一定ならざるは世の習い。台風9号に続いて10号が南海に控えているという。そのもたらす風か、蒸し暑くて敵わない。夜中に目が覚めると、室温29度少しに湿度が78%もあった。足して100を超え、不快指数が7を上回っていた。窓を開けると、西の空に月が輝き、北東の空は青かった。エアコンを切って、半分窓を開けて寝直した。寝付けないまま、屋根を破るばかりに叩く豪雨が来た。では、あれは illuminating moon でなく、 imitating moon だったのか。用心のため、パジャマの上下をそれぞれ2か所の窓辺に置いていたので、吹き込みが助かった。窓を閉めて、暫くしたら音が止んだので、外を見たら、隣の屋根越しに星が煌めいていた。天の心は人の心以上に気紛れであり、頭に来た。
昨日、録り貯めていた『半沢直樹』を6まで見た。幹事長(柄本明)の化け具合のド迫力が本物を上回っているように感じた。あんな目で睨まれたら、公文書破棄だろうがお仲間優遇だろうが公金流用だろうが、何でも許してしまいそうになる。文句を言えなくなるほど怖いもん。前半の東京中央銀行幹部間の醜い権力争いも、ええ加減にしろと言いたいくらい歌舞伎調に芝居掛かっていて面白かった。伊佐山=市川猿之助、大和田=香川照之、三笠=古田新太の3人は存分に楽しんで演じているようで、役者冥利に尽きると羨ましくなった。今まさに自民党総裁選の渦中にあり、この3者のイメージがオーバーラップしないよう、自民党からTBSに圧力が掛かったのが、6日(火)に予定していた第8話の放送延期の真相ではないかと想像する。万一、立候補者間で政治討論をするなら、日米、日中の外交をどうするとか、コロナ対策とか、産業復興策などの上面を語り合うのでなく、『半沢直樹』のように、前首相の利権は俺が全部継承するとか、党に楯突く者は追放するか一生冷や飯を食わしてやるとか、本音で勝負してほしいものである。
Go To トラベルのお知らせがよく舞い込んでくるので、1回くらいは使わない手はないと検討してみると、総額の3割余りの援助があるのでお得感はあるけれど、よく使うツアーより倍近く元が高くなっているので、本当に得なのか疑問になる。3密を避けるため少人数にしたり、食事や催事の質が高いのかもしれず、参加後でないと比較できないので、不満があるなら申し込まなければいいだけの話ではある。要はその気にさせて、業者のダメージを救済するのが事業の目的なのだから、微細を問うのは野暮なのだろう。ただ、飲食店で次回利用すると2割引きといったサービス券は注文前の呈示が条件なので、そいつには2割ほど手を抜いた物が出てくるのではないかという疑いから、使った験しがない者には、すんなり Go To するのが躊躇われる。そうこうするうちに、大阪・新世界の老舗フグ料理店「づぼらや」の看板提灯が撤去されたなどと聞くと、文化を支えるのは個人の責任という気もする。
NY株式を見ると、ダウは2万9000ドル台を回復し、S&P500とナスダックが最高値を更新するなど、コロナを凌駕して行っちゃえ、という気にさせる。石橋を叩いて渡らず時代に取り残されるか、見切り発車して一番乗りの僥倖を得るか、あるいは討ち死にするか、人はいつも試されている。
行くもよし
行かねば逢へぬ
道の花
思ひ兼ぬるは
心の重し
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