愛猫ミャー太ちゃんの5周忌。18年一緒に過ごして、死ぬまで一緒だと勘違いしていたけれど、不意に先立たれ、戦意喪失した。日々、何に暮らし、何に語り掛ければよいのか。何も面白みがなくなった。敗戦処理投手か、形勢が逆転する見込みがないのに形を整えるために指す将棋みたいで、全く張り合いがなく味気ない。
2000年正月明けに沖縄県の動物愛護センターで授かった。初対面から膝に頭を擦り付けてくる相性ピッタリの男の子だった。2、3日後には殺処分する予定だったと言っていた。1年ほど経った時に、野良の本性から外で遊ばせろと煩さかったため、車で5キロほど先の河原に散歩に連れて行ったら、リードごと脱走された。来る日も来る日も辺りを探し回ったけれど、返事がなく、諦めた。すると、3カ月ほどした後、境界のブロック塀を伝って戻ってきた。ガリガリに痩せこけてでなく、失踪時より丸々太っていた。以前から、蛇どころか、雀や蝙蝠など飛ぶ獲物も持ち帰っていたので、狩りの名人ではあった。広い県道を越し、電車の線路も跨いで、よく家を探し当てたものと奇跡を感じた。より絆が深まった。もう一心同体だろうと思った。
2018年春に年来の目標であった米国旅行に出掛けた。レンタカーで3カ月弱回った最終盤に、ラスベガスのカジノで遊んでいる時に、訃報が届いた。精神が錯乱し、その後の運転が荒れ、危なかった。それ以前にも、迫力の違う荒天や深夜、或いは何十車線もの交差点や道不案内などのドライブで、死にそうな目に何度も遭った。事故死していて当たり前なのに生き延びたのは、身代わりになってくれたのではないかと、帰国後だいぶ経ってから考えるようになった。それでも、取り残されたことに心の整理がつかないし、虚脱状態から抜けられない。
君と我
あの世までもと
誓ひしに
先立たれけり
絆手繰らむ
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