。
彼の太く、逞しいモノで己の中を激しく掻き回して欲しい―そう思うと、少女の手は自然と陰部の方へと伸びていった。
「おはよう、海斗。あなた最近顔色悪いわよ?」
「少し、寝不足で・・」
「勉強に熱心なのもいいけれど、余り無理しないでね?」
「うん、わかった・・」
家族と朝食を食べた後、少女―海斗は、身支度を済ませてから学校へと向かった。
(寒い・・)
雪が降っていないとはいえ、朝晩は骨が凍えるように寒い。
膝上のスカートが強風で捲れぬよう、海斗がそれを必死に押さえながら歩いていると、そこへ一台の車が停まった。
「カイト、おはよう。」
「ジェフリー・・」
車の窓から顔を出したのは、金髪碧眼の美男子で、海斗の想い人であるジェフリー=ロックフォードだった。
「乗っていくか?」
「はい・・」
ジェフリーと車内で二人きりになり、海斗の胸は高鳴った。
「どうした、顔が赤いぞ?熱でもあるのか?」
「いいえ・・」
「もしかして、俺の事を考えていたのか?」
「あっ・・」
ショーツから敏感な部分をジェフリーに愛撫され、海斗は思わず喘いだ。
「図星だな。」
ジェフリーは口端を上げ、そう言って笑った後、手の動きを激しくした。
「あぁっ!」
「ここじゃ、目立つな。」
ジェフリーは爆発しそうになる股間を見た後、車で人気のない場所へと移動した。
そこは、地元では心霊スポットとしても、“ある聖地”としても有名なトンネルだった。
「なぁ、本当に出るのか?」
「あぁ、トンネルの奥からカーセックス中に殺された女の霊が・・」
「なぁ、今何か聞こえなかったか?」
「え、あぁ・・うわぁぁ~!」
オカルトマニアYoutuberの学生二人は、トンネルの奥で、懐中電灯の仄かな光に照らされた女の白い足を見た途端、彼らは脱兎の如くその場から逃げ出した。
自分の両肩に己の両足を預け、快楽の虜となった海斗を、ジェフリーは荒い呼吸を繰り返しながら見下ろしていた。
「はぁ、あぁ・・」
「少し、無理をさせたな。」
「平気・・」
ヒクヒクと小刻みに痙攣している恋人の濡れた陰部にティッシュを宛がいながら、ジェフリーは海斗の左腕に赤黒い痣が出来ている事に気づいた。
「これは、誰にやられた?」
「ぶつかっただけだよ。」
「お前、嘘を吐くとすぐ目を逸らす癖があるな。正直に言え、誰にやられた?」
「隣のクラスの、佐倉。あいつ、俺に彼氏が居る事を知っているのに、しつこいんだ。」
「そうか。」
「もう、学校に戻らないと・・」
「そうだな。」
ジェフリーは海斗を学校まで送り届けた後、自宅アパートがある市街地へと向かった。
「ジェフリー、遅かったな。」
「ナイジェル、来てたのか?」
「あぁ。どうせ碌な物を食べていないだろうから、用事のついでに寄ってみた。」
「そうか。」
ナイジェル=グラハムは、この町で唯一のレストラン『グローリア号』のシェフ兼経理部長で、経営者であるジェフリーと同じ権限を持っている。
「全く、あんたは俺が少し目を離すとこんなに部屋を散らかして・・」
ジェフリーの部屋に入るなり、ナイジェルは小言を言いながら掃除機をかけ始めた。
「ジェフリー、俺を頼ってくれるのはいいが、毎日こんな風にあんたの部屋を掃除しに来るほど、俺も暇じゃないんだ。」
「お前にはいつも感謝している。」
「付き合っている女が居るなら、その女を・・」
「未成年の恋人を自分の部屋に連れ込む程、俺は女に飢えていないんでね。」
「ジェフリー・・」
ナイジェルは何かを言い掛けたが、溜息を吐いて床に落ちたゴミをゴミ袋に捨て始めた。
すると彼は、ある物を見て頬を赤く染めた。
それは、紙袋に入っていた使用済みのコンドームだった。
「あぁ、これは・・」
「ゴミは自分で捨てに行け。俺はこれから店に戻ってディナーの仕込みをする。」
「わかった。」
ジェフリーはナイジェルが帰った後、ゴミをゴミ袋に詰めてそれをマンションのごみ置き場に捨てて部屋に戻ると、ベッドに横になったまま泥のように眠った。
同じ頃、海斗は高校で数学の授業を受けていた。
「この前の小テストの答案、返すぞ。」
「東郷さん、また一位だって。」
「やるわね。」
「ねぇ、今度のお祭りの巫女に、東郷さんが選ばれるんじゃない?」
「そうだろうね。だってあの子の家、金持ちだもの。」
クラスメイトの話し声を聞きながら、海斗は黙々と帰り支度を済ませていた。
「ねぇ、今度の校外学習、東郷さんうちらの班に入れる?」
「嫌よ。だってあの子の母親、モンペだもん。」
(モンペ、ねぇ・・)
海斗は学校を出て自宅までの道を歩き出しながら、自分の母親が周囲からどう思われているかを知り、憂鬱になった。
海斗の母・友恵は、一人娘である海斗を病的なまでに溺愛していた。
 その理由は、海斗が男女両方の性を持っているからだ。
“普通”の身体ではないが故に、友恵は海斗に対して過保護になっていった。
友恵の過干渉に対して嫌気が差した海斗は、彼女に対して反発するかのように、髪を赤く染めた。
だがそんな娘の行動に、友恵は驚いて怒る事はしなかった。
「海斗は、大人しくてお淑やかに育たなくてもいいのよ。今の時代、自立心が強い方がいいのよ~」
まさに、暖簾に腕押し、糠に釘、といったものだった。
(早くこんな糞な町から出て、自由になりたい。)
町民全員が知り合いで、プライバシーも何もない田舎から脱出する為に、海斗は東京の大学進学を目指して毎日深夜まで猛勉強していた。
だが、根詰めてしまい、海斗は数日寝込んだ。
(ジェフリー、会いたいなぁ・・)
海斗は布団の中で寝返りを打ちながら、ジェフリーの事を想った。
熱が少し下がり、空腹を覚えた海斗が自室から出て階下へと降りると、女中達の声が厨房から聞こえて来た。
「それにしても、今年の祭りはどうなるのかしらねぇ?」
「さぁねぇ。昨年巫女に選ばれた子は、あんな風になっちゃったし・・」
毎年、この町では山にある神社の祠に封じられた鬼を鎮める為の祭りが行われていた。
それは、巫女役に選ばれた少女がその祠の中で一夜を過ごすという“儀式”だった。
その“儀式”の最中、一人の少女が消えた。
祠の前には、彼女が生前愛用していた簪が落ちていた。
「まだ見つかっていないんでしょ、物騒よね。」
「そうよねぇ。」
(祭り、かぁ・・)
海斗が早くこの町を出たいと思っているのは、この町に古く伝わる、ある掟の所為だった。
その掟とは、“十八になる前に嫁入りしなかった娘は、鬼に喰われる”から、祭りの日までに伴侶を決める、というものだった。
結婚なんて馬鹿げている。
平均寿命が短かった時代ならともかく、医療が発達した現代で、こんな古臭い掟が生きているなんてナンセンス過ぎる。
女中達の声が厨房から遠ざかる気配がして、海斗は厨房に入ると、冷蔵庫から清涼飲料水のペットボトルを一本取り出し、自室へと戻った。
「海斗は?」
「まだ寝込んでおられます。」
「そう。祭りの日まで、熱が下がればいいけど。」
「友恵、あの子の事は放っておけ。あの子は・・」
「珍しいわね、あなたがあの子に関心を持つなんて。」
「気になっただけだ。」
「そう。」
「ねぇ母さん、今日学校で・・」
「洋明、後にしなさい。」
「わかったよ。」

海斗の弟・洋明は、そう言うと鞄を掴んで居間から出て行った。

(母さんは、僕の事なんか見ていないんだ!)

「東郷さん、今度の県知事選に出馬されるんですって。」
「まぁ、凄いわねぇ。」
「やっぱり、今年の祭りの巫女は、海斗さんで決まりね。」
近所の主婦達の話し声をバス停の中で聞きながら、海斗は溜息を吐いた。
バイトが終わり、バイト先のショッピングモール近くのバス停で海斗はバスを待っていたが、定刻になってもバスは中々来なかった。
(ちょっと賑わっているって言っても、田舎だもんな。あ~あ、早くこの町から出たいなぁ。)
海斗がそんな事を思っていると、バイクのエンジン音が遠くから聞こえて来た。
「海斗、迎えに来たよ。」
「和哉・・」
バイクで海斗の前に現れたのは、親友の森崎和哉だった。
「どうしたの?何でここに・・」
「小母様から頼まれて来たんだよ。さぁ、行こう。」
「うん・・」
和哉から渡されたヘルメットを頭から被った海斗は、彼に家まで送って貰った。
「ありがとう、和哉。」
「じゃぁ、またね。」
自宅の前で和哉と別れた海斗が中に入ろうとした時、居間から両親の話し声が聞こえた。
「まぁ、東京に!?」
「あぁ。この町を良くする為には、やはり国会議員になった方が県知事になるより良いと思ってな。」
「それは良い事だわ。でも、子供達の学校はどうするの?」
「向こうの学校へ転校させる。」
海斗はそこまで両親の話を聞くと、自室がある二階へと向かった。
(東京かぁ・・)
この町から一日でも早く出て行きたいと思っている海斗にとって、洋介の東京行きは朗報以外の何物でもなかった。
ただ、ひとつ気がかりなのが、ジェフリーとの事だった。
このまま東京に行ってしまえば、ジェフリーと遠距離恋愛になる。
(一度、ジェフリーと話さないと・・)
海斗がそんな事を思っていると、スマートフォンが着信を告げた。
(誰だろ、こんな時間に?)
「はい・・」
『海斗、僕だよ。』
「和哉、どうしたの?」
『明日、学校が終わったら話せないかな?』
「いいよ。」
海斗は、和哉の様子が少しおかしい事に気づいた。
「あ~、疲れた。」
「他に言う事がないのか、あんたは?」
閉店後の『グローリア号』の事務室で売上金を金庫に入れたナイジェルがそう言ってソファに横になっているジェフリーを睨みつけると、ジェフリーは欠伸をして尻をボリボリと掻いた。
「それにしても、この町には娯楽が何もないな。」
「あぁ。車が無いと何処にも行けない。」
「店は繁盛しているが、客は殆んど県外の人間だしな。」
店の経営はいつも黒字だが、それがいつまで続くのかはわからない。
「どうしようかねぇ・・このままここで店を続けるか、それとも東京で勝負をするか・・お前はどう思う、ナイジェル?」
「あんたがそう俺に尋ねる時は、もう答えが決まっているんだろう?」
「あぁ。」
翌朝、海斗が家から出て学校へと向かっていると、そこへジェフリーがやって来た。
「ジェフリー、どうしたの?」
「お前に、話がある。実は、東京に行く事になった。」
「え、本当!?」
海斗は、ジェフリーから東京行きの話を聞いて、思わず顔を輝かせた。
「実は・・父親が、東京に引っ越すって話していたんだ。この町を出ようと思っていたから、バイト代を貯めていたんだけど、無駄になっちゃった。」
「いや、その金は自分の為に使え。東京には、いつ行くんだ?」
「わからない。だが、色々と忙しくなるから、暫く会えなくなる。」
「そう・・寂しくなる。」
「また、連絡する。」
「うん、待ってる。」
ジェフリーと車の中でキスを交わし、海斗は彼の車が見えなくなるまで手を振った。
「おはよう、海斗。」
「おはよう、和哉。」
「今日は模試の結果出るよね?」
「うん。まぁ、徹夜したから手応えないなぁ・・」
「大丈夫だよ。」
朝のHRの後、クラス全員に模試の結果が一人ずつ渡された。
(良かったぁ、第一志望のT大学、A判定だ。)
「海斗、T大受けるんだ?何処の学部目指しているの?」
「経済学部、和哉は?」
「S大の経済学部。」
海斗と和哉がそんな事を話している姿を、遠くから数人の女子生徒達が恨めしそうな目で見ていた。
(あれ、ノートがない。)
海斗は、机の中に入れてあった数学のノートがなくなっている事に気づいた。
ノートは、ゴミ箱の中から出て来た。
(幼稚な嫌がらせをするよなぁ・・)
ノートについた汚れを拭うと、海斗はリュックを持って教室から出た。
「ごめんね和哉、待った?」
「ううん、今来た所。」
放課後、和哉と音楽室に入った海斗は、ピアノの前に置かれている椅子に座ると、何かを考えこんでいる和哉の方を見た。
「話したい事って、何?」
「君のお父さんが、近々東京へ行く事は知っているけれど、僕は高校を卒業したら、英国の大学へ行こうと思うんだ。」
「そう。てっきりS大に行くのかと思った。」
「本当はアメリカの大学が行こうかと思ったけれど、英国なら子供の頃からこの町に住むまで、過ごしていた事があるから、どちらかに行くのなら英国の方かなって・・」
「頑張ってね。」
「うん。」
和哉と学校の前で別れた海斗が帰宅すると、玄関先には男物の靴が数足分、並んでいた。
「東郷さん、東京行きは本気か!?」
「あんたが居なくなったら、この町はどうなる!?」
海斗が居間に入ると、海斗の父・洋介と、この町の自治会の老人達が睨み合っていた。
「他力本願な考え方で、今まで生きていらっしゃったのですか?」
「何だと!?」
 老人の一人がそう叫んで洋介を睨みつけると、彼はわざとらしい溜息を吐いた。
「あなた達先程、“この町はあんたのお陰で活性化する”とか、“東京に行ってわしらを捨てる気なのか!?”とおっしゃってましたよね?大体、他人任せでこの町を救えるなんて、どんなにおめでたい考えをしていらっしゃるのやら。」
「やっぱり、あんたも余所者なんだな!」
「余所者で結構。祭りは勝手になさって下さい。」
 洋介はそう啖呵を切って老人達を追いだした後、海斗の方へと向き直った。
「海斗、先程T大の教授から電話があってな。お前さえ良ければ推薦枠で入学させたいとおっしゃっている。」
「本当!?」
「あぁ。受験までまだ時間があるから、頑張りなさい。」
「はい。」
その日の夕方、塾へと向かう海斗の姿を、誰かが物陰から見ていた。
(あ~あ、行っちゃった・・)
塾が終わり、海斗はバスの最終便を逃がした後、迎えに来てくれるよう友恵に頼んだ。
だが、いくら待っても友恵は迎えに来なかった。
(もしかして、忘れているのかなぁ・・)
海斗がそんな事を思っていると、和哉が彼女の前に現れた。
彼は海斗の顔を見るなり、安堵の表情を浮かべた。
「海斗、無事だったんだね!」
「どうしたの、和哉?そんなに慌てて・・」
「実は・・」
和哉は海斗を後ろに乗せ、バイクで国道を走りながら、ここに来るまでの事を話した。
それは、海斗を迎えに行く一時間前、和哉がバイト先のラーメン屋で仕事を終えてバイクを停めてある駐輪場へと向かうと、風に乗って何処かに居る男達の声が聞こえて来た。
―本当にいいのか?
―あぁ。
―東郷の娘・・
話の内容を聞く限り、彼らが海斗を狙っている事を知った和哉は、慌てて海斗の元へとやって来たのだった。
「そう・・そんな事が・・」
「海斗、君さえ良ければ暫く僕が塾の送迎をするよ。小母様にも、僕の方から話しておくから。」
「ありがとう、和哉。」
帰宅した海斗は、友恵に暫く塾の送迎を和哉にして貰うと話すと、彼女は快く承諾した。
「知らない子だったら嫌だけれど、和哉君なら安心ね。」
洋介が町の老人達に啖呵を切って数日が経ち、海斗は誰かに私物を捨てられたりした。
「余所者。」
擦れ違う度に、わざと誰かにぶつけられ、陰口を叩かれた。
(本当、幼稚過ぎる。)
海斗がそんな事を思いながら教室で帰り支度をしていると、そこへ数人の女子生徒達が入って来た。
「ちょっと、話があるんだけど。」
「あんたいつまでこの町に居るの?」
「早く出て行けよ、余所者!」
海斗は女子生徒達を見た後、溜息を吐いた。
「なによ、うちらの事馬鹿にしてんの!?」
「うん、そうだよ。さっきから俺の事余所者余所者って、こんな町に生まれただけで偉い訳?そんな事でしかマウント取れないなんて、滑稽を通り越して哀れだね。」
背後で何かを喚く女子生徒達を無視して、海斗は学校から出て帰宅すると、一階の浴室の方から何か音がした。
そっと海斗が脱衣所の扉を少し開けて中の様子を覗くと、そこには泥だらけの制服を洗っている洋明の姿があった。
「洋明、どうしたの、それ?」
「田んぼに落とされた。」
「手伝おうか?」
「いい、一人でやるから。」
町の住民達による東郷家の陰湿な嫌がらせは、日に日に激化していった。
そしてそれは、東郷家が東京へ引っ越す日まで続いた。
「忘れ物ないか?」
「うん。」
海斗が東京へと引っ越した後、町を大きな水害が襲った。
神社に祀られていた“鬼封じの岩”が割れ、住民達は、皆口を揃えて、“鬼の祟り”だと言って怯えていた。
季節が巡り、海斗は第一志望のT大学に合格し、楽しい大学生活を送っていた。
「東郷さん、紹介するよ。S町から来た、椎名翠さん。」
その日、海斗は合コンで一人の青年と出会った。
その青年―翠は、海斗を暫く見つめた後、徐に椅子から立ち上がると、彼女の前に片膝をついた。
(え、何?)
「見つけたぞ、わたしの花嫁!」
「何すんだ、この変態!」
海斗は翠の頬を平手打ちすると、そのままレストランを後にした。
暫く彼女が街を歩いていると、一軒のパブが見えて来た。

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