大相撲春場所が終わって火が消えたようや。何んとも楽しみのない世界になってしもた。5月場所まで首を長くして待って、関取に感染者が出たらどうなるんやろか。5月の卓球中国オープンも開催が無くなったし、退屈やなあ。東京五輪は一応は中止はなく、延期の時期を探っているそうやけど、アメリカで7-8月が新型コロナウイルスのピークと言っているようでは、秋の遅い時期でも、選手の体調、モラル維持の点で難しそうやな。秋遅くなら、大会の花であるマラソンも東京に戻って、札幌が気の毒やし。1年、2年遅れになると、代表選手の選考は見直さざるを得ない。そうなると、卓球の選考終盤に俄然調子が上向いてきた早田ひなや佐藤瞳に、また、伸び盛りの若手の木原美悠にも希望が湧いてきそうや。若手ばかりでなく、レスリングの伊調馨もまだ諦めたらあかんわ。
延期になると、いろんな場面で、単なる芝居でない本物の面白い悲喜劇が見られそうや。スポーツ選手ばかりに限らない。今年、桜を見る会を中止する代わりに、東京五輪を楽しみにしていた安倍首相招待の山口県後援会の皆さんを始め、貴顕の優待招待客がさぞ、がっかりなさっているのではないか。元自民党副総裁川島正次郎の名言、政界一寸先は闇、を地で行くようなものや。
それにしても憂鬱や。コロナ禍緊急経済対策と称してまた30兆円もの補正予算が政財官で食い散らかされるのか。国民の知的レベルが酷いから、直接給付とかの目晦ましに幻惑されて、ご領主様、有り難うごぜーますだ、と地に頭を擦り付けて喜ぶんやろな。大災害や失政による経済不況の度に、こうした連中は焼け太り、肝心の経済波及経路には資金の大半は回らず、中国と対比して国力と実質GDPは縮小していく一方や。米軍基地の75%が集中する沖縄の振興対策からしてそうである。橋本・クリントンの普天間返還合意から毎年1000億円から順次増額して3000億円投入するようになって20年以上経つけれど、ボスが吸い取るだけで、鉄道1本と辺野古の海に土を放り投げただけのなんちゃって移転先以外に、何の進展もない。東日本大震災にしても熊本、広島などの被災地にしても復興の様は大同小異である。そんな実情でも、貧困化するにつれ国民の皆さまが、ご領主様に媚び諂う度合いが深まるばかりの上、取り巻きのメディアが幇間揃いだから、選挙という制度が無用となる。
先週末に週刊文春を探し回ったけれど皆目見当たらなかった。注目の手記だけれど、どうしても手に入れたいというほどの執着はない。ネットで概略が分かれば充分である。鉄は熱いうちに打てという。固まってから木槌で叩いても、逆に木槌の方が割れそうになる。比叡山の焼き討ちは残虐非道だったと、織田信長を断罪しようと思っても、本能寺で焼けて灰と消えた奴をどうしようもないし、もっと時間が経った現代では、英雄人気ランキングNO1で、比叡山の事なんか誰も気にしていない。一期一会。個人の遺志に背いた。
こんな世事をよそに、季節は着実に歩を進め、文句も言わずに桜は艶やかさを増している。
あはれみたみ
まつろふよりは
術もなし
花の蔭来て
憩ふ者なし