夜警の朧月に寒風が吹き荒び、体は元より心も震えていると、バサッと鈍い音がした。腰が引けながら目を凝らすと、かなり離れた所に白っぽく灰色の物が地面に認められた。怯えながらも確認に近づいた。一見、誰かが紙袋を捨てた様だったけれど、じっと見て焦点が合ってくると、鳩より大きく鶏より小さい鳥だった。強風に羽が微動していたものの、体は動かず、死骸だった。手厚く葬ってあげたくても方法が無く、暗いうちは不測の事が起きる不安があり、夜明けを待つことにした。辺りが白むと、鴉が鳴き出した。よもやと思って遺骸の方を確認すると、やはり陸の清掃屋が2羽、跨っていた。上の電線まで追払うと、鴨が首筋を食いちぎられていた。気の毒に何処の国から渡ってきたのやら、仲間と逸れて、我が目の前で斃死しなくてもいいのに。経験上、カラスを敵に回すと、しつこく付き纏われ危険なので、余計な仏心を出さずに、自然の摂理に任せることにした。カラスが仲間を呼んで煩くなってきた。
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渡り来し
郷のともがら
今いづこ
もう我飛べぬ
父母に宜しく
身より出づ
錆とは云へど
寒空の
歩哨の我に
救ひたまはれ
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