全員無罪という結果ももちろんですが、その判決の内容も驚くほどひどいものです。
裁判官らは公判で証言された被害の実相についてはほとんど触れず、
専門家が国の機関として公表した知見を「信頼性はない」と切り捨て、
当時の社会通念は 「何よりも安全性確保を最優先し、事故発生の可能性がゼロないし限りなくゼロに近く」することを 「前提としてはいなかった」 と判じたのです。
検察官役の指定弁護士は、「判決をこのまま確定させることは、著しく正義に反します」 と述べ、控訴を決めました。
判決内容のあまりにひどい内容に、これを許してはならないと海渡雄一弁護士がハイスピードで脚本を書き、この映画が制作されました。
監督・河合弘之弁護士、企画・監修 海渡雄一弁護士、福島原発刑事訴訟支援団
映画で使用している証拠映像などについては東電株主代表訴訟の協力を頂きました。
今回の動画公開を案内してくださったメールによれば、未だに判決要旨のみの公開で判決全文が公開されない状況とのことです。まあ地方議会議事録も公開2か月待ちですから、東京地裁の判決全文も11月末には出て来るとは思います。
2019年9月30日に高裁に上告されましたが、三権分立が統合に戻った状況下では既に無罪で終結と決まっている気がします。
情報を補足しておきます。
2019-07-12 映画 「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」、この記事は、福島原発告訴団が制作された動画をご紹介したものです。
上に書いた 「検察官役の指定弁護士」 という意味が分からなかった方もおられるかも知れませんが、今回の刑事裁判は検察庁が2度不起訴としたのを検察審査会による起訴妥当の決定で行なわれた裁判だからです。
最高裁での決定が如何にあろうとも、この福島原発人災の問題は歴史の中に明確に記録されたと私は考えています。