七転び八起き

　眞子さま、お健やかにお過ごしでしょうか。まもなく降嫁と日本脱出のお慶びから４カ月経ち、コウノトリが幸を運んできてくれてもおかしくない頃となりました。吸血鬼のように卑しいメディアはその後の獲物として、21世紀の妖精ワリエワに食指を動かし、襲い掛かるようにして食欲を満たしました。五輪も閉幕しそろそろ危ないなと心配していたら、ウクライナ危機が喫緊となり、糞メディアの飢えを凌いでいるため、もう少し静穏が続くのではないかと期待しています。わが孫は高校受験に合格し、ほっとしているところですが、世の中に試験は一つではなく、目の前の物がうまくいけばラッキーだし、うまくいかなくても大したことはありません。読売新聞のＵＳＯ放送で、スピードスケートの高木菜那がマススタートで転倒した悲劇に対し、『菜那転び八起き』と励ます傑作があり、大笑いしました。一度くらいの失敗に挫けては大成しません。ただ、そのあとのパシュート決勝でも転倒して銀メダルに終わり、ＵＳＯ放送の予言力の凄さに今度は笑えませんでした。でも、まだあと５回滑るチャンスがあるのですから、大器晩成も生き方の一つ思って、おおらかに行きましょう。
　ケインズが説いた「平和の経済的帰結」は、国力の優劣ー戦争ー賠償－優劣の拡大ー戦争という負の連鎖を食い止められなくては、人類の営々とした努力が報いられる当然の結果としての繁栄と共存が得られないという警告であった。強欲資本主義による世界の歪みと法に名を借りた圧政が人間の傲慢と不満との軋轢を蓄積し、今また戦争が勃発し始めている。人気投票で生まれた表の政府は諸矛盾の解決策を見いだせず難局に苦悶する一方、商品や情報の偏在と価格変動による利益を享受する影の政府はほくそ笑み、むしろ紛争の拡大を望んでいる。影の首根っこを捕まえ制御しない限り、政治的にも経済的にも平和の恩恵、帰結は得られないだろう。人気投票政治家と軍隊を動かし、さらに情報と金融システムを操る強欲資本家を白日の下に晒し、システムの歪みを是正することから始めなくてはならない。しかし、たとえ猫に鈴をつけても、豊かな時代のネズミは毒饅頭に味をしめ、釣り餌と情報攪乱に惑わされ、逆に白い鼠と黒い鼠とで争いかねない。平和への帰結にたどり着くのは、気の遠くなるような長い道のりである。