山梨県議会2月定例会の質問戦も3月1日が最終日。2月27日に提出されたはずの3月1日質問項目は議会ページでは2月28日夜でも未掲載なので、行政・議会に問いかけても無意味かもしれないのですが、3.11三回忌が間近であるので記事にしておきます。
以下は、ふくしま集団疎開裁判のページに掲載された「北海道深川市立病院内科の松崎道幸医師作成の意見書」(2月20日に裁判所に提出)結論部分の引用です。
ソースは 130118松崎意見書_5_(完成版)130219Matsuzaki5.pdf-今、福島のこども達に発生している甲状腺がんについて-(229 KB)ですが、私の環境ではブラウザに表示すると崩れが出るのでダウンロードして読みました。
結論
1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。
山下俊一氏(及び調査チームの方々)が、チェルノブイリで行なった調査結果を論文に残しているので、原子力ムラの人々もこの調査と論文に書かれた見解について知っていたと思える。松崎医師が引用している部分から、さらに引用して・・・
『放射線感受性の高い小児は、初期の急性被ばくならびにその後の持続的低線量被ばくにより、直接的あるいは間接的に甲状腺が傷害される可能性がある。本研究は今後の調査解析に寄与する重要な基礎データとなるだろう。』
原子力ムラは考えたのかも知れない・・・福島の状況では山下氏は我々の敵になる、彼を我々の側に引き入れるべきだ・・・と。山下氏は福島で何を志したのだろうか、5年後にはチェルノブイリ調査の続編を行なえると想定したのだろうか・・・これは単なる揣摩臆測の戯れ言だけど、いずれ歴史が明らかにするだろう。731部隊を思い出して憂鬱だ。子供たちの敵は原子力ムラだけでは無いのかもしれない。
私は、2011.04.07 学童疎開は考えられないのだろうか という記事を書きました。その時は宮城県の仲間のことを考えながら、津波震災のことが念頭にあったのです。しかし、この記事にトラックバックが届いた記事、2011年04月02日 勇気を持った決断が必要だ。 Tokyoianblogは福島原発から半径100km圏の乳幼児の避難・一時疎開を推奨します。 を拝読して福島県の子供たちの問題にも気付きました。
この3.11直後に山梨県、甲府市では新山梨環状道路北部区間の計画説明会などが行なわれ、その時に出された意見では多額の予算は震災復興にこそ向けるべきというものが多数ありました。
そんなことを踏まえながら、2011.03.29 甲府市も山梨県も新年度予算を見直すべきだろう も書きました。
この時期には「無計画停電」というヤラセも行なわれて世の中は騒然としていたのですが、その75日も過ぎて700日を経た現在、「アベヤベェ」政権の下で日本国を100年前に戻す政策が粛々と進み、山梨県も歩調を合わせているかのように思えます。
正直なもんで、マスコミも「ふくしま集団疎開裁判」など記事にもしないようです。
「報じられないことは無かったに同じ」ですから、マスコミ情報(特に地元紙・テレビ)だけをご覧になる方々におかれましては福島や首都圏の子供たち、そしておそらく、山梨県の子供たちにも襲いかかるかも知れない未来の悲劇については、ご存じないかも知れません。
そういう場合こそ、先憂後楽である行政・議会人が山梨、日本国百年の計を考えていただきたいと思います。
福島県の子供たちを学童疎開させる方策、それは既に山梨県の歴史の中にあるのです。教育分野に強い自由民主党の山梨選出議員さんもよくご存じの歴史だと思いますので、福島の子ども達の為に山梨県は何が出来るか、地域の議員さんたちともご相談されていただけるものと期待します。
文部科学省のもとにある文化庁の予算で行なわれている「国民文化祭やまなし」、それに福島の子供たちを数千人規模で招待して、そのまま山梨に居続けさせる戦略、予算は文部科学省からいただく・・・風林火山、孫子の兵法を活かしたい。先楽後楽な行政・議会はそろそろ幕引きにしたいものです。