ロス

　卓球ロスが襲ってきた。本場中国でのグランドファイナル決戦が終了し、テレビ・動画で何も見るものが無くなった。サッカー、駅伝は大して興味がない。大相撲初場所が待ち遠しい。Ｔリーグが年末にパラパラあるけれど、国際大会を年間フルに戦った主力選手は骨休みするだろうなあ。女子ダブルスのグランド・チャンピオンの木原美悠、長崎美柚の両選手が若いエネルギーを発揮して登場してくれるなら、飛んで行ってもよいけれど、予告先発が発表されないからリスクが大き過ぎて躊躇してしまう。
　ユーロ円が７月以来の１２２円台乗せかあ。英国のＥＵ離脱総選挙で推進派保守党が圧勝しても、逆に方向性がすっきりしたのが評価されたのかな。日銀短観で大企業製造業の業況判断が四半期連続で悪化し、７－９月期の法人企業統計で設備投資が前期比マイナスを記録するなど、先行きの景気見通しが暗いし、これに消費増税の重石が本格的に加わったら、この先どうなるのやら。米中貿易摩擦の米国とＥＵの混迷より、経済停滞からの突破口が見えない日本がフォーカスされれば、とうとう日本円が決壊するターニングポイントになるかもしれない。

　今年の日本は台風大雨時の野放図なダム放流などにより、千曲川など各地の河川の堤防が決壊し、大洪水被害をもたらした。平成から令和への移行より、自然災害の惨状が今年の象徴的な印象であり、私が今年の漢字を選ぶなら、まず「壊」が思い浮かんだ。「桜を見る会」の招待名簿など簡単な説明も首相官邸はできず、政治のいい加減さに花でなく信頼感が散り、桜でなく馬鹿を見たせいもある。

　お陰で私の腎臓も決壊しそうである。昨晩、晩酌の冷酒を一口飲んだら、むっとして身体が拒絶反応を起こした。最近は夜中に目が覚め、腎臓が重苦しくて辛い。警告かなと自戒していたけれど、既に閾を超えていたかもしれない。だから当面は、ドル円で１２０円、ユーロ円で１３０円を目指す動きに対応して、資金移動していこうと思う。
　こんな状況なので、忘年会スルーが当世の流行りだそうな。国会は桜論議だけだし、行政は大学入試改革が頓挫し受験生を混乱させているし、国営かんぽ・郵便は老人を食い物にして業務停止だし、学校では教師が生徒に淫行を働くニュースばかり聞かされるし、民間企業も何らブレークスルーがなく小手先のインチキばかりが目立つし、一年納めの忘年会などルーティンをまじめにやっていく気がしないのも当然である。欺罔と便佞と忖度ばかりが幅を利かせる世の中には、嫌気が差す。

　むかし、高校で論語、孟子を懸命に学び、仁と義を実践するため大学に進学したら、周りは東えびすに熊襲、蝦夷みたいな行動様式の連中ばかりだったことに、手ひどいカルチャーショックを受けたことを思い出す。生き馬の目を抜かないと、この世界では生きていけないと、人格改造を図ろうとしたけれど、付いていけなくて挫折したままである。朋はどんな遠方からも来たらず、負け犬の遠吠えばかりが耳を満たす。やんぬるかな、已矣乎。

 

この年は
散ると壊れで
過ぎにけり
リスクはヘッジ
せねばなるまい