出掛ける10日前、ユーロレイルパスを購入しようとした時、もしかしたら隣国へ行けるかな??・・・と衝動的に思い立ってオーストリア&ハンガリーのパスを買った。 オーストリアから数時間で行ける別の国ということダケの理由。 でも、ブダべストの「ドナウの真珠」というニックネームは魅力的な響き!
20150725
窓を少しダケ開けても暑い。 大きく開けたいけれど、か弱き女の一人旅、度胸ナシ。 トランクを開けてチェック。 チーズが気になる。 脱脂チーズ・・・。 まぁ、仕方ない。 で、また閉じた…と思ったら閉らない。 何度やっても開いてしまう! エッ? ナンじゃ? どうして? 焦りまくる! 鍵が壊れた? 困った時はレセプションへ・・・も、度重なると気が引ける。 もう少し後で・・、 イヤ、今は暇を持て余しているハズ。 意を決して、パジャマを着替え、レセプションへ。 「僕はできないが、直せる人がくるからその時・・」 こうなると、ブダペスト行きは断念するか・・・。 が、シツコク、何度もチャレンジ。 ・・と、ロックできた! どうも、ロックの仕方が間違っていたようだ。 御粗末! ヤレヤレ・・。
6時過ぎ、いつものバッグだけを持ってレセプションに鍵を預けてウィーン西駅へ向かうべく出発。 受付氏には「鍵はOKだった!」と伝えた。 彼、このお騒がせおばさんに辟易しているだろう。
思ったよりも時間がナイ。 ココで西駅でなくマイドリング駅に向かおうと決心。 ランドシュトラッセ経由でU3に乗り換えるよりも、Sバーンで直・マイドリングへ行ったほうが確実! 昨日、ザルツブルグからの帰りにマイドリングを通って西駅着となったので、上記のように思いついた次第。 西駅だと6:48発。 マイドリングは7:03発だ。 もはや、私はウィーンの人ヨ!!
(ウィーン西駅が一番大きいかもしれないが、手前にウィーン・マイドリング駅(地下鉄だとフィラデルフィアブリュッケと言う名?)が、もう一つ手前に ウィーン中央駅(hauptbahnhof)がある。ランドシュトラッセ駅も「ウィーン・ミッテ」という名称もあるようで、慣れない者は戸惑う。 国鉄か市営で名前が異なるのかしら?? ワカラン。)
無事7:03到着の列車に乗り、車両の出入口付近の端っこの席に着いた。 暫くして回って来た車内販売でサンドイッチとコーヒー、ジュースを購入。 売っている若い男性に尋ねた。、「この席は指定か否か」。「ココでは分からないけど、ダレカ来たら移れば可」 そして、ネットから印刷した写真をみせて、「ブダペストのどの駅で降りるのがベスト?」を尋ねると、「ケレンティだよ。」と。 「どの駅舎もすばらしいわねぇ!」 「イエス。 が、キミの降りるのはこの駅だよ。」 感じの良い青年だった。 指定席については、以前乗ったイギリスの列車は、小さなカードが座席の背もたれの角に挟まれていたっけ・・・。 途中停車の駅もナイので私は落ち着いて朝食を。 ツナのサンドイッチ、あまり美味しくなかったけどイイさ。 窓の外はマッ平ら。 牧草地が続く。 人も民家も見当たらない。 一時間ほどして、ようやく人の手が加わった・・・・刈り取られた牧草地が、そして踏切が。 出勤途中の車かな?
列車内の表示や地図、時速を表す画面もある。 8時37分、とうにハンガリーだとは思っていたが、ココはスロバキアとの国境に近い? 8時41分、左手に川が・・ドナウ川? 渓谷に非ず。
そして、9時50分、ブダペストケレンティ駅着! 美しい駅! 素晴らしい!
ショッピングモール併設の駅ばかりの昨今、線路のオワリは駅の出口・・・という明瞭・簡単な駅。 停車場だ。 オマケにヨーロッパの駅には改札がナイ。 私も列車を降りて、前に進む。 右手にインフォメーションセンターがあって、飛び込んだ。 「私は3時ごろまでブダべストに滞在する予定。 数時間の滞在で観光するにはどうしたらよいか?」 「市内観光のバスがある。 乗り降り自由。」「ハウマッチ?」 「〇〇・・・・。」かなりの高額に聞こえたので「エッ?」 「△△ユーロだよ。」 ホッ! ハンガリーではユーロの他にナントカも使われているのだと思った。 が、帰国後、調べるとユーロではなく、ナントカを使っている由。不勉強だった。 ネットで見ると 8月23日現在、1Ft=約0.45円、€1=約294Ftとある。 “フォリント”という単位のようで、確かに桁違いだ。 メモをみると19ユーロと記してある。
瀟洒な駅舎を出て直進・・・とは言え、駅前は複雑。 地図でみると三叉路の一角。 (だからかぁ・・・ 直進すべき通りに出るのに手間取った。) が、言われたように行くと観光バス用のバス停が。 普通のバスも来る。 私の他にインド人カップルがバスを待っていた。 しばらくして来た赤いバスに乗る。 ピンクのユニフォームのガイドさんが可愛い。 日本語のオーディオガイドがあって助かった! 直進。 道路沿いのビルが素晴らしい。 どれも装飾つきだ。 が、ウィーンや今まで訪ねた都市と異なって建物がひどく煤けている。 エディンバラのまっ黒な塔・・・とまではいかないが汚れて(?)いる。 リバプールの一角のさびれた町並みとも違うが、異質な趣であった。 まさに「古色蒼然」!
三つめのバス停はドナウ川の手前。 クルーズに乗りたい・・・と思い下車。 橋の名は 「エリザベート橋」。 バス停から、すぐ階段を登ると目の前に立派な橋がある。 が、船の乗り場は下だった。戻って、川に並行に走る電車の線路を、信号を押してから緑にしてから横断。 右手に行くとドックがいくつも並んでいる。 クルーズがどこから出るのか分からないまま、アチコチ尋ねて 一つのドックが「ココだ!」と。 いそいそと飲み屋を兼ねたような小屋(?)を通って乗船するが、誰も乗る気配ナシ。 聞けば一時間後に出発とのこと。 で、一旦降りて、 再び線路を横切って一段高くなっている緑地をウロウロ? セグウェイを使っての市内観光を募っている二人組がいるが私には声がかからないワ! アイスクリームでランチにしちゃおう…と思ったのだが、ウィーンと違って売っていない! 実は今回、ランチ代わりにアイスクリームを何度か食べたのだが・・。 ココはウィーンほどの賑わいはナイ。 “東側”だった影響が残っているのかしら? 漸く出発時刻が近づき乗船。 ヴァッハウに懲りたので、今回は先ず、船内にいた。 涼しい! 11時半、出発。
川沿いの建物のナンとすごいこと! これでもか、これでもか…というくらい装飾が施されている。 繊細・華麗にして豪壮・壮麗。 ウィーンやザルツブルグのどの建物よりもスゴイ。 圧倒される。 遠くから全体を見るからかしら? 今までもお城の部分・部分を見て感心しきっていたが、少し離れて全景を見れば同じだったのかしら? そのうちに、有名な「くさり橋」が目の前に。 重厚などっしりした橋だ。 もちろん、彫刻入り。 次にくるマグリット橋。 これは橋の両サイドにズラリとならぶ街路灯のデザインが繊細で優美。 中に浮かぶマグリット島を右側から一周して再びマグリット橋、くさり橋・・を通り、前方の小高い丘にそびえる女神像をみながらエリザベート橋のたもとに帰着した。 ネット上の地図で検索するとブダの王宮、聖アン教会、バッチヤーニ広場、国会議事堂・・と名前が載っているが、一つ一つは分からない。 名前を知ったところで、ドウというわけではないが、やはり知りたい。 が、とにかく、どれも繊細・華麗そして荘厳、壮麗・・と言ったあらゆる美辞麗句で語れそう。 誰が? 誰のために?・・・と、へそ曲がりは思う。 王侯、貴族、高僧・・・は文化の伝達者???
1時、下船。 実は一時間ほどのクルーズと(勝手に)思っていたので、気が急いていた。 バスでの市内観光が出来るかしら? バス停に急ぐ。 ブラックの背の高いお兄ちゃんはチケットを売っているのか案内をしているのか?
コレと思うバスに乗ろうとすると、ソレは「ジラフだからチガウ!」 ピンクのユニフォームのガイドさんのバスに乗ろうとしたら、「チガウ!」 一見、どのバスも同じに見える。 30分近く待っていたが、このままだと市内観光をしていたら15:10のウィーン行きの列車に間に合わない。 で、駅へ向かって歩き始めた。 駅まではまっすぐ歩けばイイはず。 タブン、時間は十分ある。 道の両サイドに並ぶビルにシャッターを向ける。 どのビルも重厚そのもの。 古びているが装飾が優雅で美しい。 趣きたっぷり! 私は好きだ。 ウィーンの明るい色のビルは、私が描いていた「音楽の都・ウィーン」とも、映画の「アマデウス」のころとも異なっているのは当然。 で、ブダペストの煤けた通りは昔のまんま? ブダペストの売りが「夜景」であるのがわかった。 キラキラと綺麗・・・煤けた・・は見えないネ。
民芸品を売っているお店を見つけた。 朱色に近い赤がハンガリーアンカラー? 赤い花と緑の葉の縁取りのお皿・・普段使いにイイなぁ。 「ハウマッチ?」 「○○・・。 △△ユーロ。」 「ユーロで払うわ。」「ユーロはダメ。」 ここで、私はようやく、ハンガリーはユーロを導入していないことを知った。 すごく残念だったが購入断念。 また歩き出す。 また、民芸品見っけ! さっきのお店よりも大きい。 そして本格的? 見るダケのつもりで中へ。 お皿やお人形、手芸品・・・。 きれいな刺繍のテーブルセンターはいいけれど、私は実用品がイイなぁ・・。 赤い生地見っけ! そうだ、コレにしよう。 50㎝だけ切ってもらった。 ココではユーロがOK. カードで支払い、お店を出て、ひたすら駅へ歩く。 (二時間後の列車でもよかったかなぁ…と思うのは帰国してから。)
2時20分過ぎ、駅着。 表示板で列車を確認。 何番線から出るのか、まだ表示ナシ。 脇のホール(?)に行くと閑散としていて異質。 駅なのにまるで博物館。 高いところに絵画が飾られ柱の上部装飾は金色! 戻って車内で食べるランチを購入。15:10発の列車はミュンヘンへ行くのだ! ハンガリー・オーストリーそしてドイツへ・・国際列車なのだ!
15:10の列車は9番線から・・と分かり、列車に乗り込む。 意外や今度は座席指定を取った人が多かった。
2度ほど、席を移って出入口付近の4人掛けに座った。 間もなく山ガール風な若い女性が、そのうちにもっと若い男性が座った。 女性は、何やら厚い本を読んでいる。 学生? 研究者? 邪魔しては悪いので話しかけないで、窓の外に見入る。 相変わらずの平原。 本を読んでいた女性が突然、帽子を脱いで髪がバラり・・・・と。 あら、案外女性らしい方! 「どちらまで?」 「ミュンヘンよ。」 男の子に「ドチラまで? どちらの方?」 彼もミュンヘンまでだった。 で、アフガニスタン出身とのこと。 「タリバンが・・・で、ボクは家族と離れてミュンヘンで働いている。」
「友達と一緒に住んでいる」 もっとイロイロ話したい。 おとなしい子だったが、紛争の地でドウ生活していたんだろう。 私の想像を超えた生活だったんだろうなぁ? 苦労したんだろうなぁ。 怖い目にもあったんだろうなぁ・・・。 彼の顔をじろじろ見るわけにはいかないけれど、本当はマジマジと見たかった。 もっと話したかったが、ドイツ女性もいることもあって、我々3人は静かだった。
ウィーンに近づいたころ、 男の子にキャンディを出して「どうぞ!」と言ったら ニコッとして「Thank you!」 ドイツの山ガールにも「どうぞ」。 3人の中では私は年長者。 見るからに異人種。 先に立ってリードして、もっと話せばよかったなぁ・・・。 イヤ、読書の邪魔をしてはイカンね。
窓の外は晴れたり曇ったり、小さな雨粒が窓を打ったり・・・。 発電用の風車もいっぱい並んでいた。 どのくらいのパーセンテージで風力発電をしているのだろう。 原発は?
遠くに山が見えてくるとオーストリアかな? 帰路は西駅まで行って、ランドシュトラッセのスーパーでソーセージのお土産を買って7時ごろホテルに帰った。 ウィーンカード終了につき、チケットを購入。
ホテルに戻って、今度はホテル付近を散歩。ホテルの向い側の裏・・ナント、Sバーンが通っていた。丸ノ内線同様に地下鉄と言ってもこの辺りは地上も走っている。線路の上の遊歩道を通ってレンベーグ駅付近まで行き、ケンへのお土産としてビール缶を3つ購入。ホテルに戻ってウィーン最後の晩餐とした。
明朝、どうしようかなぁ・・?
9階我が屋根裏部屋(?)から見た屋根・屋根・屋根 ベートーベンの頃は何階建てだったんだろう?