遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

13万もの魂

2015-08-06 22:48:02 | たわごと
原爆忌です。
ソ連、被爆後の広島調査=ロシアが報告書公開
ブログ:原爆投下70年、広島・長崎の「当時と今」 (REUTERS)
戦争を知らない世代としては、熱と光の中で失われた命に対してどうか安らかであれと祈る日でいいと思う。年に一度のお涙ちょうだいの日にしたらあかんし、政治アピールが混ざるともっとあかん。静かにご冥福を祈る日ではないだろうか。

現実に前世紀とはものの見方が徐々に変わってきてます。
原爆投下に対するアメリカ人の見方に変化が
原爆投下、正当化に疑問=英BBCの広島70年報道
アメリカの政治力が落ちてきてるというか、オバマさんがプラハでの演説(2009年の核軍縮演説)でノーベル平和賞をもらったりとか、まあ、いろいろあります。いちばんいえるのは『時』が我々を冷静にしてくれているということでしょう。

なぜ「広島」を忘れてはならないのか 岸田外相が寄稿 (CNN)
岸田外相によるステートメントです。英語で米国のマスコミにだされたようです。需要な一節はこれでしょう→『核兵器の廃絶を目指すなら、何よりもまずそれらの武器に依存する状況に歯止めをかけなくてはならない。つまり核兵器の削減には、安全保障戦略と軍事ドクトリンにおけるそれらの役割と重要性を低減する取り組みが伴う必要があるということだ。』
感情に訴えるではなく、理と利に訴えることで核兵器の削減へ向かわせるのが政治というもんです。80すぎた被爆体験者がどう訴えても、国民を犠牲にし国力を削ってでも原爆の開発をやろうとするアジアの国の人間にとっては、うらやむほどのご長寿だ。損だからやめろという方が効果的だと思う。
日本自身はウラニウムやプルトニウムを原爆用に濃縮なんてようせんし、仮にできたとしても核実験する土地なんてないし、使う仮想敵は風上に位置している。作れないし持てないし使えないのだよ。

NHKのニュースで『核のない平和』という言葉を聞いて、ゲンナリしました。相変わらずの昭和のフレーズです。視聴者が年寄りばかりだからそうなります。第二次大戦後、戦争をやったのは核兵器を持たない国の方が多い。核武装した国どうしで国家対国家の戦争をやってない。できないってば。
21世紀の問題は、対国家でない敵との戦いをどう収めるかです。そして、いちばん国土拡張野心をもってる中国という新興国は火力以外のツールを使ってきている。それをどう収めるか・・・。必要なのは『知恵』であって、思考停止のデモやシュプレヒコールではありません。

広島で失われた13万もの魂が安らかならんことを。

本日のお酒:KIRIN 一番搾り STOUT + 立山 特別本醸造
コメント
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