( 散歩道 … 塀の上の大黒様 )
昨年の秋ごろから、運動のために散歩するようになった。
初めは運動不足を解消しなければいけないという強迫観念からであったが、歩くことに慣れてくると、「この道をもう少し先へ歩いたらどんな景色があるだろう」とか、「今日は車で初詣に行くあの神社まで歩いて行ってみよう」とか、「今日はこっちの道へ行ってみよう」などと、チャレンジすることも楽しくなり、自ずから距離も伸び、新しい発見があり、いくつかのマイコースも出来て、今では1時間から1時間半くらいの楽しい散歩の時間になっている。
例えば、古くからの立派なお屋敷には、塀の上の瓦に福を呼ぶ像や災いを防ぐ恐ろしい顔の像があったりして、目を愉しませてくれる。
玄関脇にあるフクロウや蛙も面白く、遊び心がわいてきて、わが家も陶器の蛙を買ってきて庭に置いてみた。
釣るし柿を干しているお家もあって、ゆかしい。と思えば、2階の庇に猫!
ローカル線の踏切を渡る。
気をつけて歩いていると、あちこちにお地蔵さんがあって、その一つ一つがとても丁寧にまつられている。日本人って、神仏を大切にする民族なのだと改めて思う。
やがて小さな社に着く。全国に何千とある八幡社の一つ。でも、この旧村の小さなお社の小さな本殿は室町時代のもので、国の重要文化財指定だから、馬鹿にしてはいけない … ということも、立て看板を読んで発見した。
その小さな境内に、伊勢神宮遥拝所があった。
そこから、遥かに伊勢神宮の方を眺めると、何と、これから向かおうとする春日神社のこんもりした杜(モリ)が見えるではないか! 春日大社ではありません。春日大社から勧請されてできた隣の旧村の小さな春日神社のことです。わが八幡社 → 春日神社 → 伊勢神宮が一直線上に!! これはきっと意味がある?と、一瞬、古代のミステリーかと考えた。
が、わが住む大和は、国のまほろば。東に向けば、伊勢神宮、その先に富士山も、皇居もある。西を向けば、瀬戸内から北九州。日本列島が、そのように連なっているのだ。
大和川沿いを歩いて、その春日神社へ。
ここも小さな社だが、杜が静かで、手を合わせ、耳をすますと、いつも小鳥の声が聞こえてくる。
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それまで運動不足を補うために近くのプールに行って小1時間、水中ウォーキングしたり、軽く泳いだりしていたのだが、若いころにやっていた野球などのスポーツの楽しさと比べると、単調でアキがくる。
今は、プールは1週間に1回だけ。1時間のアクアビクス講習に参加し、思いっきり、手足を動かす。
そして、週2回の散歩。小型カメラを持って、あちこち写すのも楽しい。これからの春の季節はもっと楽しいだろう。